99人の壁のゲームデザイン

たまたまケーブルテレビでやっていた99人の壁をチラッと見かけたのだが、早押し方式だったことにびっくりした。「参加者の退屈問題」はどう解決してるのだろう?ブロッカーが誤答した時はエンドレスチャンス方式?「演出」の制約が強いのかしら。ゲームデザイン的に早押しより適したものがあると思う。

具体には「早押しクイズ」と「ボードクイズ」に「チャレンジトークン式」を組み合わせると、色々と解決しそう。

回答する二組をとりあえず「挑戦者」と「壁」と呼ぼう。問題は読み上げなりなんなりで徐々に出題され、回答者は早押しボタンを押し、押された時点で出題が止まる。ここまでは早押しクイズ。
んで、押した人だけでなく、押してない人も回答権がある。こうなると、早押しボードクイズ。

(「ボードクイズ」は、割とごっちゃにされるけど「ホワイトボードに書いて回答する」と「参加者全員に回答権がある」のふたつの要件パターンの組み合わせであり、後者の意味でボードクイズと使われるきらいがあるぜよ。全員回答権ってほぼボードしかないけどねぃ。余談だけど。)

んで、壁側が先に押して回答権を得た場合。
この時は壁25人がボードで回答するほか、挑戦者は「回答する」か「回答を控える」かを選ぶことができる。回答して正解すれば次に進めるし、誤答すれば失格。一方、回答を控えた時は、壁側に正解者がいれば敗退、正解者がいない場合は壁25人を除き仕切り直す。

いわゆる、トークンリング方式をゲーム構造に応用した「優先トークン方式」のギミック。早押しと回答権獲得をトークン(マーカー)を使うことで分離できる方式。クイズ形式で使ってる例は自分以外にひとつしか知らんから、あまり知られていないのかも。。

これにより、
「指勝負で(推論技能も含めた知識多寡以外の要因で押し負けて)敗退したことによる納得いかない感の発生防止」

「(前者に付随して発生する)早押し用問題を作るコスト、作りの甘さによる事故の危険性の低下」

「(早押し用問題以外の出題制約が緩まったことによる)出題可能性の拡大」

などなど嬉しいことがあるほか、

従来「早押し」で負けると参加できなかった壁側の人も参加することができ「参加者の退屈問題」も解決できるぜよ。
番組に参加したけど何もできずに帰るのは退屈だわさ。その形式にはその形式ならではの狙いや面白さは勿論あるんだけど、それを抜きにして参加者の満足度を考えるというのは、企画の満足度に貢献する部分だと思うのろ。

もう少し調べれば、番組の尺とか、賞金獲得しやすさとか、早押しという絵を見せたいとか「演出」からの色々な理由はあるのだと思う。
チラ見しただけだから邪推だけど、ウルトラクイズの通せんぼクイズの影響が強い気もするのは穿った見方だろうかなぁ。。フジだから違うかぁ。(終)

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