勉強の成果を上げるために必要なこと

勉強の正攻法について考える機会があったので、少しまとめてみました。いろいろ考えていたら長くなってしまったので、それはまた技術系同人誌の一節として新たにまとめたいと思います。

さて、近刊の技術系同人誌の拙著「IT初心者のための資格試験を使った勉強法」でも書いていますが、勉強を成功させる秘訣は「モチベーションを維持すること」だと考えています。何事もやる気を維持できなければ続かないというのは当たり前でもあるので反論はないでしょう。拙著では、モチベーションの維持のための方策として、仲間作りや教材選びの方法などを紹介していますので、その点については拙著に譲るとして、今回はもう少し掘り下げてみたいと思います。

モチベーションを維持できる環境を整えることができたとして、その中で着実に勉強を進めて成果を上げていくためには何を意識するべきでしょうか。なんとなく、良い教材や良い先生(あるいはメンタ)に巡り会えれば、あとは大船に乗った気でいても良いように思われる向きもあるかもしれません。しかし、本稿で話題にしたいのは、そういった恵まれた環境を手に入れた後の話です。恵まれた環境を手にできても、その後の自分の考え方や振る舞い方によって、やはり勉強の成果の良し悪しを左右することがあるということを書いてみたいと思います。

前置きが長くなりましたが、本稿で勉強の成果を上げるために必要なこととして挙げたいことは次の3つです。

  • 約束を守る

  • 人を大事にする

  • 時間が有限であることを意識する

まず、「約束を守る」とは、2つの相手がいます。一人は自分自身です。勉強をやると決めたのですから、決めたことに責任を持って自分との約束を守るべきです。このマインドがなければ、達成までに少なくとも2日以上掛かるような大きなことは達成できません。なぜなら、だいたい夜になって寝てしまうと、次の日の朝に起きたときには昨日のことなんかさっぱり忘れてしまうことが多いからです。そして、もう一人は先生(メンタ)です。良い先生に恵まれたとすれば、きっとあなたの勉強についていろいろアドバイスを与えてくれると思います。たいていは「次までに~~までできると良いですね」という話になることも往々にしてあることと思います。ここで、しっかり次までにその“課題”に取り組んで自分なりの成果を報告できるかどうかで、当然、先生との次のやりとりが変わってくるでしょう。同じ時間でもどれだけ前に進めるか、どれだけの学びを得られるかが変わってきます。そういう積み重ねが積もり積もると、大きな差になって表れてくることは言うまでもありません。

次に、「人を大事にする」ということです。勉強の仲間を作ると、いろいろ分からないことを教え合ったり相談したりするようになると思います。ここで、お互い様の精神で尊重し合いながら付き合えなければ、良い付き合いにはならないことは簡単に想像できると思います。さらに、それはお金を払って面倒を見てもらっている先生に対しても同様でしょう。お金を払っているから細かいことは気にすることはない、少しくらい進度が遅くても、宿題をさぼっても、自分のペースでやれば良い、という意識でいれば、良い指導をしてもらえることは望めません。たとえサービスを受ける側であっても、良い関係が築けていないと、自分が受け取れるサービスの質がいろいろな意味で落ちてしまうことは言うまでもありません。

最後に、「時間が有限であることを意識する」ということです。学生時代は、勉強に費やした時間の長さで褒めてもらえたことも多かったと思います。しかし、社会人になると何かと時間がありません。時間に対するコスパを考える必要があります。同じ事でもなるべく効率的に学ぶ工夫をするなど、自分で能動的に勉強の質を上げることを考えていく姿勢が大事になります。

さぁ、ここまで勉強に対する姿勢を書いてきましたが、仕事でも同じことがいえるのではないでしょうか。そして、そういうことができる人って仕事ができる印象がありませんか。時間と労力を費やして、周りの人の協力も得ながら成果を上げていく、というプロセスは、勉強でも仕事でもあまり違いはありません。すなわち、社会人としての基本的スキルと言っても良いのかもしれません。私が学生時代に読んだ「絶対内定」(杉村太郎著)にもありましたが、社会人として当たり前のことを当たり前にできることを目指せば良いように思います。社会人としてうまくやっていけている人であれば、きっと勉強でも成果を上げることができることと思いますし、逆に勉強で成果が上げられていないとしたら、自分の日頃の仕事も顧みてみても良いのかもしれません。

この原稿を書きながら自分自身のことも反省したことは言うまでもありません。ただ、仕事も勉強も同じだと考えれば、どちらかをきっかけに自分のやり方を見直すことができます。そして、それは両方に良い結果が返ってくるということでもあります。そうだとしたら、そういう視点を持って取り組んでみることは悪くないのではないでしょうか。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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