侮れない「ITパスポート」

人材派遣会社でITエンジニアの技術研修をしている会社の人の話を伺う機会がありました。VUCA(※)と言われる時代、技術者も日々の技術の移り変わりと社会や社内のニーズに敏感になって動かないといけないという話は、とても説得力があり納得しました。

そして、その文脈の中で、IPA(情報処理推進機構)が主催する情報処理技術者試験の一区分である「ITパスポート」の話題がありました。なんでも「ITパスポート」の立ち位置が、第四次産業革命を見据えたものに変わって「エンジニアに限らず必須」と言われる資格になった、とのことです。確かに、IPAの資料を見ると、そういった旨が書かれています。

近年のAI、ビッグデータ、IoTをはじめとするデータ利活用に関連する新技術の進展は、第4次産業革命とも呼ばれ、(中略)新技術によって創出された新たな製品やサービス等を効果的に活用するためには、社会人全体の基礎力として、従来以上にITリテラシーに関する幅広い知識を身に付けることが求められています。
また、政府の「未来投資戦略2018」(平成30年6月15日閣議決定)においても、全ての社会人が持つべき「IT リテラシー」についての基準を策定するとともに、「IT リテラシー」を認定するためにiパスを拡充し、企業の採用選考や従業員の処遇においてAI・IT 等に関する能力の反映を促すことが示されています。
(出典:プレス発表 第4次産業革命に対応したITパスポート試験の改訂(iパス4.0) https://www.ipa.go.jp/about/press/20180806.html)

国の方針としてそうなった、という話なので各々がどう考えるかは別としても、当然、国の動きに敏感な企業や第四次産業革命を注意深く見ている企業はそういう目で見ているでしょうから、我々のキャリアプランの中での位置づけも少し見方を考えた方が良いな、と思った次第です。「ITパスポート」は、かつて「学生が就活対策に取得する試験」と言われることもあったようですが、自分がこれからの第四次産業革命の中で生き残れるかどうかの試金石の一つにもなるかもしれません。

※Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べた頭字語。

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