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【投げ銭方式】【CL愛知&CL宮城ベスト16】一撃ルギアの極意

こんにちは、最近まで仙台で活動し、今年から関西で活動予定のぐっちと申します。主な成績としましては、
2021~2022シーズン CSP390、POG2021 day2 59th、CL横浜7-2
2023 CL愛知ベスト16(予選1位)、CL宮城10-4 CSP155
となっております。

 本記事の内容はCL愛知~CL宮城にかけて調整を行った一撃ルギアのデッキ解説記事となっており、主にこれまでの研究過程および構築過程に重きを置いて記載しております。
一撃ルギアというデッキは、1月のレギュレーション変更後に登場したルギアVSTARと一撃ポケモンを組み合わせたもので、前シーズンのルギアVSTARとは全く別の動きを見せるデッキとなっております。

 シティリーグやCL愛知およびCL宮城に出場するに際し、仙台を拠点に活動するチームシングルスターのメンバーと、古くからの友人なみん@naminchu_pkmn(PJCS2022ベスト32、CL宮城ベスト16)とともに一撃ルギアを調整し、
シティリーグ ベスト8、ベスト4×2
CL愛知:ぐっちday1 8-1/day2 5-0 ベスト16、
    タケday1 7-2
CL宮城:ぐっちday1 7-2/day2 3-2、
    じゃすday1 8-1/day2 3-2、
    なみん day1 8-1/day2 4-1ベスト16
というアベレージの高い結果を残すことができました。

カードプールの狭さやシティリーグのレシピ公開によって、おおよその構築は皆さんご存じの通りなので、構築していく上で重視した点や環境変化をどう反映させたかなどを解説したいと思います。
 新弾のパワーが高すぎて環境が大きく変わることから、本記事は投げ銭方式(ぜひ新潟の遠征費に)にしたいと思います。おまけとして、私が構築、練習、対戦中に意識していることを簡潔に解説したいと思います。

1. 一撃ルギアの立ち位置

 皆さん、ルギアというデッキは運ゲーでしょうか?
 ルギアに関する印象は人によって本当に違います。「ルギア最強!!」という方もいれば「回らん、運ゲー、事故る」というネガティブな方もいます。その根源はやはりレギュレーション変更による周辺汎用カードの消失にあります。
 まずルギアというデッキは、ルギアVを置く、アーケオスを2体トラッシュに落とす、ルギアVSTARに進化するという単純かつ難解な課題がゲーム序盤に要求されます。
 これに伴い前レギュレーションでは、クイックボールやオーロラエネルギーといった手札を切れるカード、しんかのおこうというルギアVSTARにもアーケオスにもなり得るカードがあまりにもこの要求に適していました。またクイックボールやオーロラエネルギーは、博士の研究やマリィのようなサポートで縦引きした後に手札を切るいうアクションを起こせる数少ないカードでした。
 しかし現在はこの「手札を切る」というアクションのハードルがとても高く、どのタイミングでも手札を切るカードはハイパーボールしかありません。なので、博士の研究を使用した後にアーケオスを落とすことが前回よりも格段に難しくなっており、この点が「アーケオスを落とせない」という不満につながります。
 また、キャプチャーアロマやテーブルシティといったコイントスを伴うカードを採用せざるを得ない環境であり、上手く噛み合わないとルギアVすら置けないということが起こります。現環境はロスト軸のデッキやミュウVMAX、ルギアVSTARなど、1ターンの隙を作るだけで負けに直結する環境なので、このコイントスの要素がネガティブな印象を与えているのは否めません。
 逆に言うと、そこさえ超えてしまえば破格のパワーを発揮するというのも事実です。一撃ルギアの強みは以下の点が挙げられます。

・HPボーダーが高い
・悪タイプ、闘タイプという優秀な色を搭載
・ギフトエネルギーによる毎ターンのリソース確保

 一撃ルギアが環境に登場した当時の印象としては、「ルギアVSTARが280出せないじゃん」、「バンギラスVしか280でないし2-2交換だからイマイチ…」、「エネルギー管理難しそう」など、前回のルギアVSTARが最強だっただけに、ネガティブな印象がほとんどでした。
 しかし使用してみると、なぜか勝てる。アメイジングデスやかえんばくなど派手な動きをしていないのになぜか勝てる、そういう印象でした。
 もちろんアルセウスVSTAR系統やミュウVMAXなどの弱点を突くことができるデッキに対しては有利な点は納得できますが、その他のデッキに対しては劣勢であってもなぜか粘り勝ちできるということが分かりました。

 これらの理由を分析した結果、
「HPボーダーが高い」
「ギフトエネルギーによる毎ターンのリソース確保」
という点が関わっていると考えました。
 一撃ルギアに採用されているポケモンはHP130以上で構成されており、ウッウのおとぼけスピットやヤミラミのロストマイン一発で倒されず、Vガードエネルギーによって高い確率でルギアVSTARが一度耐えてくれます。これによりゲームがロングになり、手札干渉やボスの指令を的確に使用することで競り勝つことを実現しています。
 それに加え、ギフトエネルギーによって毎ターンのアクション(ボス、活力の壺、手札干渉など)が担保されるため、相手の動きに合わせて最適な動きを選択することができます。もしマウントを取れた試合なら、そのマウントを維持することが可能になり、劣勢であれば相手の弱みを突く動きができます。これによって一撃ルギアは「マウントを取れた試合は落とさない」、「マウントを取られた試合は競り勝てる」という柔軟なデッキとなりました。
 以上の特性を最大限に生かせるようなデッキづくりを心掛け、CLに挑みました。次章では実際に使用した構築とその採用理由などを述べたいと思います。

2. 各大会におけるデッキレシピおよびその変遷

 まずCL愛知前に各調整メンバーが使用した構築を以下に示します。

みよし使用 シティリーグベスト8

なみん使用 シティリーグベスト4

 2月に行われたシティリーグでチームシングルスターのみよしさんが一撃ルギアを使用し、予選全勝のベスト8を残しました。またそこで得た反省点を踏まえ、なみんが使用しベスト4を残しました。
 当時のレシピはまだ一撃ルギアの出力をどう出すか、強い点はどこかがまだ把握できていない中での出陣でした。その中で当時多かったアルセウスギラティナやミライドンに対して有利がつけるようにイシヘンジンを2枚搭載し、ミュウVMAXに対してイベルタルを採用しました。また、そこで得た反省点を踏まえ、ツツジを採用したリストでなみんが使用しベスト4を残しました。

 その後のCL愛知出場に際し、自分は一撃ルギアの強さをまだ完全には理解できておらず、候補としてはロストカイオーガまたはアルギラピカを考えていました。壁役として仲間に一撃ルギアを握ってもらっている中で一撃ルギアの強さが徐々に理解でき、一週間前に一撃ルギアで行くことを決めました。もう一度一撃ルギアの本質を理解し、シティ以降の環境の変化を踏まえ、実際に使用したリストおよび採用理由、戦績などを以下に示します。

CL愛知 Day1使用 8-1

採用枚数および解説
ルギアV-VSTAR 4-4
 ルギアVを置く、VSTARに進化するという単純かつ難解な課題をクリアするために最大枚数の採用です。現環境は進化ポケモンを確定で持ってこれるボールはハイパーボールしかなく、前環境でも進化できないことがあったのに現環境で簡単に進化できるわけがありません。現に練習段階でルギアVSTAR3枚と4枚では圧倒的に進化成功率が異なり、3枚採用により進化できず負けたという報告もいくつも聞きました。ここは譲れない

アーケオス 4
 逆に3枚にする理由が知りたい。

バンギラスV 2
 一撃ルギアの中で唯一280点を出せるポケモンであり、VSTAR環境においてとても貴重。ミラーにおいてはバンギラスの殴り合いになるため2枚採用。やまなだれという技も破格であり、ゲッコウガ軸のロストデッキ(以下、青ロスト)に対してミラージュゲートやエネルギーリサイクルなどをトラッシュに送ることができれば大きく試合が傾きます。230というHPも偉く、ルギアやアルセウスの攻撃を耐えたり、おとぼけスピット2回を耐えたりしてくれます。

イシヘンジン 2
 直近のシティリーグ同様、環境にはミライドンやアルセウスギラティナが存在しており、1枚と2枚では大きく勝率が変わることが分かりました。また、対ロスト軸の際には盤面をHP130で埋めながらやまびこホーンを警戒しゲームを進行できるため、非ルールのポケモンが3体以上必要と判断し、2枚採用しました。

ネオラントV 2
 序盤の展開、中盤の手札干渉、終盤のリーサルすべてにおいて活躍するポケモン。サイド落ちするとゲームにならないことが多いので2枚の採用。キャプチャーアロマの受けが表ならアーケオス、裏ならネオラントVからバーネット博士をサーチすることでゲームを進行させることができます。

かがやくサーナイト
 このデッキのアイデンティティ。このポケモンによって後攻の勝率が格段に上がりました。
 当時一撃ルギアの割合が大きく増えており、ミラーが続出することが予想されました。そこでかがやくサーナイトを採用し、風読みの返しにルギアVが倒されないことでゲームをロングにすることができます。
 また、Vガード+サーナイトによってHP330のルギアVSTARが完成し、一撃ルギアミラーの醍醐味であるバンギラス合戦においてルギアVSTARが一度耐えてくれることで逆転の目が生まれます。
 加えて、バンギラスもHP280となり、相手の一撃エネルギー×2+ダブルターボバンギラスの攻撃を耐えることで、相手のエネルギー管理にもプレッシャーを与えることができます。あとは空飛ぶピカチュウの大バルーンを耐えたりと相手のプランを崩す一枚として採用しました。
 一般に一撃ルギアのかがやく枠はアマージョであることが多いと思います。しかし練習段階においてアマージョがなくてもプレイング次第でロスト軸のデッキに勝てることが分かったのでこちらの採用となりました。

ハイパーボール-キャプチャーアロマ-ネストボール 4-4-2
 とても一般的なボール配分となっています。特に進化ポケモンをサーチできるハイパーボールおよびキャプチャーアロマは最大枚数採用しております。
 またネストボールの枚数に関しては本当に悩みました。前環境では海外の最強プレイヤーTordさんが使用し、日本においても基本化されたキャプチャーエネルギー4枚採用のルギアが存在していました。ボール最大枚数、キャプチャーエネ4枚採用してまでルギアVを初手で置くことを目指していたのに、この甘えたボール配分で本当にルギアVを置けるのかを懸念していました。しかし、枠の都合や悪の塔のドローによってなんとか繋がるだろうと考え、この枚数に落ち着きました。
 スーパーボールの採用も検討しましたが、スーパーボールは1枚が0枚になる可能性があるため採用を見送りました。

活力の壺 3
 一撃エネルギーをトラッシュから2枚山札に戻すカード。
 この枚数は2~3で割れると思います。どちらも正解だとは思いますが、このデッキはバンギラスVに加えイシヘンジン2枚をプランに組み込むため、一試合中に使う一撃エネルギーが比較的多いので3枚の採用となりました。また、悪の塔を多投していることから、序盤から手札の一撃エネルギーをトラッシュに逃がしながらドローを進め、ギフトエネルギーによって活力の壺を引っかけてバンギラスVでカウンターみたいな動きを頻繁にします。
 ここで重要なのは、使う枚数と触りやすさの関係性です、正直なところ実際に活力の壺を3枚フル活用する試合をほぼ無く、2枚使う試合も多くはありません。では、活力の壺を2枚にして枠を作ればいいのではと思われますが、このデッキではバンギラスVの280ダメージやイシヘンジンのギガハンマー(弱点突き)、シンオウ神殿下によるルギアVSTARのストームダイブなど、活力の壺1枚引ければ勝ちという場面が多々見られます。
 以上の理由から3枚の採用となりました。

博士の研究 4
 「ルギアは博士4」ルギアVSTAR発売当初からこのスローガンを掲げてきました。現環境においてはその必要性はより濃くなっています。
 その理由として、早い段階でジャッジマンを使用してくるデッキタイプが多く存在していることにあります。先述の通り、前環境よりもアーケオスを落とす、ルギアVSTARに進化するというハードルが高くなっている中で、ジャッジマンの返しに引くドローソースがヒガナの決意やジャッジマンだとその要求を満たすことは極めて難しいです。
 もちろんエネルギーや活力の壺などの貴重なリソースを保持する為にヒガナの決意などは有効ですが、雪道ジャッジマンを超えるためにはそんなこと言ってられません。
 また、このデッキの重要な点である、ドローサポートの先でハイパーボールを引く必要があるという点を満たすためにも、博士の研究は初動において最も有効な札となっています。

ボスの指令-セレナ 2-2
 前環境のルギアでは、「セレナはドロソではない」というテーマでデッキ構築していました。しかし前回とは違い、セレナが貴重な手札を切るドローサポートとなっています。
 ルギアというデッキは最速2-2-2でゲームを終わらせることができるので、常にベンチポケモンを呼ぶという選択肢を担保しておく必要があります。これを実現するにはボス札は4枚必要であり、あとはボスの指令とセレナの比率を考えることになります。
 当時はミライドンやサーナイトのようなexポケモンが環境に現れ、またロスト軸などの非ルールポケモンが主となるデッキも存在することからボスの指令は最低2枚必要でした。そのうえで初動の手札を切るサポートが6枚以上採用したかったのでセレナ2枚となりました。

バーネット博士 1
 アーケオスを確定で2枚落とすことができる唯一のカード。
 ネオラント1枚で一番ハードルが高いであろうアーケオスの準備をこなしてくれます。この構築上、アッセンブルスターが成功すればロングゲームに持ち込むことができるので、最低限ゲームを始められるための一枚として採用しています。

ツツジ 1
 このデッキの2つ目のアイデンティティ。ルギア登場時代から採用している捲りカード。
 ルギアの強みは非ルールのポケモンをどのタイミングでも動かすことができ、サイドコントロールが器用に行えるところです。相手サイドをいつでも奇数にコントロールできるのでツツジのタイミングは広く訪れます。ロスト軸のデッキにも見えないところからツツジを打つことでミラージュゲートやクララなどへのハードルを上げ、やまなだれなどでプランを破壊することが可能になります。
 以上から、先述した「マウントを取れた試合は落とさない」、「マウントを取られた試合は競り勝てる」はこのカードによっても体現されています。

悪の塔-崩れたスタジアム 4-1
 このデッキの3つ目のアイデンティティ。世間のリストではテーブルシティが主流だと考えておりますが、私達の間では一撃ルギアに関しては悪の塔一択だと考えています。
 テーブルシティはコイントス表で好きなポケモンをサーチできますが、裏だと発動しません。つまり1枚のカードが0になります。加えてたとえ表だとしてもアーケオスを持ってきた後にハイパーボールや博士の研究がないとその後のアクションが繋がりません。一方で悪の塔ではポケモン、ボール、サポートすべてに繋がる札であり、ハイパーボールを引き込めるカードです。 
 よくあるケースとして、アーケオス1体切りながら博士の研究を打ち、スタジアムとアーケオスを引きます。ここでテーブルシティであればアーケオスを切ることはできませんが、悪の塔であれば後2枚めくり、ハイパーボールへのアクセス率が上がります。毎ターンのこの2枚が積み重なるとデッキの安定性がまるで違ってきます。また、キャプチャーアロマが2枚ドローに代わることも有意義な点です。
 崩れたスタジアムに関しては、ルギアデッキに必須のカードだと考えています。このデッキの重要な点の1つとして、如何にルギアVSTARに触らせるかということが挙げられます。言い換えると、こちらの攻撃回数を如何に増やすかということです。
 使い方として、ルギアVSTARが一度攻撃を耐えた返しにベンチに下がり、崩れたスタジアムで消したり、ネオラントVを消すことで攻撃対象をルギアVSTARか非ルールポケモンへと誘導したりします。ルギアVSTARに触ってくれた場合、ボスの指令やバンギラスVでカウンターでき、非ルールポケモンを倒してきた場合はツツジによってチャンスが生まれます。ロスト軸のデッキに対しても、月光手裏剣やロストマインで乗ったダメカンを消すことで相手のプランを狂わすことができます。
 枚数に関して、ルギアというデッキはスタジアムによって対策が容易にできます。例えば頂きへの雪道によるアッセンブルスターの妨害、シンオウ神殿による攻撃封じなどが挙げられます。
 特にCL愛知直前、頂きへの雪道とダブルターボを多投したミュウ(以下、雪ミュウ)が全国的に爆増しました。雪ミュウに対しては3-3プランで勝利できるのでゲームの山場は雪道ジャッジマンの返しにアッセンブルスターを使えるかどうかになります。練習段階でスタジアム4枚でも戦えなくはない状態でしたが、アルセウスギラティナ含め、雪道ジャッジマン搭載デッキにday1予選9回戦の内4回戦は当たるであろうという読みで合計5枚の採用となりました。本番では案の定雪道ジャッジを何度も打たれましたが、悪の塔のおかげでサポートやボールにたどり着き、雪道を突破することができました。

ダブルターボエネルギー 3
 ルギアVSTARの殴り出しや逃げエネに使用する頻度が高いため3枚採用しています。一撃ルギアは前環境のルギアと違い、一撃エネルギーと活力の壺によってエネルギー供給をするので、エネルギー総数はかなり少ないです。これによりゲーム後半にはベンチポケモンを縛られたり、もう攻撃することができなかったりと勝てる試合が負けになるということが起きます。特にこのデッキは一撃ポケモンやかがやくサーナイトなど逃げエネが重いポケモンが多く、2枚で練習していた時には博士の研究や一撃クラッシュの兼ね合いによっては苦しくなることが多かったので3枚になっています。
 デメリットとしては、最初のルギアVSTARへの手張りがダブルターボエネルギーになってしまうと、ストームダイブが220点出せなくなるため、相手の風読みやアビスシークに対してマウントを取りに行くことができなくなります。

Vガードエネルギー 3
 相手のVポケモンからのダメージが-30される守りのカード。ルギアミラーやミュウ、ギラティナ戦においてその効果を発揮してくれます。実際に使うVガードエネルギーは2枚ほどなので3枚は過剰に思えますが、このデッキのコンセプトであるVガード+かがやくサーナイトの再現性を上げるためにこの枚数にしています。実際に雪ミュウ戦においてバンギラスVがサイド落ちした試合では、Vガードルギア×2とVガードバンギラスVで殴り切った試合もありました。

ギフトエネルギー 3
 今環境のルギアの根幹を支えているカード。最初のアタッカー、中盤のアタッカー、リーサル盤面のアタッカーに対して付けることで常に選択肢を多く持ち、マウントを取り続けることができます。対雪ミュウにおいてはうねりの扇が搭載されていることが懸念されたため、あえてバンギラスVにギフトエネを2枚付け、活力の壺や2体目のバンギラスを引き込む動きをすることもあります。
 しかし、マウントを取れている試合はボスの指令やセレナを使いサイドを取っているので、手札が潤沢であることが多く、ギフトエネが発動しないことが頻繁に見られました。これを見ると、ラッキーエネルギーの方が有効な場面もあるように思えます。

一撃エネルギー 4
 言わずもがなの4枚。最初にサイド確認するカード。ゲーム中は手札に来た一撃エネルギーは悪の塔でバンバン切ります。
バンギラスVの一撃クラッシュ280点はもちろんですが、その他にも、やまなだれ120点でウッウを倒したり、イシヘンジンのだいちのこどう100点+ギガハンマ―180点でVSTARを倒したりと、その場に応じて器用に算数をする必要があります。
 また、シンオウ神殿下においてはプライマルターボによって一撃ポケモン以外にもつけることができるので、対ロストギラティナやサーナイトexなどで2体目のルギアVSTARを準備するという動きも頻繁にします。

次にDay1の反省も踏まえ、Day2に使用したリストを以下に示します。

CL愛知 Day2使用 5-0

 Day1からはイシヘンジン1枚をドラピオンVに変更しました。理由は以下の通り。
・Day1と比較してミライドンやアルセウスギラティナが減少
・Day2では4-1や5-0といった難易度の高い勝ち方をしなければいけないので、イージーウィンや相手のコンセプトを捥ぐようなデッキの使用率が高くなると予想。つまりミュウ系統が増加
・ロストギラティナやサーナイトexなどのシンオウ神殿を出してくる相手に対して無色エネのみで180ダメージ以上出せるポケモンが欲しかった。 
 実際にこの変更は功を奏し、Day2を全勝、予選1位で通過することができました。

 マッチを見てみると、私のじゃんけんの弱さによりほとんどが後攻でした。ネオラントVスタートすることもありましたし、2ターン風読みすることもありました。しかしなぜか勝てているのはかがやくサーナイトであったりツツジ、崩れたスタジアムなどによって負け筋を消しながら勝ち筋を追うことができた証拠だと思います。
 ベスト16の配信の反省をしておくと、
・相手がバトルvipパスでギラティナを置かなかった時点で青ロストと判断し、イシヘンジンではなくバンギラスVを持ってきてやまなだれを打つべきだった
・悪の塔をぶん回して崩れたスタジアムを引きに行き、ルギアVSTARを消すべきだった。
・グータッチをもっと素早くするべきだった

パラドクスポケモン 「スカルコブシ」の誕生

 CL愛知が終わり、休む間もなくCL宮城の準備が始まりました。個人的事情によりなかなか環境読みやデッキ構築に時間を取ることが難しかったですが、調整メンバーにとても支えられました。
 環境の変化としましては、トリプレットビートの発売によりジェットエネルギーが登場したことがあらゆるデッキに影響を及ぼしました。
 ロスト軸にデッキはもちろん、どっすんグースカのカビゴンやアヤシシVを採用したルギアデッキ(以下、白ルギア)という新たなデッキタイプも登場しました。これらすべてを考慮して候補を絞った結果、サーナイトexかルギア(一撃or白)でした。サーナイトexは環境の中でも特に立ち位置がよく、ロスト軸の小物デッキやルギア、ミュウなどの大物デッキの両方に対して勝ち筋が豊富に存在するデッキでした。
 しかし、勝ち筋が多いほどデッキの難易度が高く、あまり練習できていなかったのもあって、デッキのパワーをフルに活用できるどうかとても不安が残りました。
 また、白ルギアに関しても、スタジアムがテーブルシティであることから体感一撃ルギアよりもアッセンブルスターが発動しにくい、カビゴンが寝たままジャッジマンやツツジでジェットエネルギーを流され、ロストマインなどで打開されることが目立つ、ミライドンが辛いなど、不安要素を多くありました。
 そこで何気なく過去のCLの動画を見ていると、ある勝利者インタビューで、「なんでも優勝し得る環境では、一番慣れているものを使うのがいい」という言葉を耳にしました。この時点から一撃ルギアに決めました。
 実際に使用したリストおよび戦績を以下に示します。

ぐっち
day1
1回戦 ロスギラ 先 〇
2回戦 白ルギア(manaさん) 後 〇
3回戦 雪ミュウ 後 〇
4回戦 飴サナ 先 〇
5回戦 飴サナ 後 〇
6回戦 ルギアジュラルドン(kumeさん) 先 ×
7回戦 Fミュウ 先 ×
8回戦 一撃ルギア 後 〇
9回戦 青ロスト 先 〇
day2
1回戦 ロスト空封ライコウ 後 ×
2回戦 ロスト空封ライコウ 先 〇
3回戦 ロスザマカイオーガ 先 〇
4回戦 ロスト空封ライコウ 後 〇
5回戦 ロストギラティナ 後 ×

day1
1回戦 アルギラ 後 〇
2回戦 雪Fミュウ 先 〇
3回戦 白ルギア 先 〇
4回戦 白ルギア 後 〇
5回戦 一撃ルギア 先 〇
6回戦 白ルギア 先 〇
7回戦 ミライドン(優勝者) 後 〇
8回戦 雪ミュウ 先 〇
9回戦 ロスギラ 後 ×
day2
1回戦 60枚ミラー(じゃすさん) 先 〇
2回戦 ロスギラ(再戦) 後 〇
3回戦 サナ 後 〇
4回戦 白ルギア 後 〇
5回戦 一撃ルギア 後 ✖︎
トナメ
ロスバレ 後 ×(配信)


採用枚数および解説
イシヘンジン-イベルタル 1-1
 ジェットエネルギーの登場によりロスト軸のデッキが増加していることからミライドンが減少し、逆にふしぎなあめを多投したサーナイト(以下、飴サナ)やミューツーVUNIONを採用したサーナイト(以下、Mサナ)が増加すると予想しました。また、シティリーグにおいて、フュージョンエネルギーをエネルギーを採用したミュウ(以下、Fミュウ)も再燃し始め、どんどん環境が煮詰まっている感覚がありました。
 これに対して、バンギラスVで悪弱点のポケモンを殴り返しても負けに繋がることが多かったので、イベルタルを採用し、1-2交換や1-3交換を仕掛けることを目指しました。この採用は功を奏し、調整メンバー全員がサーナイトexに全勝することができました。

ジャッジマン 1
 CL愛知の反省から、ロスト軸のデッキにはジャッジマンとツツジの二段構えでないと厳しいことが分かったので流石に採用しました。この環境でも一撃ルギアにツツジが採用されていることはあまりない印象だったので、ジャッジマンを打つと相手はかなり安易にサイドを進めてくれることが多く、ツツジがよく刺さりました。これも無いと勝てていない試合が多く存在しました。

ジェットエネルギー 1
 このピン積みは突っ込みたくなる方が多いと思います。正直この枠は自由枠であり、Vガードエネルギーの3枚目やリゲインエネルギーなどの採用は全然ありだと思います。今回は、白ルギアやサーナイトなど、何が採用されているか分からないデッキタイプが多かったので、とおせんぼうカビゴンやあまいかおりクチートなどに対して1枚保険として採用しました。
 実際は上記の目的よりも、バンギラスVのエネを保存しながらアタッカーを入れ替えたりと器用な動きを要所で見せてくれました。

 かがやく枠に関して、直前までアマージョかサーナイトで迷いましたが、アマージョが刺さる対面は対ロストバレットぐらいで、サーナイトの方がバリューが高いと思い、サーナイトにしました。
 また、白ルギアやサーナイトexといったロストにある程度戦えるデッキが存在する中で、序盤で当たらなければ上位では大物デッキと当たり続けることができると予想し、実際にday1の上位ではあまりロスト軸があまりいなかったためこの決断は正解だったと思います。(day2ではそのしわ寄せが鬼のように降りかかりました。)

 以上がCL愛知およびCL宮城において使用した一撃ルギアになります。
 あまり特別なことはしていないのは皆さんお分かりかもしれませんが、1枚1枚に理由を持たせ、そのパワーを最大限に活用してあげた結果が今回の結果だと思います。
 デッキへの解釈は人それぞれ違うのは当たり前ので、あれがないこれがないなどの意見はあると思いますが、それもまた良いデッキができる一つの要素だと思います。

3.終わりに

 この度は本記事をご覧いただき誠にありがとうございました。前回のパルキアの記事と同様、若干急ぎ気味で執筆致しましたので読みにくいところが多々あると思いますがご了承ください。
 CL愛知からこの調整メンバーで切磋琢磨し、2大会連続でトナメ進出者を出すことができました。しかし、まだ世界には遠いことはみなが自覚しており、何が足りなかったか、どうすればよいかを再確認しながら進んでいきたいと思います。
 個人的には自分がCL愛知ベスト16の配信卓で負けたデッキに、なみんが同じ配信卓でリベンジに臨んでくれたのが本当に嬉しく思います。緊張からか彼のベストパフォーマンスとはなりませんでしたが、次につながる、成長を実感する大会であったことは間違いありません。

共に煮詰めてくれたチームシングルスターの皆様、なみん、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

また、誤字・脱字、記事に対する質問等ございましたら、ぐっち(@aPqA0KQWSnp5hyF)までご連絡ください。
それではまたお会いしましょう。

ここからはおまけ部分になります。投げ銭式ですので興味のある方がいらっしゃいましたら是非ご覧ください。

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