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真犯人?(内科医律 Vol9)

「律ちゃん昨日はありがとう!タノシカッタヨ」

朝の病棟で瞳がこっそりと耳打ちした。

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あの後二人は瞳の希望でカラオケボックスに入ることになった。

「律ちゃん歌上手いって聞いてたから、独り占めしてやろうと思ってさ」

どこで聞いてきたのかわからないが、瞳が入職した頃からコロナ騒動が始まって病棟スタッフと飲み会などを行うこともめっきり減っていたたため瞳は同僚から話だけは聞いていたようだったがカラオケに来るのは初めてだった

律は得意としている曲を数曲立て続けに歌い、瞳はただただそれを目を閉じて聞き入っていた。

「律ちゃんやっぱりうまーい!藤井風とかKing Gnuとかいきなり歌う人いないよw そりゃ聞いた人コロッと落ちるわけだわ」

「おいおい、落とす手段みたいな言い方はよせw」

「だってさ、歌って力あるんだよねぇ、何というか、歌手はみんな上手いけど、好きとか嫌いとか分かれるじゃん?何でみんな上手いけど違いが出るか知ってる?歌というか音、メロディには周波数があって、そして人にもそれぞれ好きな周波数があるみたいなの、よく波長が合うとか合わないとかいうじゃん?あれね。歌ってる人の声の周波数が聴いてる人の周波数にピタリとハマるとヤラれちゃうんだよなぁ。。。きっと・・・」

「なるほどな、それでお前はどうなんだ?」

「うーん、ヤラましたね、だからもぅそろそろ出よっか。。。」


それから数時間後、タクシーが瞳の家に近づく。
まだ酔いが残る瞳は律にもだれ掛かりながら 

「今年のイヴはまたこうやってデートするからね!ちゃんと律ちゃん開けておくんだよ!当直とか入れたら怒るからね! あ、でもそれなら私も夜勤入れちゃえばいいのかw でもそれじゃ去年と一緒だよね、ケーキ食べた以外は結局いろんな対応に追われちゃって余韻にも浸れなかったし。。。律ちゃんがステーションに院内電話忘れて行ったのに気が付いたけどとても医局まで持って行ってあげる時間もなくてさぁ、たまたままだ残ってた事務の女の子が通り掛かったからお願いして医局に置いてきてもらったんだった、言うのすっかり忘れてたや!何て子だったっけなぁ、皆藤さんだ!お礼言っておいてね」

「あ、そうだったんだ、ありがとう!」

律は瞳にそう言って午前の仕事に向かったが、まさかの事実を知り心をは明らかに乱れていた。

「皆藤・・・皆藤紗那」

あの給湯室に花を飾る謎の美女の名前だった。

to be continued 




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