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Chapter.05 Summer-Autumn

introduction
この記録は、友人のフジワラコトミとの
ルームシェア期間である2020年7月から、
解散する2022年7月までの2年間に、
わたし(タグチヒカリ)が記録した日記の一部を
再編集したものです。

illustration by Kotomi Fujiwara

【第5章 2021夏-秋】

2021.August

4.
恋人と、ずっと一緒に生きていけたらいいなとここ最近は強く思っている。フジワラに、「もし違う人と生きていくとしたらどんな人がいい?」と聞かれて何も思いつかなかった。総じて今の恋人がベストだと今のわたしは思ってしまう。盲目なのだろうか。ここまでバランスが取れて不満のない関係性はかなり貴重だと思ってしまう。

友人カップルが今日別れた。
人生は何が起こるかわからないし、あっけない。他人事ではないな、改めて恋人との関係性をもっとよくしていきたいと思った。

26.
1億円が当たっても誰にも言わず今の仕事を続ける夢を見た。お金があったら今ある大抵の悩みは解決するような気がする。

ある夫婦の話を聞いて、色々。妊娠中とか子どもが生まれてから、パートナーに対してストレスが溜まるのが嫌だし、相手の見え方がそんな風に変わる可能性があるならば、子育てなんてしたくないなって漠然と思う。わたしは多分、子どもよりもパートナーと自分との関係性のほうが大事だと思ってしまう、たぶん。好きなひとのこと真っ直ぐずっと好きでいたい、みたいな感じ。大変な時に協力してもらえない、気持ちが分かってもらえないって孤独だろうな。安易な気持ちで子ども産む選択は取れないなとか、まあそういうこともたまには考える。

2021.September

7.
どうして秋の匂いはこんなにも切ないのだろう。わけもなく涙が出てしまいそうな切なさ。人がいない夜道でマスクをとって秋の夜の空気を吸い込む。

人生が止まっていてつまらない。
でも、つまらなくしているのは自分なんだ。

16.
新しい写真集の仕事の打ち合わせをした。打ち合わせ後、目黒川沿いを通り過ぎながら、身体の中から込み上げてくるワクワク感を抑えられず、思わずスキップしそうになる。

絶対にかっこいいもの作ってやる。

30.
親友から、婚約したと連絡が来た。

おめでとうの反面、自分の人生とのあまりに掛け離れた事実が、近い友人にとうとう来てしまったのだという現実を理解することがこんなにも心を乱すのだと。いや、心から祝福している。ただ、油断していた。もう少し先だと勝手に思っていた。ただただ、人生をどんどん先に進める選択ができていく人たちが私には本当にすごいことに思える。転職の一回すらできずに私は5年前から同じ場所に立ち尽くしているのに。

こうやってみんな先に行ってしまう。
でも私は自分のペースでいいとも分かっている。

2021.October

14.
自分のあらゆる能力の低さに悲しくなる。友人の成功は心から嬉しい反面、自分はなんでもない人間なのだと自覚させられて途方もない気持ちになってしまう。

20.
夢に母親が出てきて、安心感を強く感じた。私はこの人に肯定されたいとこれまでもこれからも願い続けると思う。

29.
会社の後輩がまたひとり退職した。

2021.November

7.
恋人とかなり長距離の散歩をして夜は一緒にミネストローネを作って食べた。幸福とはこのことである。

22.
恋人に対して初めてこんなに悲しい気持ちになった。

2021.December

1.
期間限定で親友がうちに居候。
つかの間の3人暮らし。
大人って自由で楽しいな。

15.
ずっと作ってきた写真集の発売告知日。
世にでるってこういうことだ。
私はずっとこういう仕事がしたかったんだ。
今回の仕事は本当に貴重な経験をさせてもらっている。
ありがたいです本当に。

こっからの人生、
どうやったらもっと面白くなるだろうか。

つづく


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