シスプラチン
がん細胞内の遺伝子本体であるDNAと結合し、がん細胞が増えるのを抑える薬です。プラチナ(白金)を含む抗がん剤のため、白金製剤と呼ばれます。様々ながんに使用されるため、使用頻度の多い、抗がん剤です。その分、副作用の発生頻度も高く注意が必要な薬です。
〇用法
注射
例1)1日1回 5日間継続し2週間お休み
例2)1日1回 3週間以上お休み
など用法はがんの種類や個々で様々。
〇副作用とその対策
・骨髄抑制
感染予防のため、うがい・手洗いを行う。
37.5度以上の発熱が起こった場合の対処法を事前に医療機関と決めておいてください。
・腎障害
シスプラチンは腎臓から排出されますが、腎臓にシスプラチンが留まっていると腎障害が発生します。そのため、大量の水分摂取が必要です。
・悪心 嘔吐
抗がん剤の中でも高い確率で発生します。
急性の悪心嘔吐(抗がん剤点滴後24時間以内に発生する悪心嘔吐)が約90%、遅発性の悪心嘔吐(抗がん剤投与後24時間以降に発生する悪心嘔吐)が30~50%で発生します。
アプレピタント、5-HT3受容体拮抗薬、デキサメタゾンの3種類を併用し吐き気を抑えます。
・神経障害
手足のしびれなどの神経障害と高音域の聴力障害があります。
軽度な症状であれば、投与中止により、軽減することもありますが、改善しないこともよくあります。症状を医師に伝え、相談してください。
・聴力障害
初期に耳鳴り、耳閉塞感が発生する。
聴力低下(高音域4000~8000Hz)は数週間後に起こる。
軽微なものは軽快するが不可逆的になることもある。早めに症状を伝える必要があります。