清水×磐田 - あれから1年か

 僕は、自他ともに認める熱狂的な清水サポ、だった

 これまで、何よりも清水のことを最優先にしてきた 新しい手帳には、まず清水の予定を書き、ルヴァン杯は日程発表の時点で決勝まで書き込み、四六時中清水のことを考えていた

 ぐっちゃんと言えば清水、友人知人、家族、会社でもそうだった

 生まれ育ち今も住む我が町・清水、その誇り・清水エスパルス 僕にとって一番大切な存在だった

 そんな清水に対して、今年はユニフォームも、年間シートも買わず、家でDAZNで観ているだけになった

 醒めてしまったんだ あんなに情熱を注いできたのに

 いろいろなことが積み重なってのことなんだけど、最後の一押しというか、ポキッと心が折れてしまうきっかけがあった

 それが、昨年ホームの静岡ダービーだった

 あの、松原のバカな退場劇だ 成すすべなく0-3という無様な結果だ

 あの試合直後、自分自身がアホらしくなった 滑稽に思えた

 あんなチンピラ同士の小競り合いみたいなことを、大観衆の前でやるヤツを応援してたのオレ?

 ダービーダービーって、熱くなって応援して、こんな嫌な思いしなきゃならんの?なんなんコレ

 「清水サポーター」っていう、僕の一番熱い魂が、幽体離脱でもするように、スーッと遠ざかっていった

 ただその中で、唯一、心を打たれたシーンがあった 北川の涙、悔しくて立ち上がれない姿だ

 今年、ただDAZNで観戦するだけになったけど、やっぱり勝てばとびきり嬉しくて、負ければやりどころのない悲しみ、怒りがこみ上げた

 やっぱり僕は、清水サポーターなんだなと否が応でも思い知らされてきた

 そして、あれから1年 今日、むかえた静岡ダービー

 開始1分以内に、北川が決めた

 あの、何もできなくて悔し涙を流していた北川が、1年分の鬱憤を晴らし、1年分の努力をいかんなく発揮した瞬間だった

 テレビの前で僕は、一瞬で喉がショートしてしまったくらいの叫び声をあげてしまった

 勝った

 まだ1分しか経ってないけど、そう確信した

 終わってみれば、北川の2得点2アシスト含み5-1の完勝だ

 ヒーローインタビューを聞きながら、僕は泣くことを我慢した

 彼の目指すところは、この、昨年からの因縁のダービーで結果を残す、ということじゃないだろうから

 A代表で、FW浅野が怪我をしたらしい 今日の試合で、FW小林悠も負傷退場した

 彼らに代わって初のA代表招集 → 初出場で初ゴール → その後定期的に呼ばれ結果を出す → 来夏海外へ

 くらいのサクセスストーリーが僕の頭には浮かんだ

 今の彼なら、怪我さえ気をつければ実現できるはず

 それまで、彼のことで泣くのは我慢しよう

 最高の3連休中日を、マジでありがとう

 六反さん、治療費を川又宛に請求してね

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