湘南×清水 - 温度差と、金子選手

 twitterって、自分がフォローする人がだんだん偏っていくというか、自分と価値観が似ている人、あることについて同じようなモチベーションを持っている人々に集約されていく

 清水エスパルス関係で言うと、攻撃的な、頭ごなしなチーム批判、選手批判は絶対にしない、でもメチャクチャ熱く応援していて、それでいて冷静、客観的に清水を捉えている方々ばかり

 僕と価値観が似ている人、というよりは、僕もこういう人々のようでありたいな、という感じでしょうか

 だから、試合終了後の感想とか、クラブからの何かしらの発表に対する反応とか、殆ど全てうなずけることばかり

 しかし、今回の湘南戦は違った

 試合結果について、0-0のスコアレスドローだった これを成長と捉える人、今までだったら負けてた、よく耐えた、まだまだこれからのチームだ、という感想が殆ど全て

 僕はそう思わなかった 終始湘南ペース ここ1週間で3試合目のチームに走行距離でもスプリントでも完敗 いくらそれが売りの湘南相手でも、フレッシュな清水がそこで負けたらいけない状況だと僕は思った

 走り負けるというシンプルな理由からセカンドが拾えない、球際の争いにできない、こちらが準備してきたであろうことは、まるで出せてなかったんじゃないかと思った

 チームが残留を最優先にしているならそれでいい でも口々にACL、ACLと言っていたのに、公式コメントを見ても勝てなかった悔しさを前面に出す選手、ACLから遠のいたことに触れている選手が1人もいないことは腑に落ちなかった

 もう一つ

 ヨンソン監督の退席処分について、褒められたことじゃない、反省すべき、だけど、熱さが良かった、この監督でタイトルを取りたい、選手にも気持ちが伝わったのでは、という好意的な解釈が殆ど全てだった

 僕は単純に、心の底から引いてしまった

 判定に不服なこともあるだろう、それを全身で表現することもあるだろう

 でも、まだ主審が笛を吹いてない、インプレー中のピッチに入っていって怒りの余りボールを蹴る監督なんて、聞いたことない

 カッとなってやったのなら、それは理由としては最低だもの

 試合中のピッチに22人と主審以外の誰かが侵入って、あっちゃいけないことだと思うんだよ

 自分の会社の社長が、いくら社員のこととはいえ、興奮して感情的になって全くそんなことする必要ないのに法を犯したら、社長ありがとうとはならない、えー、何やってんの……と思う

 湘南戦の大きな出来事2つがことごとく、自分がこうありたいと思う人々と感想が違ったのを見て、僕の感覚が悪い方向にいっているのかもしれないなと思った

 でも、今の清水への関わり方を選んだのは自分なので、気をつけよう

 最後に一つ、金子選手について思うこと

 彼は、FC東京戦をピークにして、そこから3試合、調子を右肩下がりに落としていると思う

 これは、自身がツイートしていたけど、「ドリブルデザイナー」に指導を受けたことと関係があるのでは、と個人的に思っている

 ドリブルデザイナーという人のことも、その人に指導を受けたこと自体も、批判するつもりは毛頭ない

 第一、ツイートしたタイミングからして、恐らく指導を受けた直後であると思われるFC東京戦は、キレキレだった

 しかも、ドリブルが異常にキレキレだった こんなに推進力あったっけ?こんなに上体フェイント上手かったっけ?ってビックリしながら観ていて、何度も何度もチャンスメイクしていた これマジで、中島翔哉とか堂安律とかに肩並べちゃうんじゃない?とワクワクした

 その後、指導を受けました!という発言でなるほどね、と思ったわけで

 が、磐田戦、広島戦は勝ったけど、彼のプレー、特に攻撃面では良かったとは言い難かった そして湘南戦では、攻撃に加えて守備でも今までの貢献度に及ばず、前半で交代となった

 繰り返すが指導を受けたこと自体が問題でなく、その「ドリブル」という新たなカードを手に入れ、東京戦では明らかな結果が出たことで、彼のプレー選択肢の中で「ドリブル」の優先度が今までより上がったのではないだろうか

 RPGとか、モンハンみたいなゲームでもそうだけど、新しい武器ってすぐに使ってみたくなるよね 実戦で使い続けて自分のものにしたくなるよね

 だから、その優先度が上がったことも自然なことで、悪いことじゃない

 じゃあなにか

 金子選手の一番の良さは何かと考えてみるに、運動量とか、アジリティとか、守備の上手さとか、色々あるけど、僕が思う最大の長所は、

 「各局面で選択するプレーの正解率が高く、かつその判断が早い」

ということだと思う だから、攻守に効いている欠かせない存在なんだ

 ただし、今はそのプレー選択の正解率が低くなっている

 磐田戦では、ドリブルで、自分で運ぼうとすることが多かった しかしあまり抜けきれず被カウンターの起点になってしまっていた すると、後追いの守備になって本来不要な走りが増える 余計な体力を使う

 後半、清水のカウンターになって巡ってきた金子選手の決定機 彼らしくないシュート精度で決められなかったのは、その疲労と、試合中うまくいってなかったことで、シュートという選択に迷いが生じたのでは、と思う

 広島戦では、ドリブルにこだわる様子はなかったが、自分の中のプレー選択を信じ切れていない印象だった 守備は悪くないが、攻撃面全体でプレーの判断が遅く感じられ、リスクを負ったプレーが少なかったように思う

 そして湘南戦では、攻撃ではなんてことないクロスを一番近い相手に当ててしまったり、守備でも貢献度が高くなく、判断の迷いがプレー全体に影響するようになってしまった 結果、前半で交代した

 何かの記事で読んだが、考え過ぎてしまう傾向にあると自分で言っていたので、今は調子良くできていた頃のバランス感覚、プレー選択を見失ってしまっているのではないだろうか

 でも、これはそもそも基本技術が高い金子選手だし、ほんのちょっとしたきっかけで蘇ると思う 例えばシンプルに10点目を取るとか

 個人的には、北川選手の次に代表に選ばれてほしい選手なので、どうかこの壁を乗り越えて、飛躍してほしい

 彼のこれまでのキャリアを見守ってきた清水サポ、栃木サポなら誰もがそう思っているはず

 頑張れ!!

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