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やっぱり、東京に住み続けたくはない

今日、6月26日は、自分が実家を出て東京で一人暮らしを始めた日付である。

遡って2016年6月26日、東京の世田谷で一人暮らしを始めた。
新卒の営業マンを1年で辞め、知人の誘いでITエンジニアにキャリア転向。
2016年4月から技術畑で仕事を始め、実家から渋谷へ片道2時間通勤。
私服で良いので営業マン時代に比べると大分楽にはなったのだが、やはり往復4時間の行き帰りは結構しんどい。
10時始業のために8時前に家を出て、19時定時上がりでも家に着くのは21時過ぎ。
「いい加減一人暮らしを選択肢に入れないとあかんな」、と思うようになり、これまた知人に不動産屋を紹介して貰い、世田谷にマンションを借りた。
新しい会社では家賃補助制度があり、会社の最寄りから一定駅数圏内であれば2万円程度補助が出るというもの。
言っても中小企業だったので金額は些細ながらも、有ると無いとでは全く事情が異なる。
ありがたく制度を使わせて貰った。

当時の取締役が使わなくなった電化製品を譲ってくれたり、実家から物資を恵んで貰ったりと多くの人に助けられて一人暮らしを始めた。

お察しながら都内は家賃が高い。毎月手元に残るお金はかなり減ったが、それでも自由な時間が増えたのは大きかった。
朝会社に早めに行って自習の時間を確保したり、夜も家に帰ってからできることが増えた。
普段は3~40分で会社の往復ができるようになり、たまの飲み会で終電が無くなっても最悪歩けば帰れる。
自分はそんなに遊び歩くタイプでは無いが、何か買い物の用事ができたときにはいろいろな店にアクセスができた。

便利。
そう、東京ってヤツはものすごく便利なのだ。

コロナ禍になる前に、会社の同僚たちとメトロックに行ったことがある。
実家から新木場までは何時間かかることやら分からんが、都内のマンションからなら現実的な時間で往復することができる。
JRと東京メトロの乗り換えさえ把握してしまえば、思いのほか短い時間で色んな場所に行けるのだ。


しかし何年住んでも、色んな場所に遊びに行っても、神奈川の田舎の生まれの自分からすれば「東京は余所の土地」という感覚は拭えない。
都内に住んで7年経った今でも、どこかフワフワした感じがしてしまう。
慣れてくると、都会故の嫌なところもかなり見えるようになってしまった。
道が狭い、家賃が高い、空気が臭い、民度が低い(主観)

これは偶然だが、一人暮らしを始めた当時のマンションの近所に、高校時代の同級生の実家があった。
なので夜中に自分の部屋に遊びに来たり、遅くまでやってる飲み屋に行ったりもした。
彼は生まれも育ちも東京で、自転車を使って都内のあちらこちらにビュンビュン遊びに行く。
おそらく、自分が見えている「東京の嫌なところ」は、彼には見えていない。
良い悪いの話では無く、自分が生まれた土地なのか、よそ者が外からやってきて見た土地なのかで見え方・感じ方が違うのだと思う。

ITエンジニアとしてのキャリアが大部分を占めているが、コロナ禍の前は特にリモートワークへの熱い希望などは無かった。
なんだかんだ出社するのが定常であったし、将来的には
・超金持ちになって都内の良いところに住む
・少し郊外に家を買って都内に通う
のどっちかなのかなーってボンヤリ考えてたと思う。
「地方移住」と言う言葉は今ほど騒がれてはいなかったし、他人事という感じしかしなかったんじゃないかな。

しかしいざコロナになってリモートワークが多くなると、「都内の企業に勤める = 都内近郊に住まないと行けない」という頭の中で思い描いていた式が揺らいでくる。
その頃にはメールで飛んでくるスカウトも一部orフルでリモートワークできる旨のアピールが多かったし、
都内の給与ベースで仕事して、家は地方に構えられるとすごく生活が楽になるなーと思うようになった。

しかし結局のところ、引っ越しと転職活動との間に歪なイベントが同時多発的に起こってしまった。
そのタイミングで多くの人に迷惑をかけてしまうことにもなった。目の前にいたら土下座してしまうだろう。


今は、理想とはほど遠い生活を送っている。

都内に住んでいるのに、県外の会社に通勤している。
特別給料が跳ね上がったわけでも無いのに、なんで都内で高い家賃を払って暮らしているんだろう。
平日は寝に帰るだけなのに。

なんて馬鹿げているんだろう。

別に東京に憧れて出てきたわけじゃ無い。
必要だからそうしてるだけなのに。

自分は何のためにこんな生活をしているんだろう。

分からなくなってきた。最近。


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