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某ベンダーが仮想サーバ作り直しのシステムリプレース提案してきて呆れた話

はじめに

システム運用をしていて、まず避けることができないこととして
・ハードウェア老朽化
・ソフトウェアEOSL

が挙げられると思う。

そして、これらをトリガーにしてシステムリプレースの話が浮上してくることが非常に多い。

先日、顧客と打ち合わせしたときに他ベンダーがこのご時世あり得ない提案をしていたので、反面教師として心に留めておきたいと思う。

ハードウェア老朽化とソフトウェアEOSL

ハードウェア老朽化」は字の如く、機器が古くなって故障しやすくなるということ。ベンダーサポートは5年(延長サポートはそのときよってはあるかもしれない)であることが多いため、機器を購入してから、まず5年を目処として考えておけばいいだろう。

物理的な故障を考えると、古すぎる機器は本番サービスとして使うべきじゃないのは、まぁ当然といえば当然の話。ただ現実として使えるのだから、そのまま使っておこうと判断してる顧客がいるのも事実。そういう顧客に限って、壊れてシステム障害になると経験上泣きついてくる傾向にあると思う。

次に「ソフトウェアEOSL」はOS、ミドルウェア、パッケージソフト等、システムを稼働させるために使っているソフトウエアの正規サポートが終了になるというもの。

関係者に限定公開したり、社内ネットワークの一部として使っているのであれば、多少ミドルウェアのサポートが切れていたり、脆弱性が潜在していたとしても、リスクを受容して利用するのはコスト面を考えてもありだと思う。

ただ、不特定多数がアクセス可能なオンラインシステム(WEBサイト含む)で「ソフトウエアEOSL」を迎えた状態で使い続けるのはいかがなものかなと思う。

ウィルス対策ソフトを導入しておけば大丈夫と判断する顧客はいるが、個人的には導入しないよりはマシ程度くらいにしか思っていない。なぜなら、そのウィルス対策ソフトは完全なものではなく、ゼロディ攻撃が来た暁には守ることができないからだ。

リスクに対してセキュリティ対策をすることは望ましい。ただ、何処までやれば大丈夫か?と聞かれるとなかなか断言することは難しい。何でもかんでもやると、結局コストがかかってしまって過剰すぎることになってしまうからだ。セキュリティ対策とコストは要件に応じたバランスが重要だとよく思う。なので、セキュリティ対策案とコストを提示して顧客に選んでもらうのが望ましい。

システムリプレースを阻むもの

システムリプレースをするにあたり、一番の障壁になるものは「コスト」で間違いない。単にハードウェアとソフトウェアをリプレースするだけだったら、顧客から見て見た目は何も変わらない。そんなところにお金をかけることはできないというわけだ。まぁ、理解はできる。顧客担当者も上長に説明して予算を押さえないといけないので、説得できるだけの材料を提示してあげる必要がある。

ただ、それ以前に顧客担当者がシステムを理解しているかしていないかで難易度が一気に変わってくる。これが二つ目の障壁だろう。顧客担当者が主体的に動いたり、理解してくれないとこっちがレールを一から敷いてあげる必要があり、かなり労力がかかる。コストがもらえるのならいいが、営業の一環として実施するのなら、ぶっちゃけ労力に見合っていない。

システムリプレースのタイミングだからできること

逆転の発想でどういうことに対してならお金を出すのか?ということを考えてみる。
・価値があること
・コストメリットがあること
・困っていることが解決できること

というような顧客に利があることではないかと思う。

例えば、
・クラウドサービスを使って、サーバレスアーキテクチャにしてOS、ハードウェア、ソフトウェアの縛りから開放する。
・初期コストかかっても今後5年トータルで見るとコストメリットがある。
・既存システムで問題になっている部分(例えば、性能のボトルネック)を解消する。

などが考えられる。

せっかくシステムリプレースするのだから、それに合わせて既存システムの問題点を解決して、あわよくば月次運用費を抑えようと提案してみてはどうだろうか。それが今のシステム構成から変わったとしてもだ。少なくとも自分だったらそうする。

・サーバー機器を新調(仮想サーバなら仮想サーバを新規構築)
・ただOSやミドルウェアをバージョンアップして現行踏襲
こんなシステムリプレースなんて何も考えていない輩がやる提案だろう。

ただ、サーバ台数が数台でアプリ改修にコストをかけれないという理由があるのなら、そんなリプレースもありだとは思う。

サーバー台数数十台のシステムに対して、そんな提案を某ベンダーがやっていたわけだ。ほんと呆れた。問題が潜在していないシステムなんてほぼ無いだろう。少なくとも自分が保守しているシステムは何かしら問題が潜在している。ちゃんと顧客のことを考えて提案しているのか?

自分達に利がある提案しても、顧客に利がある提案じゃなければ、顧客から信頼してもらうことなんてできない。顧客のことを考えての提案であれば、その意図は伝わるものだ。伝わらなければ、理解してもうよう伝える努力をすればいい。

国内大手の某ベンダーがそんな提案をしているのを見て、呆れて悲しくなったのと同時にそんな輩にはなりたくないと心に誓った今日この頃。


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