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あぁ、人間っていいな


スポーツは人間が行うものです。

スポーツは人間が行うものです。


大事なので、もう一回。
スポーツは人間が行うものです。


1.性格とは

まずは性格について定義していきますね。

Google大先生によると、
性格とは、先天的な気質と後天的な影響とによる、その人の感情・意思などの傾向。さらに広く、そのもの特有の傾向・性質。

となるみたいです。
つまり、生まれ持ったモノと人生経験によるモノがあるってことになると思います。
生まれ持ったモノは遺伝とかになるのかなと。人生経験によるモノは育った環境や地域特性、親の価値観などではないでしょうか。

少し具体的に見てみますね。

<生まれ持ったモノ(後藤の場合)>
・優しい
・几帳面
・めんどくさがり
・こだわりが強い

<人生経験によるモノ(後藤の場合)>
・綺麗好き
・効率悪いの嫌う
・気にしい
・負けず嫌い
僕の例で言うとざっくりこんな感じになるかと思います。

では、これをスポーツのピッチレベルの話に置き換えていきましょう。

・優しい→誰かをサポートしたり人に対して思いやりが発揮できる
→→ボールを持っている仲間に対して助けてあげる位置取りができる。仲間が活きるような行動が取れる(オトリになれる)
・几帳面→細かなところまで物事を実行できる。正確に処理する。
→→パス1つ、コントロール1つを丁寧に実行することができる。チームにおいて決められたタスクをしっかりと実行できる。
・めんどくさがり→手間がかかったり、解決が容易でないことが嫌い
→→ゴールに対して楽して進みたい、進める選択肢を選んでしまう。難しいプレーよりも簡単で確率の高いプレーを選択する回数が多い。
・こだわりが強い→物事に妥協せずとことん追求する。必要以上に気にする。
→→自分のプレーやミスに対して試合を通して気にしてしまう。自分の合格点に達しないと気になってしまい、感情がコントロールできなくなる。

・綺麗好き→華やかで美しい、整っている
→→形にこだわり、型やセオリーに縛られる。
・効率悪いの嫌う→労力に対する得られた効果が低いのが嫌
→→オフザボールで走ってもボールが来ないと嫌なので、確実なタイミングでしか走らない。献身的には動かない。走ってもボールが来ないとフラストレーションが溜まる。
・気にしい→不安に思う、心配する
→→一回のミスを試合を通して気にする。サボっていると思われたくないので、誰よりも献身的に動く。
・負けず嫌い
→→負けるぐらいなら今まで全ての性格を無視してガムシャラに勝利のために働く。笑

もう少し言語化できる気がしますが、一旦ここまで。

2.なんで性格を変えないといけないのか

これはすごくシンプルな話で、性格がプレーに出るからですね。
スポーツは人間が行うものなので、人間の中身がダイレクトに出ます。
それが集団になると、より顕著だと思ってます。

そうなると、優しさや思いやりのない人間がスポーツをやると、仲間に対してもそういったプレーしかできませんし、ましてや仲間のサポートなんてするはずがありません。

大雑把な性格な人間がスポーツをすると、仲間にとって良いパスではなく、自分の都合がけが良いパスばかりを出してしまいます。
そんなプレーが繰り返されれば仲間はフラストレーションが溜まりますし、ゴールへなんてたどり着けません。

なので、性格を変えてあげる。もしくは少なくともスポーツ中だけでも別の性格にしてあげることが必要だと考えています。

もっと言うと、毎回いい位置にいるのに『ヘイっ』って声が出せなくてボールをもらう機会を損失している選手に対して、いくら「声を出せ」とコーチングをしても意味をなさない訳です。
なぜなら、そこにいる彼(彼女)は目立つことが嫌いであったり、恥ずかしがりな性格をしているので。

3.どうやって変えたのか

こういうのってなんかノウハウちっくになるので、個人的には好きではないんですが、あくまで事例の共有程度に書き連ねます。
(僕は全くもって優秀な指導者ではないですし、才能がある指導者でもないです。)
理由はこんな性格だからですね。

技術的な成長は人間的な成長に阻害されると思っているので、選手にうまくなって欲しい、うまくなりたい選手にうまくなってもらおうと思ったら、人間の中身を変えていく作業をしています。

いつやってるの?って言われると、僕の場合は練習や試合の前ですね。
それぐらいしか個別でアプローチできる時間がないので。


先ほど書いた目立つことが嫌いだったり、恥ずかしがりな性格な子に試合や練習で声を出して欲しいなら、「大きな声を出すことや注目を浴びることってあなたが思っているよりも案外悪くないんだよ。」って伝えて上がる必要があります。
そのために、
①自分が誰よりも恥をかく
②自分が誰よりも大きな声を出す
③自分が誰よりも笑われる(笑われている姿を気にしない)

という3点を意識してアプローチしていたと思います。

僕の場合、強烈な影響力があるわけでも、インパクトのある見た目をしているわけでもないので、500%ぐらいオーバーなリアクションをします。
②に関していえば、コートの真逆にいる選手に対して挨拶をしたり、名前を呼んだりしてます。
最初は反応が返ってこなくてもいいので、めげずに気にせず遠い距離から話しかけます。
それを繰り返していくと、僕にまでは届かないまでも、中間にいる選手には届くぐらい大きな声が出せるようになります。(気づいたらコートの反対にいる僕にまで声が届くようにります。)

①と③に関しては、保護者の方の前で死ぬほどオーバーなリアクションをとります。

どれぐらいオーバーかというと、土砂降りの後の水溜りにヘッドスライディングをかますぐらいにはオーバーにアクションします。笑
それを保護者の前で。笑

ここで大切なのは、彼ら(彼女ら)の中の大人の行動規範の定義を変えてあげることです。
子供たちは生まれてから自身の親とおじいちゃんおばあちゃんとしか大人と接する機会がほとんどありません。
そのため、子供の中における大人の行動規範は自身の両親になるのが常です。

そこに僕らのような血のつながっていない大人と接する機会が突然に訪れるわけです。

彼ら彼女らの中における大人の行動規範を打ち破るには、“普通の大人”がやらない行動を取る必要があります。

例えば、
・全力で息を切らすこと
・土まみれや芝生まみれになるほど地面とお友達になること
・場違いなほど大きな声を出すこと
・誰かの目を気にして行動すること
・自分の興味より集団としての協調を優先すること
・失敗をすること

日本人は良くも悪くも世界的に見て教育水準が高いので、それなりに“出来た人間”になって社会に出ていきます。
なので、大体の人が同じような行動規範に従って生きています。
(この辺りも話し出したらきりがないのでまた今度。)
そうなると、上にあげた例はほとんどの大人が実行しません。

だから、僕たち指導者があえてやるのです。子供たちの価値観をぶっ壊すために。
そうやって新たな価値観や行動規範を入れてあげ、それを当たり前にしてあげる。(少なくてもスポーツ中は。)
それを選手の前にいるときは常に実行する。そして一つずつ選手の成長を阻害している要素を壊していきます。
その積み重ねで初めてスポーツを心から楽しめる人間性(性格)になっていくと考えています。
そうなってから初めて技術練習とか戦術練習をしていき、競技をうまくなっていってもらいます。
でないと表面的なものしか身につかないと考えています。


性格的に優しい子がいると僕は意地悪します。

ボールを取ったり、水筒を隠したり、上着を盗んだり。


あ、もちろん選手にバレるようにやってますよ。
でないと意地悪じゃなくていじめになるので。

じゃあ、これがなんの意味があるかというと、
幼稚園〜小学1年生ぐらいの子供っていうのは、自分の所有物に対する所有の意識がとても強い時期です。
おそらく、大好きなお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんに買ってもらったからでしょう。

そんなものを奪われたら、いくら温厚で優しい性格をしている子でも必ず取り返しにきます。
それをうまいことひらひらとかわし、からかい、僕に対する敵対心や復讐心につなげていきます。

そうすると、ある日から僕のものがなくなります。笑
もしくは、チーム仲間と協力して共通の敵である僕に対しての意地悪が始まります。

そう、仕返しですね。

ここまで来ればもう一踏ん張りです。

小学校低学年と大の大人の本気の奪い合いが始まるわけですね。


そんなことを練習や試合の前後に繰り返していくと、勝手に子供は成長します。

結局は日々の積み重ねでしかないですが、そこを怠らず、どれだけ楽しくアプローチできるか

は常に意識して取り組んでいます。


4.最後に

僕たち指導者は選手にとってみると、親や親戚以外で初めて密に関わる大人です。

そんな僕らが暴言や暴力的な表現をしていたり、縮こまったイケてない大人だと、それがダイレクトに子供に影響します。

そうなると、僕らが果たさねければならない役割は競技力を伸ばしてあげることだけではないはずではないでしょうか。

僕ごときの文章がどれだけの人の目に届いているかなんてわかりませんが、(ほどんどの人に届いていないことは承知の上です。)少しでも自身の身の振り方を見直すきっかけになっていれば嬉しいです。


最後に、

スポーツは人間が行うものです。

人間は環境によって変化します。

そう、変化するのです。



あぁ、人間っていいな。

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