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【アーセナル】ELGS/1stleg/vsZürich(A)【ごとこの備忘録】

はじめに

 リーグ戦開幕5連勝から一転、前節はユナイテッド相手にボールを保持し攻撃を継続して出来たのにも関わらず結果だけ見れば1-3の惨敗を喫した。心身のリフレッシュのためにもターンオーバーを交えつつ一年ぶりとなるELの初戦を勝利で締めくくりたいところ。

各選手の評価

GK マット・ターナー

・アーセナルでの公式戦デビュー戦となった。序盤にショートパスが相手のプレス隊に引っ掛かりあわや失点というシーンがあったものの、キック精度やボールをつなごうとする意識を随所に見せ、2ndGKとしてはまず文句のないパフォーマンスを見せた。ラムズデールがピンチヒッターとしてELの舞台に現れることはまずないだろう。

LSB キーラン・ティアニー

・前節怪我明けの中早速スタメン復帰したジンチェンコに代わってスタート。ビルドアップ時は中に絞りサンビと横並びor左IHの位置に出かけていき、相手の442ブロックの2トップの裏にポジション取りをしていた。ここにいることで、ボールが入れば中央から前進し入らなくても大外に張ったジャカorガビへのパスコースが空くため良し。またネガトラ時における対人戦は流石の一言、加えて後半1の相手の決定機を見事な反射神経で体を投げ出してシュートブロックに入ることに成功した。また後半に、持ち運びからシュートまでの一連の流れでガビのような決定機を創出することにも成功していた。このレベルのLSBを控えにおいておく事の勿体なさったらありゃしないよ、頼むから来夏に移籍とかはやめてくれよ…。

LCB ガブリエル・マガリャンイス

・EL開幕前にセドリックか怪我し、ロブと冨安のCBコンビでターンオーバー出来なくなってしまいフル出場。ここ数試合での判断ミスとも呼べる、前に潰しに行く守備の失敗もなく全局面においてソリッドだった。特段言うこともなくDFラインのリーダーとしてチームを引っ張った。

RSB ロブ・ホールディング

・ロブの兄貴も特段危ないシーンなく90分間守り切った。ボックス内での守備は勿論一級品で、結果的に相手のオフサイドになったシーンでも相手FWとターナーの1vs1のシーンにすぐ駆け付け好対応を見せた。ELレベルでは準決くらいまではスピードでぶっちぎられることも無さそうなので次節以降も安心して任せられそう。

RSB 冨安健洋

・個人的にマルキーニョスに次いでMOTM。何よりもまずキック精度の高さから繰り出されるフィードが素晴らしく、ボールを収めて相手DFのスライドが間に合わない状態で1vs1を仕掛けられるガビとの相性が抜群だった。またカウンター対応もティアニーと同様危険な芽を摘む能力が高く踏ん張りどころに必ずと言っていいほど顔を出す冨安には安心しか感じない。現状控えの両SBがこのクオリティは、守備が不安定で有名なアーセナルとは思えない。

LCH グラニト・ジャカ

・ガブリエルと同じく出来ればターンオーバーしたかったジャカ。キャプテンマークを巻き母国スイスへの凱旋試合でスタメン出場となった。言うまでもないが散らし良しラストパスの精度良し相手ボックス内への走り込み良しと、今季での左IHへの進化部分も交えた好パフォーマンスを見せた。今に始まったことではないが、中盤の底でミドル/ロングレンジのパスを送っていたここ数年のジャカに対して、両WGがボールを持った時などのチャンスシーンでCFと同じ高さに張っている所を見るのはいまだに違和感がある。

RCH サンビ・ロコンガ

・リーグ戦に継続して中盤不足の中スタメン出場を果たした。ジャカと同様に中遠距離のパス精度が良く、PLよりも余裕があるELGSでは伸び伸びとやれる様子で、パスを受けてから前を向くシーンや受け直す動きがより見られ、インターセプトも何度も行っておりよかった。またロブパスでの決定機創出能力は流石で、ヴィエイラへのアシスト未遂もあった。

LWG ガブリエル・マルティネッリ

・ここもスミス・ロウが居ればターンオーバーの対象となったポジションであったがユナイテッド戦後のウォームダウン中に怪我をしてしまい代わりにスタメン出場となった。試合を通して疲れを感じさせない動きで、攻守にわたって走り続けた。前線4枚中唯一交代なくフル稼働したものの、いつも通りのエネルギッシュな持ち運びとプレスバックを見せた。得点に直接かかわることはできなかったものの、途中出場のウーデゴールから素晴らしいパスを供給、合わせたガビからジェズスのシュートという決定機があった。

CAM ファビオ・ヴィエイラ

・ユナイテッド戦で途中出場からデビューを果たし、試合後次のゲームに向けてグーナー界隈1期待されていた選手といっても過言ではなかった。そんな中初のスタメン出場を果たし効果的なパスを何度も前線に送ることに成功していた。アーセナルの先制点は相手CKを凌ぎ左前線へと走りこんだエディへの絶妙な強さ・速さのボールをヴィエイラが供給したところからマルキーニョスが合わせて決めることに成功しており、得点に絡むことが出来ていた。このプレースタイルを見てエジルの姿と重ね合わせないのは無理があり、線の細いテクニシャンというアーセナルらしいロマン溢れる選手でもあるので主にELの舞台で次節以降も活躍し、リーグ戦でも途中交代から攻撃の活性化を期待したい。

RWG マルキーニョス(MOTM)

・この試合はこの男抜きには語れないだろう。ターナー同様アーセナル公式戦デビューとなったマルキーニョスは未知数枠であったが、試合序盤からパワフルな前進と左足の技術、アジリティの高さを見せつけた。そんな中惜しくも枠内に外れたガビのヘディングに繋がるいいクロスを供給した直後に前述のロングカウンター発動から見事デビューゴールを記録した。その後もFKを複数回獲得し、後半に大外から左足で巻く素晴らしいラストパスを放ちエディの再リード弾をも演出した。夏の移籍市場終盤の中盤不足という緊急事態もあり右WG獲得に動けなかったアーセナルであったが、アルテタはマルキーニョスがここまでやれることを見越して獲得を見送ったのなら納得できると言わざるを得ない試合内容であり、リーグ戦でもサカの疲弊に伴って途中出場もアリなのでないかと感じた。また好パフォーマンスに加え得点後涙を流すシーンも印象的であった。

CF エディ・エンケティア

・ユナイテッド戦のジェズスと似たように、試合中降りてくる動きがいつもより多く見受けられボール前進に一役買っていた。また飛び出しも悪くなく、昨季までとは一味違う途中出場から印象的な活躍を見せていたコンディションで、実際マルキーニョスの先制点を演出した。だが前半終了直前に相手CKからボックス内でPK謙譲のミスを犯してしまったものの、後半に自分のミスは自分で返すという意気込みの元見事再リード弾をマルキーニョスのクロスに頭で合わせ記録した。このクオリティの選手をベンチにおいておくのは本当に勿体ないため、例えばガビの休息に伴って442変更からのジェズスとの2トップ共演といった形でリーグ戦でも見てみたい。

全体の雑感

 試合前の楽観的な世論から一転、2-1と想像よりも苦戦してしまった試合となったものの、アウェイで怪我人無し、ターンオーバーもある程度行えたという結果を見れば悪くないものであった。

試合展開

 内容としては442or451で中央封鎖型の守備ブロックを敷いてきたチューリッヒに対し、左はいつも通りLSB,LCH,LWGで逐次旋回を行うのに加えヴィエイラが左に顔を出す回数が多いように見受けられ、4人のユニットで上手く崩していた印象。逆に右はマルキーニョスと冨安の縦関係からシンプルな突破を図っていた。また途中出場のジンチェンコ、ウーデゴール、サカ、ジェズスらも文句なしのパフォーマンスであった。
 無事勝利を収めることが出来たものの、1、2点目記録後共に中々追加点を決められず逆に決定機を作られる歯がゆい展開となってしまった。ここは疲労を出来るだけ抑える意味合いでも、ボールを保持し試合を殺すような展開にする必要がある。次節以降はここを心掛けてほしい。

さいごに

 また試合前半中に、アーセナルファンでも知られる英国のエリザベス女王が亡くなったとの訃報があった。遠い日本の地からご冥福をお祈りするとともに、この勝利がエリザベス女王への手向けとなることを願う。

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