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【アーセナル】PremierLeague/第9節/vsLiverpool(H)【ごとこの備忘録】

ARS 3-2 LIV
ARS:マルティネッリ 1' サカ 45+5',76'(pen)
LIV:ヌニェス 34' フィルミーノ 53'

試合前展望

 ここ数年のプレミアリーグにおいて二強チームとして君臨しているリバプールとの対戦。アーセナルキラーでお馴染みのジョタ、フィルミーノらと相まみえるということでいつも通り試合前から戦々恐々としているグーナーは私も含めて多いだろう。また、怪我離脱が報じられたチアゴやロバートソンらキーマンがやっぱりフィットしていました!と手のひらを返して出場することも予想される。

 しかしそんなリバプールは今季ここまで10ptで10位と、シーズン開幕前の大方の予想よりも低迷している。ファンダイクやアーノルドなどチームを支え続けている屋台骨の不調もある。

 対してアーセナルはアルテタ3年目のもと好みの選手を地道に獲得し続け、アルテタが望むスカッドの完成形に近づきつつあり、それに伴いリーグ首位という結果もついてきている。まさに叩くなら今!という現状なのである。 

 「Fear is the worst enemy.」プレスカンファレンスにて発したアルテタの発言がリバプールを倒すうえで最も大事なポイントとなるだろう。良い雰囲気漂うエミレーツで今の自分たちなら勝てる、そう自信を持つことで必ずやいい結果を得られるに違いない。

各選手の評価

GK アーロン・ラムズデール

 前半のうちにゴールキックから太ももの付け根を痛めた様子だったがその後も問題なくプレー出来て安心した。ヌニェスのシュートを一本セーブし、サリバのインターセプトしたボールがシュート性になってしまったがこれも反応し処理出来ていた。

LSB 冨安健洋

 大一番リバプール戦でのLSB抜擢でアルテタからの厚い信頼を感じられる試合となった。KT、ジンチェンコらと比べ中に絞りすぎず左サイドへの配給を担っていた。守備面では圧巻の一言で、サラーに対する対人戦はほぼ完全勝利、左サイドへ送られたフィードは全て跳ね返す鉄壁っぷりを見せた。守備面での勝利数スタッツは軒並み冨安が最高値を記録。

LCB ガブリエル・マガリャンイス

 お咎めはなかったもののハンド疑惑であわやPK献上、アーノルドのフィード処理ミスからヌニェスの同点弾に繋がってしまうなどまたも致命的なミスを犯してしまった。ただガブリエルがやらかした試合は必ず何らかの形で得点に絡むように、2点目のサカに繋がる絶妙なスルーを披露した。

RCB ウィリアム・サリバ

   冨安が左サイドならサリバは右サイドでリバプールの攻撃からゴールを守る守護神と化していた。キックオフ直後に処理の難しいボールを刈り取り前線へ送ったことで先制点に繋がり、その後もディアスの裏抜けにうまく体を当てて防いだり、味方がボールを繋ぎやすいようにクリアをするところまで含めて完璧であった。

RSB ベン・ホワイト

 アーセナルのプレスの関係上ツィミカスが空きやすいため、右サイドの守備負荷が高めであったが試合を通して対処していた。また下がってビルドアップに絡むだけでなく果敢に攻めあがるシーンを多く見せ、何本か相手ボックス内へカットバックしてボールを送り込めていた。

DMF トーマス・パーティ

 今日も配給センスが光っていた。特に相手陣内へ押し込んだ後のサカ方向へのサイドチェンジがかなり効いており、サカが勝負を仕掛けるシーンを数多く創出出来ていた。ビルドアップ時も特段ロストもなく安定していた。

LIH グラニト・ジャカ

 いつもより存在感が薄めであったものの、それでもチャンスの時には受け手として走り込み、プリアシストとなるようなパスを多く送り込めていた。また一本惜しいシュートもあった。

RIH マーティン・ウーデゴール

 マルティネッリの先制点に繋がった、アーノルドの裏へ抜け出す絶妙なグラウンダーパスを差し込めていた。その後もカウンター発動時の旗手となり、ロングカウンター発動成功の鍵を担っていた。守備面でも、敵陣深い位置での相手スローイン時に積極的にマーク確認の声出しをしていたのが印象的だった。

LWG ガブリエル・マルティネッリ

 公式MOTMに輝いたマルティネッリ。試合開始1分でロングカウンターから先制点をマーク、エミレーツの空気をぶち上げた。その後も再三長い距離を持ち運び、再度ロングカウンターからアーノルドらを置き去り、サカへのアシストも記録。最後の最後までFK獲得の頑張りを見せた。出来ることが多彩すぎて、逆に攻撃面においてマルティネッリに出来ないことはないのではと思ってしまう。

RWG ブカヨ・サカ

 試合を通してツィミカスに質的優位を取れていた印象、背負うこともわりかし成功しており右サイドからの前進を担っていた。またなんといっても前半終了間際の勝ち越し点、後半に獲得したPKで再勝ち越し点を記録、リバプール相手にG2という数字を残した。EURO決勝でのPK失敗から立ち直り、今やアーセナルでPKを任されしっかりと決め切るそのメンタルに脱帽である。個人的MOTM。

CF ガブリエル・ジェズス

 相手ボックス内での鬼キープ&ドリブルの連続で、そのボールをチャンスにできるんだ…と全世界のグーナーを何度も驚かせたプレーを見せた。ピッチ全体を精力的に走りながらもチャンスには必ず顔を出し、3点目に繋がるPKを勝ち取った。

全体の雑感

 リバプール相手に遂に勝ったー---!!!!!!

 リーグ戦では約2年勝てておらず、しかも直近の勝ち試合もアリソンのミスから流し込んだという得点であり、今節のように真っ向勝負を挑んだ結果上からねじ伏せる事が出来たというのが本当に嬉しい。

 プレミア2強時代に異議を唱える試合となった今節。ただの勝ち点3pt以上にチームが得られるものは遥かに大きかっただろう。

試合展開

 共に高い位置からのプレッシングを志向する2チームの対決。アーセナル側はウーデゴールがジェズスと共にCBへプレッシャーをかけるいつものやり方ではなく、チアゴを自由にさせない事を最優先タスクとして中盤に残っていた。また、状況に応じてサカとチアゴのマークを受け渡していたのでアーセナルは主に右サイド側は守備の負荷が高かった。

 ただ、ここの部分は前に潰しに行く守備に長けたトーマス、ホワイト、サリバらの特徴を生かすことで、チアゴの徹底マークとそれに伴って生じたデメリットを選手の特徴で打ち消していこうというアルテタの意向が汲み取れた。

 結果、ファーストプレスを剥がされチアゴにボールが入っても、圧殺守備をかけられ時間を与えられていないチアゴは対角のフィードを多用し、それは冨安サリバ中心にほとんどストップ、ヌニェスらの裏抜け成功シーンを作らせなかった。

 また攻撃面では、いつもよりボールを持てない展開が続いたもののその分ロングカウンターの発動に尽力していた印象。ウーデゴール、ジェズス、トーマスらが高精度の攻撃加速パスを配給出来るため、マルティネッリらのカウンターをコンスタントに生み出すことに成功していた。また、徹底したアーノルドの裏狙いという意図が、マルティネッリがボールを多く持った事とラムズデールの左方向へのフィードから感じられた。

 試合を通して攻撃を継続できたわけではなく、特に前半のうちはボールが落ち着かない展開となり、ホームでリバプール相手につき合いすぎてずるずると下がる守備を見せてしまった。だが後半には保持面での落ち着きを取り戻し順当に2、3点目を取りに行けたアーセナル。この大舞台で、怒涛の攻めと試合を殺しに行くパス回しを使い分けられるようになったアーセナルは勝利にふさわしかったと言えるだろう。

次戦に向けて

 次戦はELにてボデ/グリムトとの再戦。試合前に筋肉系のトラブルと報じられたジンチェンコが戻ってくるのかどうか、また、ヴィエイラ、マルキーニョスら今のところカップ戦要員となっているメンバーがまたも数字を残せるかが注目ポイント。

 いつものアーセナルなら素晴らしい連勝街道を走っているかと思いきや何てことないところでコケる、ということが多々起こる。怪我人なし&複数得点で、今節得たいい雰囲気を継続させられるような試合になってほしい。

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