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アンプの電源ケーブルを高価なものに変えると実はこうなる⁈知られざる意外な真実とは

高級 オーディオ 機器 の 世界 では、 電源 ケーブル に 凝る 人 も 多く、 高価 な もの では 1 m あたり 数 万 円〜 数 十 万 円 といった もの まで 発売 さ れ て い ます。

ギター・アンプ や ベース・アンプ といった楽器用アンプ にもこう いっ た 高価な電源 ケーブル を 使用するとどのように変化するのか、使用しても問題がないかどう か、 非常に多くの方が気になられてる部分かと思います。

実際に楽器用アンプを設計されているエンジニアの方に聞いてみると、皆さん口をそろえて「使用 することは でき ます が、音作りと安全性の面 からお薦め し て い ません」という答えが返ってきます。

これだけ多くの高級電源ケーブルが商品化されているのに一体なぜのでしょうか?

電源ケーブルを変えることによって音質がどのように変化するのか、知らずに変えてしまって大事なアンプを壊してしまうようなケースも…
ここではオーディオメーカーが語りたがらない内容まで詳しく解説してみましたので、電源ケーブルの交換を検討されている方などの参考になれば幸いです。


音質面の変化とそのメカニズム

実はアンプ を 設計 する 際、  設計者は アンプ に付属 し て いる 電源 ケーブル を 使って音 作り を し て い ます
電源 ケーブルも抵抗成分を持っていて、 ハイエンドと言われる電源 ケーブル は、 一般的な電源 ケーブル に 比べる と 抵抗 値 が とても 低く抑え られ て いる こと が 特徴 です。
そのため、一般的 な 電源 ケーブル から 高級 電源 ケーブル に 変更 する と、 アンプ・メーカー が 想定 し て いる よりも 多く の 電流 が 流れ、設計 者 が 意図 し た 音 とは 違っ た 音 になります。
特に古い アンプ は 電源 ケーブル が アンプ 内 で ハンダ 付け さ れ て い て、 取り外せる よう には なっ て い ない もの が 多い です から、 付属 し て いる 電源 ケーブル を 使う こと を 大前提 として 設計 さ れ て いる わけ です。  

更に高級電源 ケーブル を 使用 し た 場合、 音 の“ アタック 感” に 変化 が 出 ます。 実は、 電源 ケーブル の 抵抗成分 は“ コンプレッサー” の よう な 役割 を 担っ て い ます。
アンプ に 大きな 信号 が 入力 さ れ た 時、 アンプ 回路 は その 音 を 増幅 しよ うと する ため、 エネルギー 源 で ある 電源 から 電流 を 取り出そ う と し ます。 この 時、 電源 ケーブル に 大きな 電流 が 流れる わけ です が、 電流 値 が 大きく なれ ば なる ほど 電源 ケーブル の 抵抗成分 が 電圧 を 下げる 方向 に 働き ます。
例えば電源 供給源 の 電圧 が AC 100 V の 場合、 アンプ によって 異なり ます が、 アンプ 内 に ある 電源 トランス の 入り口 の 電圧 が 90 V や 95 V まで 下がる 場合 も あり ます。 結果として内部 の 電圧 が 下がり 、音量 に 制限 が かかり ます。 増幅 動作 に 変化 が 生じる わけ です( 微妙 な 変化 なので、“ 音量 が 下がっ た” とまでは 認知 さ れ ませ ん)。
この よう に 電源 ケーブル が 持っ て いる 抵抗 によって 電流 が 制限 さ れ、 音にゆるやか なコンプレッション が かかる わけ です。


高級オーディオでは入力された信号をそのまま忠実に増幅することが求められるので、 アンプでコンプレッションがかかってしまうことは嫌われますが、 楽器用アンプでは微妙なコンプレッションが求められることが多々あります。
その方が、“音楽的”に聴こえることが多く、バンドの中でも聴き取りやすくなるからです。 高級オーディオ用の電源ケーブルを使うと、このような微妙なコンプレッションが減り、単体では“レンジが広くなった”、“パワー感が上がった”と感じられても、バンドの中で他の楽器と混じると、音が散って
しまって聴き取りづらくなる
場合が多いのです。


安全性の面について

前述のとおり抵抗値の低い高級電源ケーブルを使うと、電流がメーカーの設計よりも多く流れるようになるので、ヒューズが飛びやすくなります。 この症状は特に、真空管に高い電圧をかけている設計の高級ギター・アンプによく見られます。
何度もヒューズが飛ぶのにアンプ本体には何の問題も発見できなかった時、電源ケーブルを製品に添付されていたものに戻したら問題が解決したなんてこともあります。

以上のような理由で、アンプに付属している電源ケーブルを使い続けるか、 グレードを上げてみたい時には、一回りくらい太い電源ケーブルにするくらいで留めることをお薦めしています。


一方、いろいろ試した結果、 高級電源ケーブルに変えた方が結果が良かったという場合もあると思います。
この場合も注意点があります。 電源ケーブルが太く固いと振動などによって電源ケーブルが抜けやすくなりますので 演奏中に抜けてしまわないようにセッティング時に注意して下さい。

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