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エッセイそしてときどき不思議な話

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最近思ったこといろいろ、そして過去にあった事を思い出して書く
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#忘れられない恋物語

青のファミリアに乗った小悪魔と横須賀のマーロウに行った日のこと

洋子ちゃんは僕の大好きなガールフレンド 女の子で友達で 今んとこそれ以上でもそれ以下でもない そのまんまでまあまあOK それ以上になりたいけどそれ以下になるのが怖い 「ようこのようはどの字なの?」に 「太平洋の洋」と いつも少し恥ずかしそうに答える洋子ちゃん にやける男どもは 手玉に取られているのに気付かない 洋子ちゃんは茅ヶ崎のお嬢さま 長い長い黒髪をいつも手櫛で梳いている 年下の彼氏がいるって噂だけど 本当かどうか誰も知らない 洋子ちゃんは同じ部署の同期のコ 「休み

【雑記】『京都人の密かな愉しみ』を密かに観る愉しみ

 録画しておいたNHKのTVドラマ『京都人の密かな愉しみ』を観るのがちょとした愉しみだ。京都関連の番組を、ある時からなんとなく好んで見るようになった。白状すると京都に興味を持ち始めたのは、元カノが嫁いだ先だったからだ。  振られてしまった彼女と、その後も仲が良いのは果たして良いことかどうかわからないけれど、元カノというより古い友人のような感覚でいたような気がする。そんな彼女が京都に嫁に行くと聞いた時、正直、一抹の不安がよぎったのは間違いない。  古の都、京都で暮らすには色

【雑記】君といた雨の日は

 ついさっきのことだが、少しばかり驚いたことがあって、自分のいい加減さにつくづくあきれていた。  何に驚いたかというと、自分の記憶の曖昧さに驚いたのだ。それは、ずっと頭の中にあったある日のイメージだ。時々、思い出してはどこか温かい気持ちにもなっていたその日の記憶に実はある筈のない記憶が入り込んでいたのだ。  自分にとっては結構大きな出来事だった『人生初デート』。その日のことを思い出していた。それを書き留めておこうと思ったのだ。間違えようもない思い出のはずだったから、それを

モノクロの風は照れくさい過去さえ思い出させて

朝起きるとキッチンで外を眺めつつお湯を沸かす。 北の街は白く凍えて、モノクロ写真そのままのようにたたずむ。 玄関のドアを開け少しの間、風を感じる。 コーヒーが好きで沢山飲むが、休みの日の一杯目ぐらいはゆっくり飲むことにする。 想いつくまま何かを書こうと思った。 自分語りじゃない日記を自分は書けるだろうか、などとしばし考えてみたが結局、気にせずどんどん書くことにする。 ◇ 十二月二十五日が誕生日の彼女がいた。 去年も書いているので今更ではあるが、それをネタに短編を書いた

初恋の相手が魔女だった話

記憶というものがこんなに不確かなものだということに驚いている今日この頃である。初恋の相手が魔女だったなんてすっかり記憶から抜け落ちていたのだから。 自分で言うのも何だが、一途な人間である。いや、カッコつけてるわけじゃなくて浮気と言うものができない性分なだけだ。勝手に自分で感情にロックを掛けてしまう。それは、初恋の相手が魔女だったからかも知れなかった。彼女を裏切ったらきっとひどい目にあう。心のどこかでそう思い込むように不思議な力が働いていたように感じたからだ。 ところで、漫