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逃げる夢? 夢なんて持ってたかな、わたし。 三作目です。よろしくお願いします。
手出し無用。 管楽器吹きは己で譜面を捲る。 二作目です。よろしくお願いします。
誕生日をあの娘と過ごすことにした。 それは絵に描いたような幸せなある日。 美佐子と付き合い出してからもう一年たった。 前の彼女とは半年で関係が自然解消していた。人には相性というものがあるということを理解し始めている。 ケーキが並べられたガラスケースの前で美佐子が振り返った。 「大きな蠟燭を二本と小さな蝋燭を二本にすればいい?」 「うん。二十二本立てるのはさすがにきついだろ」 「ふふふ。言われるとやってみたくなるんだけど」 ケーキに蝋燭で祝って貰うなんて、いったいいつ
港町に生れた。 懐かしい坂道を駆け上がる。