登山で使う最適な望遠レンズを考えてみる(Nikon Zマウント向け)
登山で使う望遠レンズを再検討する理由
これまで、登山での撮影には主にNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sをメインのレンズとして使用してきました。このレンズは広角から中望遠までをカバーし、軽量かつ汎用性が高いため、登山やアウトドア撮影において非常に便利な存在でした。
しかし、以前ソニーα7R IIIで100-400mmの望遠レンズを使用していた経験があり、その際には遠くの山々や野生動物を捉える楽しさを味わいました。ただし、望遠レンズはその携帯性の悪さやレンズ交換の手間がネックとなり、次第に使用頻度が減少。最終的には売却してしまいました。
ところが、過去に望遠レンズで撮影した写真を見返した際、その迫力や構図の自由度に改めて感動し、「もう一度望遠レンズで撮影したい」という気持ちが湧き上がりました。
そこで今回は、登山で使える望遠レンズを再度検討し、自分に合った一本を見つけるための選択肢を整理してみようと思います。
登山向けレンズの選び方のポイント
重量と携行性
登山では機材の重量が疲労に直結します。軽量なレンズほど携行性が高く快適です。特に望遠レンズでは軽量であることが大正義となります。F2.8の明るいレンズは結局重すぎて持っていくのしんどいです。
焦点距離と用途
広角(16~35mm):広大な風景やパノラマ撮影向き。
標準(35~70mm):ポートレートや一般的な風景撮影向き。
中望遠~超望遠(70~400mm):野生動物や遠くの山頂などを捉えるのに最適。意外と広角より標準〜望遠を私は使ってます。
耐候性
防塵・防滴設計は、雨や雪など過酷な環境下でも安心して使用できます。SONYのカメラとレンズは合計4回壊れてる。。
手ブレ補正
手持ち撮影が多い登山では、手ブレ補正機能が写真の安定性を向上させます。望遠では特に手ブレがシビアになってくるため、カメラ本体と合わせた手ぶれ補正のレベルは一番大事かもしれません。
候補となっているNikon Zマウント望遠レンズ
1. NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
メリット
1. 広い焦点距離範囲(100mm~400mm)
100mmの中望遠から400mmの超望遠までカバーするズームレンジは、風景や野生動物撮影に非常に便利。
遠くの山々や谷間を圧縮効果を活かしてダイナミックに撮影可能。
野鳥や動物など、遠距離の被写体も大きく捉えられる。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sと組み合わせるとちょうど良い焦点距離
2. 高い光学性能
シャープネスが非常に高く、歪みや色収差が最小限に抑えられている。
特殊EDガラスとナノクリスタルコーティングによるクリアな描写。
コーナーまで均一な解像度で、風景写真でも細部まで鮮明に再現可能。
3. 手ブレ補正(VR機能)
最大5.5段分の手ブレ補正が搭載されており、手持ち撮影でも安定した写真が得られる。
Nikon Zボディとの組み合わせで「Synchro VR」に対応し、さらに効果的な補正が可能。
4. 耐候性と堅牢性
防塵・防滴設計で、雨や雪など過酷な環境下でも安心して使用可能。
堅牢なSライン構造で耐久性が高い。
5. 携帯性
重量約1,435gとこのクラスでは軽量設計(ただし長時間携行には注意)。
内部ズーム構造によりバランスが良く、手持ち操作が快適。
デメリット
重量
約1,435gと比較的軽量ですが、登山では長時間携行する場合は負担になります。軽量装備を意識する必要があります。
開放F値
最大開放F値がf/4.5~5.6と暗めなため、薄暗い環境ではISO感度を上げるか三脚を使用する必要があります。
価格
約35万円と高価ですが、その性能を考慮すると妥当と言えるかどうか。
2.NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR
メリット
1. 広い焦点距離範囲(28mm~400mm)
28mmの広角から400mmの超望遠までカバーする14.3倍ズームは、多様な構図に対応可能。
広角端では広大な風景を捉え、望遠端では遠くの山々や野生動物を引き寄せて撮影可能。
2. 軽量設計(約725g)
重さ約725gと、このクラスのレンズとしては非常に軽量。長時間の登山でも負担が少ない。
他の望遠ズームレンズ(例: NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S:約1,435g)と比較して携行性が高い。
3. 手ブレ補正(VR機能)
最大5.5段分の手ブレ補正(Synchro VR対応)が搭載されており、手持ち撮影でも安定した写真が得られる。特に望遠端(400mm)では手ブレ補正が効果的。
4. 汎用性
広い焦点距離範囲により、風景、ポートレート、野生動物など多様なシーンで活躍。
最短撮影距離20cm(28mm時)でマクロ風撮影も可能。
5. 耐候性
防塵・防滴設計で、雨や雪など過酷な環境下でも安心して使用可能。
デメリット
開放F値が暗め(f/4~8)
薄暗い環境ではISO感度を上げる必要があります。特に200mm以上ではf/8となり、光量不足が懸念されます。これ一本で行くにはちょっとレンズの明るさ的に不安は拭えない。
画質
高倍率ズームとしては優秀ですが、専用望遠レンズ(例: NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S)ほどのシャープネスは期待できません。ズームレンジ全体で良好な性能を示すものの、望遠端(特に400mm)でシャープネスが低下する可能性があるとされています。
他のレンズとの組み合わせ
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sをメインレンズとしているが、このレンズとは焦点距離が競合してしまう。広角レンズと組み合わせは必須になる。
3. NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
メリット
1. 軽量設計(約570g)
重さが約570gと非常に軽量で、長時間の登山でも負担が少ない。
他の望遠ズームレンズ(例: NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S:約1,435g)と比較して携行性が高い。
2. 広い焦点距離範囲(24mm~200mm)
広角から望遠までカバーする8.3倍ズームは、多様な構図に対応可能。
24mmでは広大な風景を撮影でき、200mmでは遠くの被写体を引き寄せることが可能。
3. 手ブレ補正(VR機能)
最大5段分の手ブレ補正が搭載されており、手持ち撮影でも安定した写真が得られる。
4. 耐候性と堅牢性
防塵・防滴設計で、雨や雪など過酷な環境下でも安心して使用可能。
フロントエレメントにはフッ素コーティングが施されており、汚れや水滴を簡単に拭き取れる。
5. 汎用性
1本で広角から望遠まで対応できるため、レンズ交換の手間が省ける。
動画撮影にも適しており、静かなAFと最小限のフォーカスブリージングを実現。
デメリット
開放F値が暗め(f/4~6.3)
薄暗い環境ではISO感度を上げる必要があります。日中の明るい条件では問題ありません。
画質はSラインには劣る
高倍率ズームとしては優秀な画質ですが、高性能なSラインレンズには及びません。
周辺減光と色収差
広角端(24mm)では周辺減光や色収差が目立つ場合があります。ただし、これらはソフトウェア補正で対応可能です。
他のレンズとの組み合わせ
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sをメインレンズとしているが、このレンズとは焦点距離がかなり競合してしまう。
4. TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD
メリット
1. 広い焦点距離範囲(50mm~400mm)
50mmの標準域から400mmの超望遠域までカバーする8倍ズームは、風景撮影から野生動物の撮影まで幅広く対応可能。
2. 軽量設計(約1,155g)
超望遠ズームとしては比較的軽量で、長時間の登山でも携行可能。
他の競合レンズ(例: NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S:約1,350g)よりも軽くコンパクトで、バッグへの収納もしやすい。
3. マクロ性能
最短撮影距離が50mm時でわずか0.25m(ハーフマクロ)。花や昆虫など、小さな被写体も鮮明に捉えられる。高山植物の撮影には便利か。
4. 手ブレ補正(VC機能)
タムロン独自の手ブレ補正技術「VC」により、手持ち撮影でも安定した写真が得られる。
5. 耐候性と堅牢性
防塵・防滴設計により、雨や雪など過酷な環境下でも安心して使用可能。
デメリット
開放F値が暗め(f/4.5~6.3)
日中の明るい環境では問題ありませんが、薄暗い条件ではISO感度を上げる必要があります
三脚座は別売り
長時間の固定撮影には三脚座(別売り)があると便利ですが、追加コストが発生します。
ズームリングの硬さ
ズームリングがやや硬めとの指摘あり。スムーズな操作感を求める場合には慣れが必要です。
望遠端の光学性能
一部ユーザーからは、特に400mm付近でシャープネスやコントラストが若干低下するとの指摘があります。
テレコンバーター非対応
Nikon Z 100-400mmではテレコンバーター対応 (最大560mm)ですが、このレンズでは非対応。野鳥撮影などをメインに考えている人には不便か。
まとめ
登山中の撮影では、機材の重量と性能のバランスが重要です。
タムロン50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは、その広いズームレンジ、高い描写力、そして軽量設計から、多用途性と携帯性を兼ね備えた理想的な選択肢と言えます。そしてNikonの100-400mmより圧倒的に安価な価格設定となっています。
持っているレンズ、予算や体力によって、ベストバイなレンズは当然変わります。
私の場合は使用頻度や携帯性を考えるとタムロン50-400mmが第一候補にはなっています。
どちらが風景写真向きか?
Tamron 50-400mm
広角側(50mm)の柔軟性と軽量設計から、ハイキング中に標準から望遠まで多様な構図を試したい場合に最適。
マクロ機能も活用できるため、高山植物の撮影にも非常に便利。
まず適切なタイミングで撮影できるかどうかという、そもそも論があります。この携帯性は機会の最大化という点では間違いない選択肢となっています。
シャープネスの点では400mmでは若干弱いが、それより大事なものはある。現像技術がその最たる例である。
プロが大型印刷、8Kディスプレイでの展示をするなら差は大きいかもしれないが、SNSでの投稿が目的なら誤差の範囲とはいえる。
Nikon Z 100-400mm
シャープネスや光学性能、防塵防滴性能が優れており、高解像度カメラ(例: Nikon Z8, Z9)との組み合わせで最大限の画質を求めるプロフェッショナルやハイアマチュアに向いています。
テレコンバーター対応により野鳥撮影などでも柔軟に対応できます。
しっかりした造りとなっており、この大きさとビルドクオリティはモチベーションには繋がります。
価格や携帯性を許せるなら間違いない選択肢と言える。
結論
• 価格と携帯性、多用途性を重視: Tamron 50-400mm
• 画質とモチベーション重視: Nikon Z 100-400mm
自身の撮影スタイルや目的を考慮して最適な一本を選び、登山中の写真撮影を存分に楽しんでください!