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グルート・ハム・マシンでできる運動

The Homeを建てるとき、オリンピックスタイルウェイトリフティング(O-Lifts)ができる施設を作ることは、私の念頭の中核にありました。それを実現するために、バーやバンパープレートなどのウェイトに加え、衝撃吸収力の強いフロアと遮音性の高い建物を建てました。結果的に、東京下町特有の超住宅密集地でありながら、夜中にウェイトを落としまくっても近隣に一切迷惑をかけることのない施設となりました。そしてO-Lifts関連器具以外に何を入れるかを考えたとき、真っ先に思い浮かんだのがグルート・ハム・マシンです。

理由は簡単で、効率も効果も高い運動が、この運動器具一つあればいくつもできるからです。これほどにS&C指導者の味方となりうる優れたマシンは他に思いつかないです。

ただ、この器具が設置してあるジムは多くありません。GS Performanceでの指導の中でこの器具の優秀さを知った方達が各々のジムで取り入れることもあるのですが、その数もたかが知れているので、やはり現時点ではそこまで多角的な普及がされていないトレーニング器具です。

そこで、今回はこの器具を使ってできる運動を紹介し、多くの人にこのマシンの適切な使い方を知っていただき、その効果を体感していただくきっかけになればと願っています。


今回紹介するのは
1:Hyper
2:Hip Extension
3:Reverse Hyper
4:Glute-Ham Raise
の4種の運動です。


Hyper

まずはGS Performanceオフィシャルサイトにある関連ブログにて動作を確認してください。

初めに、この運動はHyperという名称ですが、何がハイパーなのかというと、中~下背部のハイパーエクステンションのハイパーなのです。ですので、鍛えたい箇所も中~下背部です。それに適した器具設定をし、その目的を果たすためのフォームとなります。

まず器具の設定ですが、この下の写真とその中のA・B・Cの点を確認した上で読み進めてください。

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HyperではAとCの高さが同じなのが理想です。しかし器具設定の限界もあるので、ほんの少しCが低くなることもあるかもしれませんが、少なからず下の写真に見えるように、足をパッドにかけてまっすぐ体を伸ばした時に、全身と地面がおおよそ平行になるのが理想です。

👉👉足をパッドにかけるときに、足裏は後ろの壁に触れさせちゃダメだよ!足の甲をパッドにひっかけてね!

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上半身を下ろした時に腰が丸まるように、かまぼこ型パッドの位置は臀部の真下に位置させるのが理想です。

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つまり、真上の写真がスタートポジションで、2つ上の写真がフィニッシュポジションです。

それだけです・・・

動作はある程度コントロールしたスピードで行うことをお勧めします。

以上です・・・

👉太腿の下にパッドを設定しちゃうとこの後紹介するHip Extensionって運動になっちゃうよ!

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👉アゴは引いておかないとダメだよ!つまり動作中は頭を固定しないと、上昇動作で頭を上方に振りその遠心力が上昇動作を助けてしまう代償動作が入り、この運動が楽になっちゃうよ!

GS Performanceで指導する運動において、脊柱を湾曲させて行う運動は非常に珍しいです。基本的には「腰をまっすぐ」はどの運動テクニック指導においても用いるセリフなので、このようにあえて腰を曲げる運動を実施する際は、適切な可動域と筋力の存在が腰にあることが条件ではあります。ただ、自重のみで行うことが多いのもこの運動の特徴なので、背面のPNFストレッチとしてプログラムに取り入れるのもありでしょう。ただ、もし重量を用いてこの運動を行う際は、その指導対象者の身体能力を十二分に考慮したうえで重量設定してあげてください。


Hip Extension

まずはGS Performanceオフィシャルサイトにある関連ブログにて動作を確認してください。

名前からして臀部を鍛える運動なのはご理解いただけるはずです。しかしやってみるとわかりますが、この運動では背部全体的にシレっと刺激が入ります。具体的に言えば、ハムストリング・臀部・下背部・中背部です。

スタートポジションは

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フィニッシュポジションは

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です。

設定ですが、この運動もHyperと同様AとCの高さが同じなのが理想です。しかし器具設定の限界もあるので、ほんの少しCが低くなることもあるかもしれませんが、少なからず下の写真に見えるように、足をパッドにかけてまっすぐ体を伸ばした時に、全身と地面がおおよそ平行になるのが理想です。そしてかまぼこ型パッドが太腿の下に来るようにしてください。

そして写真のスタートポジションからフィニッシュポジションまで体を動かすだけです。下り動作だけはある程度スピードのコントロールを行ってください。

以上です。

👉この運動でもアゴは引いといてね!

この運動も自重に負荷をかけて行うことはできますが、重量をかける際は、運動を行う方の身体能力を十分に考慮してください。


Reverse Hyper

まずはGS Performanceオフィシャルサイトにある関連ブログにて動作を確認してください。

Hyperとは体の方向を逆さにして行うのでこの名前になっています。ただ、この名前がReverse Hip Extensionではダメかというとそういう事でもないです。なんだったら、これはReverse Hip Extensionという名前の方がしっくりくる気もします。ただ、少し長いし、正直名前なんてどうでもいいので、ここではReverse Hyperとします。

器具の設定は、下の写真の通りです。こんな感じであるならば、詳細にこだわりはないです。

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そして両足の踵をつけ、膝は伸ばしたまま、足を上下させるだけです。下り動作はある一定レベルのスピードコントロールをしてください。

以上です。

つまりスタートポジションは下の写真の通りで

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フィニッシュポジションは下の写真の通りです。

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足が上がる過程の中で、つま先が大きく開かないよう我慢した方がいいです。

以上です。


Glute-Ham Raise

まずは動作をこちらにて確認してください。

この運動は難しいです。ハムストリングの筋力が比較的優れていないと正しく実施することすらできません。逆に言えば、ハムストリングの筋力向上を目的とした運動としてはかなり高品質です。

そして器具の設定も、上で紹介してきた運動に比べると詳細さを要求されます。グルート・ハム・マシンという名前で販売されている器具の中には、足パッドの高さ調整ができないものもありますが、それらの器具ではこれから説明する運動の実施は非常に難しいです。

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