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「まとめノート」の効果についてのまとめ

Twitter(現X)で流れてきたこちらのツイート

の、引用リプにあった

こちらの論文がちょっと興味あるテーマだったのでざっくり読んでみました。

こちらの論文でも指摘されている通り、得た知識を自分の言葉で要約することは理解の助けになることが指摘されているので、個人的に興味を引かれたところを中心にまとめます。

※ 統計も教育学も門外漢です。自分に分かった範囲を自分に分かる言葉でまとめています。ですので、正確な内容はぜひ論文本文を読んでください。


問題と目的

  • 講義中のノート作成の効果は必ずしも有効とはいえない。何故ならマルチタスクになってしまうため。

  • 一方で、「事後にの見直し」としてのノート(=まとめノート)作成が有効であることは比較的安定して報告されている。自分のペースで学習し直すことが情報の統合を促進するため。

  • この実験では、ノートを記述量に加えて、「体制化」「図表の利用」「具体例の使用」といった基準から評価した。

    • 「体制化」…関連する情報をまとめたり、体系を捉えて整理すること。具体的には、重要情報と枝葉の情報を分けたり、トピックを跨いだ概念同士の関係を整理すること。

    • 「図表の利用」…情報の圧縮。

    • 「具体例の使用」…具体例と抽象的な概念を関連付ける。

  • また、この実験では「まとめノート」を作ること、それに関する指導が、作る側にとって意識変化を及ぼすかを調べた。

  • この実験では、「まとめノート」をA4の紙1枚に限定し、それを試験当日持ち込むことができるという条件を大学生に課す形で行われた。(「体制化」や情報の圧縮を促す意図で)


結果と考察

  • 知識をそのまま答える問題では「まとめノート」に記述された量が成績に影響した。

  • 知識を使って問題を解決するタイプの問題では、記述量ではなく「体制化」の程度が成績に影響した。

  • なお、授業などで提示されたまとめの文章をただ写すことには負の効果があると示された。写すだけでは自身の理解が深まらないためだと考えられる。

  • 「まとめノート」作成指導においては、記述の工夫の仕方などを伝えることには成功したが、短時間だとまとめる側にその有効性などを理解させるにはいたらず、継続的な指導が必要な可能性が示唆された。


個人的な感想

  • まとめノートがいいぞという話はぼんやりした知識としては知っていたが、ミソは自分の頭の中を整理する「体制化」だというのはとても納得がいった。

  • この実験は持ち込み可の試験だったので成績の傾向に関してはレファレンスできたかできないかの問題があるので、なんとも言えない。(これは論文にも指摘がある。)ぜひ、持ち込みなしの試験での実験をしてほしい。

  • 個人的に、教科書のまとめをただ写すだけでは効果が低いというのが、そんな気はしていたが案件なので実証されていて面白かった。

  • この実験の結果を見ると、勉強系SNSでまとめノートを公開する需要が一定数あるのは「体制化」や情報圧縮のやり方の共有として有効な側面があることがわかった。ただ、人のを見ても自信の頭の中でどこまで「体制化」が進むかは疑問が残る。

  • まとめノートを作ると「体制化」が促されるのはいいが、そもそも情報を整理することがが苦手な人もいる。そこをどうサポートするか(別の方法を提案することも含めて)が課題なのかもしれないと思った。

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