アルベルトーキョーに思うこと

2023年5月3日。今年も昨年と同じ日、同じ会場、同じ相手に負けた。(さらには奇しくも昨年と同じ審判だった)
昨年は小川が本職ではないCBだったというエクスキューズもあり5-1の惨敗だったが、今年は本職の選手が揃っていた以上、言い訳の効かない負けだったと思う。

アルベル監督が就任して2シーズン目。これまでの堅守速攻主体のスタイルからボールを愛し、保持し、適切なポジショニングをとって優位を取るスタイルへの180度の転換を目指している。昨シーズンに比べ今シーズンは「そもそものコンセプト、ズレてきていませんかアルベルさん?」と疑問を呈したい試合内容が続いている。

この文章はあくまでいちFC東京サポーターが書いているものであり、取材に基づくようなものや、データ・エビデンスを用いて検証をするものではありません。お気持ち表明ってやつです。あまりにも不甲斐ない内容の試合が続いているので書き殴りです。素人考えなので「これは違うだろ?」という意見を持たれる方も多いと思います。駄文にお付き合いください。

アルベル監督のそもそも立ち位置ってなんだっけ?

サポーターならば自身が応援するチームがリーグ優勝をする姿、タイトルを取る姿を見たいのは当然のこと。だが、筆者はアルベルを「チームを優勝に導く」監督ではないと思っている。
アルベルに課された役割は「数シーズンかけてチームをカウンター体質からボール保持体質に作り替えること」であると認識している。
長谷川健太元監督の灰になるまで走るファストブレイクサッカーから、ボールを愛し、「ボールを保持している限りは失点しない」を体現するサッカーへの転換はいくらプロサッカー選手といえど一朝一夕にものではない。
現にアルベル自身もファンに対して長い目で見てほしいと常々言っている。
自分はこのスタイル転換について一定の理解を示しているつもりだ。
そして、スタイル転換後の一発目、2022年開幕戦の川崎フロンターレ戦。正直自分はアルベル体制で一番の出来がこの開幕戦だったと思っている。(最初の1試合が一番いいってどういうことやねん)
ハセケン体制から打って変わったボール保持、プレッシングからのショートカウンター、ゴールを脅かすようなシュートシーンもいくつかあった。
負けはしたものの、今後の東京の光明が見えていた。
が、2シーズン目に入った今、チームコンセプトがズレてないか?と思うシーンが散見される。
アルベルの役割は「ボール保持にこだわる」チームを作ることにあるはずでは?と。
現チームには3つの大きい課題があると筆者は考えている。

  1. ビルドアップ

  2. アタッキングサードの攻略

  3. フィジカルコンディション

順を追って書いていく。

ビルドアップの問題

一番自分が気に食わないのはビルドアップが一向に上手くならないことである。
ビルドアップ時、東京はサイドバックでボールを逃がせず相手ボールのスローインにしてしまったり、クバまで下げてロングボールを蹴りセカンドボールを拾われたり、自陣から相手陣に入ることができていない。


↑を見るに、攻撃回数は4位なのにゴールまでの30mへの侵入は最下位である。
ビルドアップがうまくいっていない事が如実にわかるデータだ。
ボールの逃し方が整理されていないので、ハイプレスをかけるチーム相手にとことん相性が悪い。
個人技術の問題ももちろんあるだろうが、パターン化や剥がし方の整理がチームで確立できていないと捉えている。
アルビレックス新潟との一戦を見たが、新潟の選手たちはサイドバックにボールをつけてから東京のプレスを受けてもうまく中央にボールを逃して逆サイドに展開するシーンがよく見られた印象を持っている。
なぜこれが東京はできない?

自分の目から見て、サイドでの手詰まりもそうだが、出しどころがなくてクバまで戻して精度の低いロングボールを蹴らされること、これが一番腹立たしい。
ボールを愛せと。保持しろよと。蹴っ飛ばしてんじゃねえよと。
時にロングボールは有効なのはわかっているが、相手からしたら蹴らされたロングボールほど回収しやすいものはないんだわ。
ボール保持にこだわるチームならとことんこだわってほしいんですよ。
マリノスだって飯倉チャレンジとか言われてミスって失点とかモンバエルツ期によくやってたじゃない。
ここを乗り越えようとしないで安易にボールを失ってしまうのは「ボールを愛する」コンセプトにそぐわないのではない?と感じている。

アタッキングサードの攻略ができない問題

今季のプレシーズン、キャンプではポケットの攻略をテーマにゴールを取るための道筋を落とし込んでいた。
事実、開幕戦浦和戦の1点目、あべしゅーがうまくポケット攻略に成功し、先制点をもぎ取る事ができたのはキャンプの成果が現れたといえる。
で、これをボールを握って相手がセットした状態では機能しない。もちろん難易度が高いのは承知の上だが、シュートまで結びつかない。
ポポ時代のペナ前コの字サッカーを見ている感覚。(ポゼッション主体のチームにはつきものなのかもしれない)
結局相手がゴール前に引いていると崩せないし、かといってプレスかけられるとボールを下げてしまうジレンマ。
ただシュートを打たなくて勝てるゲームなどそうそうないので(広島戦みたいにシュート3本で2点取るケースなんてレア)もっと遠くからでもシュートを打ってほしいのが本音。
で、シュートを打てなくなっている理由の一つに「4-2-3-1(4-2-1-3)」に変えたことが仇になっていると思っていて、昨シーズンよく見られていた松木らIHのゴール前への飛び出しがしにくいことに原因の一端があると考える。
守備の安定のために2ボランチにしたものと思ってはいるが、結果失点してから取り返せないのでは本末転倒である。
守備の安定というけど、ボール持ってりゃ相手の攻撃回数減るんだからそっちに舵を切るのがアルベルの役目だったんじゃないっけ?
ビルドアップの改善のための2ボランチというなら結局それもうまくいっていないし。
アンカーに全盛期レオシルバみたいなのがいないとそもそも1ボランチって無理だよね。というのは理解している。正直ここの補強に一番お金かけてほしい。
あとなんでペロッチベンチに入れてるのに交代で使わないの?試合終盤はもうディエゴヘロヘロになってんだけど?

フィジカルコンディションの問題

これはアルベルというよりコーチ陣、編成の問題な気はするが、選手に怪我が多発しているのはどうしてだろうか?
激しい接触を受けての試合途中の交代がいくつかあり開幕から数試合フルメンバーで戦えないことはアルベルにとってのエクスキューズだが、あまりにも怪我人、体調不良が多すぎる。エンリケのパフォーマンスを考えると新潟戦、福岡戦の2試合にベンチ入りすらしていないのはポジション争いに負けたのではなくコンディション不良が想定されるし、選手からも試合後に「体が重くて…」といったコメントも見られる。
難易度が高くても万全なコンディションで試合に臨んでほしいんですよ。
怪我人が出る->替えがなくなって出ずっぱり->疲労困憊->怪我 みたいな負のループに入っているのが本当に良くない。
帆高が万全な状態でまたピッチに立てることを祈っています。

アルベルの理想はどこいった?

筆者個人の考えとして、アルベルはチームを優勝に導く監督ではなくベースを作る監督であると評価しているのは先述の通り。
ではそのベースはちゃんとできているの?という話で、今シーズン一番気に食わないのは4-1-2-3を捨てて2ボランチにしたり挙句3バックにしたりすること。
昨シーズンの終わりにアルベルは完成度6割との表現をインタビューでされていたと思う。
そして昨シーズンの大半は4-1-2-3で試合に臨んだもの。
さらに言えばこの4-1-2-3がアルベルの掲げるポジショナルプレーのサッカーに一番適しているのだろう。
チームの成熟を考えるのであれば、同じシステムで、それに適した選手を補強して、連携や精度を高めてゴールと勝利につなげていく事が最重要なのでは?
そうでないと昨年1年間続けたのはなんだったんだ?となる。
4-2-1-3を基本システムとしたことによってチームの約束事も多少なり変わるし、3バックにしようものなら余計に変更幅も大きいだろう。
理想を貫いてそれをやり切ってようやくベースとなるものが出来上がるのではないの?
個人としてはボジショナルプレーをやろう、ボールを握ろうとする意思がしっかり見えた上で負けるのならば成長に必要な負けとして捉えられるのに、ボールは捨てるわシュートは打たないわでストレスが貯まるわけ。
中途半端が一番良くない。負けるんだったらやり切った上で負けてくれ。
今年は降格枠1なんだからスタイルの表現を徹底する気概を見せてくれと思う。

じゃあどうすりゃいいんだ

ボールを愛することにこだわってほしい。
そのためにもコーチ陣含めて「FC東京はボールを愛するチームなんです」と胸をはって言えるようなサッカーを体現できるようにしてほしい。
アルベルの腹心をヘッドコーチに据えれなかったのは失敗だったと思う。
確かアルゼンチンのコーチだっけ?監督とコーチセットで招聘するのが大切だとつくづく感じている。
あとは補強について。4-1-2-3を体現するために大枚叩いてでも優秀なアンカーがほしい。ハシケンとか全盛期レオシルバとか。東1人では回しきれない。
早稲田に頭下げて右サイドバックは安斎と1日でも早くプロ契約してください。室屋に帰ってきてほしさもあるけど。
采配については3バックやめて。なんとか耐えて勝ち点もぎ取るサッカーは必要なんだけど今アルベルに求めていることじゃない。
あとペロッチか熊田使って。ベンチに入れても試合で使わないのは意味がわからん。
ルヴァンを捨てないで。ベースアップのために若手の突き上げは必須なのに、戦術浸透してない若手とベテラン2,3人の構成じゃ、若手はポジショナルプレーを体験して覚えることができない。ベストメンバーに2,3人くらい若手入れる塩梅がベストだと思う。

終わり

駄文失礼。
とにかく勝てるチームの土台を作ってほしいんだよ。
2シーズン目にしてやりたいことが表現できてないのが苦痛。
勝ってほしい。
本当にむしゃくしゃする試合だったと思うので、現地に行かれた皆様は福岡のうまいものいっぱい食べてきてください。