目指した理由。
自分が義肢装具士を目指そうと思ったきかっけを忘れないよう書き留めておく。
自分は3年前に地元の大学を卒業し,東京の会社に就職した。
その会社で働かせてもらううちに,仕事とは自分にとって何か,何のために仕事をするのかを日々考えるようになった。そもそも自分は何でこの会社でこの仕事をしているのかと考えるようになり,自分の過去を振り返って最初から考えなおしてみることにした。
思えば,自分は生まれてから高校生までの間で,自分が将来やりたいことやどのように人生を進めていきたいかを真剣に考えたことは無く,ただ漠然と人生を進めてきていた。
大学への進学も,ただただ自分の偏差値を鑑みて目指せそうな大学を選んでそこに進んでしまっていた。なお,大学に進んだ理由は,ここが最も恥ずかしく後悔している事であるが,大学に進めば平均よりも良い会社に就職でき,平均よりも安定した生活を送れると安易に考えていたから。
でも,実際に社会で働く中で,そんな幻想は大いに間違いであることを気づかされた。会社の中では出身学校に関係なく,仕事をバリバリやっている人がたくさんいることを目の当たりにした。
少し考えてみれば当然のことだが,高校生で学ぶ「英語,数学,理科,社会,国語」が人よりも良い点数が取れた(偏差値が高い)というだけで,人よりも仕事で良い成果が出せるとは限らないし,そもそもその5教科で人を推し量れるはずがない(勉強は目的をもってやるからこそ意味があるのに,自分は人よりも良い点数を取ることを目的に勉強をしていた本物の馬鹿であることをここで気づかされた)。この当たり前のことを自分は22年間生きてきて初めて気づかされたのだから恥ずかしさを通り越してもはや清々しくも思ったことを覚えている。
今までの自分は,間違った認識で人生を生きてきたことは間違いなく,その間違った認識で進んできた過去の厖大な積み重ねからは目を背けたかった。しかし,目を背けても現実は変わらないので,ここでしっかりと向き合って,今後の自分の人生をいかに良くしていくかを"ゼロ"から考えてみることにした。
"なぜ人は働くのか"の答えは人それぞれで良いと思っている。自分の中で考えてみた結果主な理由は2つあると思われた。
1つ目は,生きていくのに必要なお金を稼ぐため。これは当たり前のことだし,深く考えなくてもほぼ本能的に意識していることだと思う。
2つ目は,仕事を通して社会に貢献するため。1日をとおして1つの事を専門的に行うことで社会に貢献するためだと思う(これは意識していなくても仕事をする時点で社会には貢献している)。
この2つ目の理由について,もう少し考えてみると,人が1日をとおして専門性を発揮し,より高度な成果を納め社会に貢献することができるようになったのはここ最近のこと。例えば江戸の武士たちは,いろいろな仕事を掛け持ち(いわゆる副業)して生活を行っていたらしい。
それに比べて今の世の中は,明日の生活のことを考える必要はそれほどなく,人が長期的にものを考えて実行できる。そんな世の中に生まれておきながら,怠けた生活を行い,ただぼんやりと人生を生きる事はとてももったいないことだと思う。
そこで自分は何を通して社会に貢献していきたいかを考え,この仕事を選んだ(結果としてこの業種を選んだが,ひとつの業種にこだわる必要はないと思っている)。
自分は,ひとり一人に対して,自分ができる最大の成果で,人に,社会に貢献していきたい。その想いを忘れずに,日々精進していきたいと考えている。そして,3年後には,一人前の義肢装具士になって,業界の最前線で社会に貢献できる人になる。