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『鈴木いづみコレクションⅠ ハートに火をつけて!誰が消す』考②

②恋のあやつり人形

友達の悦子の彼氏と結んでしまったいづみ。どうやら、悦子がそれに気付き、彼女を午後3時に呼び出した模様です。それに気を揉むいづみは、男友達の漫画家のところへ出かけて、あれこれと話し込みます。悪びれることなく、様々な男性遍歴や恋愛に対する価値観を語る彼女に対して、それを咎めるように漫画家は言う。

「オマエのよーなわるい女はな」マンガ家は、わらいをおさえつけている。「一回ぐらい殺されて当然だ。もっとも、一回殺されれば、おんなじことは二度と起こらないけど」

これを聞いた、いづみは激昂する。ここに綴られる文章の中、そこまで印象的ではないセリフなのだが、とても激昂する。冒頭の動画で本人が述べているように、きっとこれは、作者自らのあやうさを吐露している場面なのだろう。そう考えないと、本当によくこの文、あるいはこの章の位置付けがぼやけてしまうように思える。

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