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デュエプレにおける【刃鬼】の歴史

今回デュエプレでは、第25弾発売とともにDMPP-19 「グレイト・ディスティニー -希望の双子-」がニュー・ディビジョン(以下ND)が使えなくなる。《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》(以下《刃鬼》)は同弾の目玉カードであり、一度も再録されていないため今回でND落ちとなる。
TCG時代から高い人気を誇り、デュエプレでも多くの活躍をしたこのカードの活躍をざっと振り返り、感傷に浸ることとする。


各方面から引用の範囲内でデッキリスト画像をお借りし、それぞれに引用元を明記した。カード画像はデュエプレ公式から引用した。
《》でカード名を表し、【】でデッキ名を表す。
断りがなければ基本的にニュー・ディビジョン(以下ND)を説明する。

刃鬼登場前

DMPP-18では【4Cメンチ】が成立している。《超次元リュウセイ・ホール》による圧倒的な対応力とS・トリガーやそれを仕込む《超次元ホワイトグリーン・ホール》による防御力を兼ね備えたまさに攻守一体・万能なデッキだったため、マナを貯め大型ハンターでゲームを決めるデッキとして印象の重なる【刃鬼】は「4Cメンチの劣化になるのでは?」と囁かれるほど活躍を危ぶまれていた。

ばんちき選手執筆のnoteから引用

23/3/23 DMPP-19 「グレイト・ディスティニー -希望の双子-」

《刃鬼》の登場した弾。前弾での懸念は「カード1枚でゲームを終わらせる唯一性」によって差別化され、カード自体の人気も相まって発売直後から流行した。この弾には《眠りの森のメイ様》も登場しており、その理不尽なマナ加速を有効に活用するデッキとして【刃鬼】の姿があった。

基本的な水火自然型
闇文明採用型

手札とマナを整える水自然、大型ハンターを擁する火の三色を基本として、闇文明を採用した型もあった。
【黒刃鬼】と呼ばれた後者は後に《刃鬼》が抜け《「祝」の頂 ウェディング》などをフィニッシャーとして採用した【ヴィルヘルムコントロール】と発展していくことになる。
先行1ターン目で《お目覚めメイ様》を出せたときのマナ加速の理不尽さは凄まじく、最速で3ターン目にマナ加速をしながら《勝利のリュウセイ・カイザー》を出すなど異常なゲーム展開で環境を支配した。
しかし【水単リキッド・ピープル】に押されるなど最終的な環境トップには至らなかった。

23/5/25 DMPP-20 「レイジ・オブ・インフィニティ -神人類光臨-」

《恵みの大地ババン・バン・バン》がND落ちした。新たに《閃光のメテオライト・リュウセイ》が登場するも、相棒は次弾収録のためまだ活躍の時期ではない。
全体として【刃鬼】自体にはカードプール更新の影響は少なく、《クロック》や《DNA》で耐久を図るデッキに対する強力な突破手段として常に大きな存在感を放った。

2023/6/28 DMPS-10 「激震の鬼ドラゴン」DMPS-11 「ザ・ゴッド・サンクチュアリ」、ルール改定

《お目覚めメイ様》の下方修正が行なわれた。約3ヶ月大いに暴れた姫君もここでお役御免となり、デッキ構築は大きな変更を迫られることになった。同時に《超次元ホワイトグリーン・ホール》はDP殿堂になった。【刃鬼】に直接の影響は少ないが、しぶとく生き残っていた【4Cメンチ】は概ねここで現役を終えることとなる。新規カードはいずれも大きな影響を与えず、メイ様の抜けた枠をマナ加速初動やS・トリガーの増量で補う形に収まった。

メイ様ナーフ直後

23/7/26 DMPP-21 「ジ・オーバー・ロワイヤル -無法神聖紀-」

《不敗のダイハード・リュウセイ》が登場。ようやく「あのころの刃鬼」が完全体で使えるようになる。しかし《超次元リュウセイ・ホール》基盤ではその力を上手く発揮できない場面も多かった。真価を発揮するのは更に後となる。
《ダンシング・フィーバー》を採用し、2→4→6のマナカーブを強く意識した形も流行した。

フィーバーローゼス

23/9/28 DMPP-22 「龍解紅蓮伝 -BEGINNING SAGA-」

《龍素記号Sr スペルサイクリカ》は強力な呪文の再利用手段として注目を集めた。しかし第一線で活躍したのは【刃鬼】ではなく【ヴィルヘルムコントロール】であった。
「母なる大地→サイクリカ→母なる大地→ヴィルヘルム」を無制限に繰り返す【大地サイクリカ】として成立したこのデッキは【刃鬼】を使う意味を失わせるには十分だった。《スペルブック・チャージャー》も得たが激戦区の4コスト枠に定着はしなかった。

光水自然、4C、5Cどれもある

23/10/26 ルール改定

《母なる大地》がコスト8になり、【大地サイクリカ】という形は使えなくなった。
《超次元リュウセイ・ホール》と戦える最後のシーズンではあるが、【刃鬼】の影は薄かった。

23/11/22 DMPP-23 「双剣王凱旋 -DRAGHEART SOLUTION-」

長らくデュエプレの【刃鬼】のデッキの核だった《超次元リュウセイ・ホール》がND落ちとなった。リソース確保、盤面処理、マナ妨害と全てを1枚で行う最強のカードを失った【刃鬼】はこれまでの「水火自然グッドスタッフ」の地位を捨て「全力でマナ加速をしてフィニッシャーに繋げるデッキ」へと変わる必要に迫られた。
この弾で中盤のマナ加速として注目されたのが《再誕の聖地》だった。《偶発と弾幕の要塞》と古典的のコンボによって面処理とマナ加速を両立させ、《超次元リュウセイ・ホール》の抜けた穴を埋めようと試みる。

公認大会の優勝賞としてプロモ仕様の《刃鬼》が配布された。イラストはTCGの「DMBD-09 アルティメットクロニクルデッキ 2019 必勝!! 闘将ブレードオーガ」のものを使用し、頂点を掴んだ者に相応しい輝きとなっている。

24/1/25 DMPP-24 「龍魂超決戦 -NEXTREME SAGA-」

24弾が実装されると世界は【モルトNEXT】に支配された。その圧倒的な攻撃の厚みに他の全てのデッキはモルト対策に全力を挙げた。【サインシューゲイザー】や【トリガーロージア】、【5cイメン】のように極端に受けの厚いデッキが流行し、【モルトNEXT】の攻勢が弱ったタイミングで【刃鬼】が復活を遂げる。並んだ盤面を《閃光のメテオライト・リュウセイ》で一気にタップし、《不敗のダイハード・リュウセイ》でシールドを焼却できるこのデッキは受けデッキに対し大きな有利を主張した。バトルアリーナ2024springベスト4など輝かしい戦績を残し、このシーズンを最後にニュー・ディビジョンから姿を消した。

AD環境での活躍

【モルトNEXT】に対抗する防御札として《調和と繁栄の罠》の採用が広がっている。《龍素記号Sr スペルサイクリカ》によって再利用し、使い回すことでゲームを延ばして《刃鬼》まで繋げる。《超次元リュウセイ・ホール》をも駆使して中盤を支配するなつかしい姿がそこにはあった。

TCGにおける革命期以降の【刃鬼】

革命期には25弾でのAD環境と良く似た【白刃鬼】が使われることもあったようだ。やはり【モルトNEXT】に対抗する《調和と繁栄の罠》+《龍素記号Sr スペルサイクリカ》のパッケージを搭載し超次元でリソースを確保する。

https://gachi-matome.com/p-dm-clm-kamiyui-legacydeck-13/

ガチまとめのリンクが上手く貼れない。

新章に入るとツインパクトを駆使してリソースと妨害をするデッキとして一部で使われた。

これらの実績を評価され、振り返るべき歴史を持つデッキとして「DMBD-09 アルティメットクロニクルデッキ 2019 必勝!! 闘将ブレードオーガ」が発売される。

いちハンター・クリーチャーに過ぎない《刃鬼》が、なぜ時代も世界も違う龍素やツインパクトを駆使しているのか?この疑問の答えを背景ストーリーとして解説すべく、《フェアリー・ライフ》のフレーバーテキストに書かれている。

不思議な事が起こった」らしい。なんだそりゃ。
こちらのクロニクルデッキは環境に大きな影響を与えなかったが、【刃鬼】の人気は不動のものであった。
時は流れ2023年、《「勝利」の頂カイザー「刃鬼」》としてリメイクされる。大人気カードのリメイクはまたしても大人気カードとなり、環境の第一線とまではいかずともかなり戦えるデッキとして現在に至る。

おわりに

デュエプレとその後のTCGの歴史を振り返った。
25弾実装に間に合わなかったが、旬が過ぎる前に書き終わりたい。
認識の誤りや訂正、リンクしてほしくないなどのご意見があればコメント欄やTwitterに連絡がほしいです。

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