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弁護士投資家は、シード段階の投資で、何を質問するのか?

私は、IT企業専門の弁護士という仕事をしていますが、同時に、
みらいチャレンジ株式会社の代表でもあります。
この会社の中の一つの事業として、ベンチャーキャピタル事業をしています。

また、個人的にも、エンジェル投資家として、主に企業のシード段階での投資をしています。
そこで、シード段階の会社に投資する場合に、弁護士投資家は、どこをみて、何を質問しているのかを話したいと思います。

シード段階は、赤ちゃんみたいなもの

企業のシード段階の投資というのは、本当にどうなるか分からない状態です。
人間でいうと、まだ赤ちゃん〜3歳児くらいの状態なので、どういう風に成長していくのか、分からないわけです。
これから、どうなるか分からない、大化けするかもしれないし、コケるかもしれない
金はないけど、夢はある
といった状態が、資金調達におけるシード段階です。

最低限の準備をしているか~事業計画・収支計画~

上記のように、シード段階の企業は、赤ちゃん状態なので、今後どうなるか分かりません。
でも、やはり、最低限の準備はしておいてほしいと思います。

例えば、
・事業計画書は、ちゃんと作ってあるか
・収支計画の根拠を説明できるか

などです。
正直、シード段階の企業で、事業計画通りにいくなんて思っていませんし、収支計画なんて、絵に描いた餅状態になることは分かっています。
実際、自分がそうでしたから…

はっきり言って、書いてある内容の成否は、どうでもよくて、
・書いてあることがきちんと考えられたものか、
・それをきちんと説明できるか
が重要だと思います。

私からの質問も
・事業計画の疑問点
・収支の根拠
などをしていきます。
不確定な部分が多い中でも、自分なりの考えを説明できるかというのは、
最低限必要になってくると思います。

ワクワクする未来を描けているか

シード段階での投資は、その企業の「夢」を一緒に共有するという意味合いが強いです。
実際、シード段階で投資をして、リターンが返ってくる確率なんて、本当に少ない(笑)
でも、なんで、そこにお金を出すかといえば、その企業の「夢」に投資する意味合いが強いです。
なので、私が投資する際には、
・なぜ、この事業をやろうと思ったのか
・この事業をやるのに、御社でなくてはダメな理由
 (他の企業(特に大手企業)ではダメな理由)
・どういう課題を解決したいのか
・御社が成長したら、世の中がどうなっているのか

といったことは、必ず質問します。
スタートアップ企業は、大半は失敗します。うまくいかないことの連続です。
新しいことをやると、周りからは馬鹿にされ、笑われることもあるでしょう。
そんなときに、事業を継続できるかは、その事業に「熱い気持ち」があるかが重要です。

また、夢の実現のためには、多くの人を巻き込む必要があります。
人の感情が動くのは、「ワクワクする未来」を提示されたときです。
事業をやる上で、報酬で動かない人を動かすには、理念という「大きな旗」を立て、それに共感させる必要があるのです。

経営者自身が、「ワクワクする未来」を描き、説明できるかは、スタートアップ企業の場合、本当に重要だと思います。

僕らは、「夢の途中」~夢を一緒に実現する~

なんか、偉そうに書きましたが、私も自分の法律事務所及び会社を必死で経営しています。
私は、大金持ちでもないし、成功者でもありません。私自身も、夢を叶えるために日々奮闘している「挑戦者」です。

その中で、大きな夢を描き、必死に行動している人に対して、支援する。
そして、一緒になって夢を実現していく
そんな投資家という役割は、幸せだと思っています。



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