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共に育つ~子どもたちとの時間で気づいたことVol 7

先日家族で久しぶりの温泉旅行に出かけてきました。
主人の仕事でのお祝いと父の日の慰労を兼ねて…(メインテーマ)

私のなかでは、裏のテーマがあった1泊旅行。
それは息子が 「空白の時間に身をおく」こと。

年が明けてから新学期にかけて、
放課後の部活動と週末の遠征、英語検定試験、運動会、生徒会活動、
中間試験5教科、学力テスト5教科、教育相談という名の進路相談面接
…とこうして書いているだけでも ギューギューで
かなり忙しすぎる学校生活と日常の中で、
ゆっくり何かを考える(いや考えない時間=)”間”を持てずにいる息子に
空白の時間をもってほしかったのです。

忙しすぎると
自分が何を感じているのかわからなくなります。
自分が何を感じているかを意識しない状態が続くと、
ゆくゆくは生命力に関わります。

大人も子どもも、立ち止まれない状態というのは危険信号です。
自分の気持ちや心の声をないがしろにして、外側に自分を合わせている可能性が高いからです。(このあたり、お話会でも成長の過程として詳しくお話しています)

新年度3年生になってからは、特に 
息子の様子にそんなことを感じていたので、
しっかり”自分を感じる”ことをサポートしていこうと決めていました。

学校生活、生き方の選択・・子どもたちの歩む道が
「人中心」であってほしい。

今回出かける数日前に、たまたま月形町にお知り合いがいるという方から
「知り合いの家の側にカフェがあった」とお聞きして、
温泉に着いたら、一人で行ってみようと思っていたのですが、
当日は所用のため札幌経由のルートとなり、
結果的に宿泊先に行く途中で、私と主人と息子の
3人で向かうことになりました。

不定期オープンなので、”あいていたらラッキーだね”と言いながら
入り組んだ舗装されていない道を進んでいくと、Openのプレート文字。

12歳以下は入店お断りということで、
15歳の息子も自分の意思で一緒に入店しました。

店内は撮影禁止で、写真は残せなかったのだけれど
ひっそりと景色と時間も味わう・・はずのここでの時間が、
私たちにとって面白い出来事になりました。

窓に向かったテーブルが3つと、カウンター席。
先客があり、3人で空いていたカウンター席についたのだけれど
その後15分ほどで店内には私たちだけになり、
オーナーさんとゆっくりと話す流れになりました。

15歳の息子にひとつふたつと、言葉をかけて下さったところから
オーナーさんにそれぞれ社会人になった二人の息子さんがいる・・
というお話となり、
その息子さんお二人が、シュタイナー学校に通われていたという。

洞爺町の隣町、伊達市には
北海道で唯一のシュタイナー学校があることは知っていたけれど
珈琲と景色を味わうつもりで入ったカフェで、
シュタイナーのお話になるとは思いもしませんでした。

お子さんがまだ小さい頃に学校見学にきて、通うことを決め、
東京から移住してからの北海道での暮らし。
自宅兼カフェというこの建物を、2年かけて完成させたそうです。

そこから、さまざまなお話をしました。

学校とは、勉強とは、受験とは、進路とは、受験生とは
部活とは、友達とは、働くとはetc.・・・
”~とはこういうもの” というような枠(パラダイム)をもたない発想で
聞かせてもらう話は、引き込まれずにはいられなかったと思います。

息子さんたちお二人の学校生活の経験や、
その後の人生の選択を聞かせてもらい
はじめはきょとんとしていた息子が、途中からしっかりと意識を向けて
話に聞き入っていたのが、わかりました。

息子にとっては大切な経験。出会い(経験)になったと思います。
思いがけず2時間近くも滞在して、次のお客様がきたところで
ホテルに向かうためにカフェを出ました。

建物を出て車に向かう途中、
思わず「あ~、楽しかった♪」と私が言うと

「話聴けてよかったわ。」
「どうにでもできるし、何をしてもいいんだと思った。」と息子。

よかった と思うと同時に
やっぱりなにか見えないプレッシャーを感じていたんだなとも感じました。
(日ごろなかなか語りはしないけれど)

学校でのあれこれだけでなく、
周りの大人が感じていること、信じていることが、
子どもの意識にも影響していく。
つくづくそう思います。

自分の意思が育まれるためには
どんな環境で育ち、どこで教育を受けたか だけが重要なのではなく
” 何を感じ、どう思うか ” ” どう考えるか ”

答えのないことを自分で考えられるか? がとても大切だと思います。

だからこそ 自分の内面を自分で一生懸命に考え始めるこの時期に
たくさんの体験と感情を味わってほしいと思う。

人との出逢いも、
誰かの話を聴くことも、
出会う景色や出来事も
好きなことも嫌いなことも、
得意なことも苦手なことも、

そこで思いきり自分の感情を味わってほしい。
いい感情だけでなく、いろいろな気持ち。

そんなふうに、いろいろな体験を重ねる機会を持てるような応援をしたい。
自分が何を感じるか、をしっかり味わってほしい。

それが答えのないことを考える力になっていく。。と思います。



洞爺湖の偉大でゆったりした場と空気感、時間の流れ・・・

翌日は中島に渡り、島の探索ルートを歩くために、深い森に入ったとき

「なんだか、神聖な感じがするね」と息子が言いました。

感じるってこういうことだ。

散策の締めくくりは、蛇さん二匹!
これも忘れられない思い出になりました。

往復750㎞の旅。
親も子も たくさんのことを受取りました。


日常にあるさまざまな場面・・・
どんな視点で感じるか、視るか 大人側の意識を大切にしたいと
改めて思います。

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