モンティ・パイソン氏の華麗なる最期

注意:この文章は「モンティ・パイソン」が何かを知っていることを前提で書きます。知らん人は回れ右。

2013年末、モンティ・パイソンが30年ぶりに再結成して、イギリスのロンドンにあるO2アリーナで7月1日~5日と7月15~20日にライブを行うというニュースが世界中に流れた。しかも最終日は全世界(極東の某島国は除く)の映画館でライヴビューイングもするというオマケつき。

かつて、15年前の30周年記念の時の記念番組「パイソン・ナイト」には5人全員が顔をそろえずに、エリック・アイドルがアメリカに滞在していたため(奥さんが現在アメリカ人のジョン・クリーズはイギリスにいるのに)衛星中継での4人+1という形でちょっとだけ(1分にも満たず)集まったきり。
亡くなったグレアム・チャップマンをのぞく5人が顔を合わせたのは98年のアメリカ・コロラド州アスペンで行われた「USコメディ・アーツ・フェスティバル」でのトークイベント以来。(グレアムはツボに入った遺灰で参加。テリー・ギリアムが蹴っ飛ばしたけど)
当時のことを「モンティ・パイソン正伝」で読んでみると、30周年に何かやる、というのは決まりかけていたけど、ジョンが勝手にマスコミに言ったのに対してマイケル・ペイリンが激怒して流れ、いざ30周年の「パイソン・ナイト」の時には、エリックが『意味がない』と不参加を表明。残り4人で新作スケッチも作られて、エリックは別撮りで一人語りをアメリカで収録。まあ、エリックが言う通り、新作スケッチは面白くなかったですけど…。

エリックがブロードウェイで「ホーリー・グレイル」をミュージカル化した「スパマロット」を上演した際には5人顔をそろえたけど、『あれはエリックが儲かった』(by マイケル)というようにエリック寄りの作品だった。自身が演じたベドビア卿がほとんど出なかったテリー・ジョーンズは(自身が監督した映画なせいもあるだろうけど)不満だったらしい。っていうか、エリックが演じてたロビン卿がフューチャーされすぎた内容だったけどね。
パイソンズ6人の中で一番芸人根性があるはエリックだと思う。
「ブライアン」も「ノット・ザ・メシア」としてオペレッタにしたし。この時はジョン不在。

だから、もう5人で何かやることはないと思っていたんですよ。
エリックを中心に過去の遺産でやっていくのだぁと思っていて。

しかし、しかし、しかし。
本当に再結成ライブをやるとは!

再結成を最初報道したのが「イギリスの東スポ」こと「ザ・サン」紙だったせいもあり、眉ツバだったんだけど、ホントに再結成してライブ!
初日のチケットは1分経たずにソールドアウト。
因みに会場のO2アリーナは、「レ・ミゼラブル25周年記念コンサート」や「オペラ座の怪人20周年記念公演」などが行われた、2万人収容の文化用アリーナ。そのチケットがあっちゅー間にソールドアウト。
それだけ、モンティ・パイソンが世界に与えた影響は大きい訳で。

極東の某島国はというと…。
8月末にNHK-BSプレミアムで1時間枠×2週にわたって本国より編集されて送られてきた映像を放送。
2週の枠をとった割に、映像がそこまでなかった、らしい。
というのは、俺が受信環境がなくて未見なため。

で。

本国ではとっとDVDとブルーレイ、そしてDVD&ブルーレイ&CD2枚組の4枚組デラックス・エディションで商品化。
日本では、去年末か今年に入ってかは忘れたけど、アマゾンが正規に取り扱いして、それで俺はデラックスエディションで入手。DVD&ブルーレイはリージョン0のため、非合法な手段を使わずに済みました。

「MONTY PYTHON LIVE (mostly) ~ONE DOWN FIVE TO GO~」と題されたこの作品。
日本語版はまだアナウンスされていないのだけど、近いうち出るとは思う。
思うけど、字幕無しでも買って観ますよ、ファンだもん、命だもん、生命線だもん。
幸い、英語字幕も選択できるので大体わかる。
っつーかDVDを観まくりCDを聴きまくったモンティ・パイソンだぜ。なので、内容はわかります。
多少、耳は鍛えられてますしね。

そう言う訳で、ここから先はネタばれどころか、作品そのものを解説しますんで、嫌な方は回れ右。

今回の構成・演出はエリックが手掛けている。
同じくエリックが構成した「ベスト・オブ・モンティ・パイソン」に比べると、全体的にエリック寄りになっちゃってたものがちゃんとフライング・サーカスになっているのが、年齢を重ねた証拠なんだろうか。

まずは、音楽監督のジョン・デュ・プレ指揮による「モンティ・パイソン序曲」と題された、パイソンズの映画とレコードの歌ネタの曲を中心にオーケストラアレンジを施したものが演奏される。

映像で「20世紀ハタネズミ社」の提供がクレジットされると「ツァラツストラかく語りき」に乗せて、地球の代わりにグレアムのミスター・ニュートロンの顔が出てきて、蹴っ飛ばされ、惑星にぶつかると「ドクター・フー」のターディス(電話ボックスみたいなタイムマシン)のような「リターディス」が登場。過去のアニメーションの世界を組み合わせた宇宙空間をさまよったあげく墜落、02アリーナに登場、パイソンズ5人(と何故かカンガルーの恰好をした男性)がステージにやって来る。
ラテン系の恰好をした5人が大歓声の中登場。おどけまくる5人。スクリーンにはPhoto Opportunity(シャッターチャンスの意味)の文字で、会場中スマホを出す出すw
何故ラテン系なのかというと、5人が円陣を組んで息を合わせ、フラメンコが流れ、ジョンがバイキングの帽子をかぶり、ラテン語で「シニョール・シニョーレ・シニョリータ! ブエノスノーチアス!」と喋って、いきなり「リャマ」スケッチをバカ陽気に5人で開始。テリーJがギター弾いているのは珍しい。オチのグレアム役は、この人しかいない、キャロル・クリーブランドがリャマに乗って登場。紙袋膨らませて、バン!

同時に鐘がなって「リバティ・ベル」が流れ、全4シリーズすべてのオープニングアニメを一気に合わせた映像が流れ、今回の舞台が「フライング・サーカス」であることが示される。

映像が終わると、白いタキシードのマイケル・ジョン・エリック・テリーJ。もちろん「4人のヨークシャー男」スケッチ。あり得ない貧乏自慢をしていくライブのみの定番ネタ。「45年前にはパイソンなんてなかった」と始まるのが泣ける。
オチの「今の若い連中に話しても理解できなかろうて」「全くだ」が泣けるよ。

映像が流れ「逃げる口」のアニメから「魚のハリセン・ダンス」~「沈むマザーグース号」の映像の後、リッチなラウンジミュージシャン姿のエリックと、女性ピアニストのギリアム(w)が登場。
歌うは「人生狂騒曲」より「ペニス・ソング」。続いて今回のライブに合わせて再編集されたCDアルバム「シングス」から「海軍メドレー」。大量の海軍の恰好のダンサーさんが登場。「ペニス・ソング」の軍歌アレンジから、「ヴァギナ・ソング」(「シット・オン・マイ・フェイス」の代え詞(元が替え歌なんだけど))になり、2つのメロディが重なっていくミュージカル。
続いて「陸軍の演習」(軍隊口調でオカマ言葉を話す)を海軍の皆さんでやる様に、両腕をなくした海軍将校のジョン(イープル戦場スケッチの戦場牧師がモチーフ)が指示。そして英国国歌の流れる中、将校のわざとらしい長台詞が続くと、「やめい!」と映像の軍人グレアムが登場。「新鮮な空気の屋外スケッチを放送しろ!」と介入。
映像で流れるのは「婦人会による真珠湾攻撃」スケッチ。そのあとダビデ像のイチモツを隠してあるイチジクの葉っぱをとるアニメに突入。はがすと、出て来たのはプーチン大統領の顔!「検閲済み」のハンコが押されてアニメおしまい。

バチカンの写真が流れ、「ミケランジェロの最後の晩餐」スケッチが始まる。
これもライブでのみ披露されているネタ。
ジョンのお堅いローマ法王とエリックのちゃらんぽらんなミケランジェロによる掛け合いコント。
(もとは普通の祭司のグレアムがミケランジェロを連れてくるんだけど、今回連れてくるのが、何故かギリアムのセムシ男。オカマ口調になるのは何故だろう。今回のライブでギリアム、女形ばっかりw)
ここのミケランジェロの描く最期の晩餐は「カラフルなジェリー」「カンガルー」「28人の使徒」が描かれている。怒る法王に「最期の前の最後の晩餐」と言い出す始末。
「12人に1人のキリストだ」
「ひとり!?」
「なんでお前は3人描いた?」
「痩せにデブふたりでバランスがいい」
まともに描かなきゃ代金は支払わないという法王に「ブラディ・ファシスト!」とミケランジェロ。
「俺は確かにファッキン・法王だ!」と大見得が決まったところで、何故かミケランジェロが歌い始める。
歌は「全ての精子は神聖なり」。カトリック教徒の歌だから問題ない、っちゃそうだけど…。スクリーンは精子をあしらったステンドグラスに変わっていて、教皇と尼僧の恰好のダンサーさんとステンドグラスに顔がハマったキャロル(自分で張りぼてを持ってるのが笑う)が歌い踊り、途中アイリッシュダンスになる時に全員下着姿になり、スタッフがプリティな巨大ペニス大砲を持ってくる(今回、舞台に出てくるスタッフさんは昔のBBCスタッフ風のロングコート姿なのが小ネタとして効いている)。歌も終盤になると大砲から白い泡が飛ぶ。
賑やかに終わると次の「プロテスタントのカトリック批判」スケッチ。「人生狂騒曲」ではグレアムとエリックの夫婦だったのが、ここではマイケルとテリーJの夫婦に変わっている。(映画ではグレアムは過激派の政治家の真似をしているらしい)
「ホーリー・グレイル」の神様が現れて中断させると、ドイツ版フライング・サーカスの「アホ・オリンピック」再編集版が流れる。

映像が終わると「職業カウンセラーと公認会計士」スケッチ。ライオンの調教師になりたいアンチョビ氏のお話。
「ライオンの調教師になんてなりたくなかった。ホントは…」とマイケルが言った瞬間、会場が沸く。「ホントは…システム・アナリストになりたかった…んじゃなくて、木こりになりたかった!」で大盛り上がりの開場。
もちろん、「ランバージャック・ソング」。最後の伸ばすところが過去最高に伸ばしている。向こうの歌唱力はスゲい。
恋人役のキャロルの老けこみが気になっちゃうけど…仕方ないよね。

引き続きアニメに。ダイナモテンションをフルで。
それから「哲学者のサッカー」(ハリウッド・ボウル用じゃなくてドイツ用のまま。)
それにしても、ドイツ版の映像は綺麗に修復されている。
これの日本語版も出してほしい。昔出たドイツ版は映像が荒いからね。

そして哲学者つながりで、「オーストラリアの哲学学者ブルース」スケッチ。
キャロルの男っぷりもカッコいいが、ゲスト・ブルースでエディ・イザードが登場。
ここでもギリアムのオカマネタが。
「哲学者ソング」が会場を巻き込んで歌われるのが凄い。何しろ、片っ端から哲学者が出てくる(そしてみんな酔っ払いにされてる)歌を、いくらコメディ・ソングだからって歌えるイギリス国民に脱帽。
揺れるオーストラリア国旗と共にみんな退場して、「哲学者サッカー」の続き。
綺麗な映像のおかげで、ジョンに見えてたソクラテスがエリックなのが確認できた。

続いて「ウィゾ・チョコレート」スケッチ。
プララーリン警視役はオリジナル通りジョンが演じてる。ハリウッド・ボウルだと何故かグレアムだった。
それにしても欧米人はオナラとゲロが好きだね。いらない演出に見えるけどね、極東人には。
「ヒバリのゲロ」が「ネズミのクソ」に代わってたのは何故だ?
ジョンが台詞を忘れてフイてるのが、歳と年月を感じる。
レコードの「ドルリー・レーン」のライヴ音源ではニール・イネスの歌でフイちゃったジョンが、湧きかえる客席に「シャラップ!」っと言っていたのが嘘のよう。
でも、かわいい。

続いて「アナグラムでシェイクスピアに挑む男」スケッチ。
この後もだけど、意外と第3シリーズのネタが多い気がする。
作るのに飽きて嫌々参加してたジョンが第3シリーズのネタを嬉々としてやってるのは不思議。

何故かそのまま、エリックが唄う「アイ・ライク・チャイニーズ」ミュージカルver.
歌詞がさすがにアレだった部分と時代が変わった部分とが変更になっていた。
「僕は小さい木々が好き」と歌ってて、訳詞のない頃に買ったCDでなんのこっちゃいと昔から思っていたんだけど、「盆栽」のことだったようで、だからこそ「それはジャパニーズ!」と、ツッコミが入っていた。
メンバー全員とエディ・イザードが出てきて歌い、なぜかエルビスが唄いおさめて、第1幕終了。
メンバーが出て来た時に何故か新体操の紐を振り回しているんだけど、ジョン上手いw

休憩だから買い物に行かなくちゃと、ペッパーポットの映像が流れて休憩。

CDだと第2幕の最初にパイソン序曲パート2が流れるんだけど、映像版ではなぜか割愛。
「スパム・レイク」と題された卑猥なバレエが踊られて、そのまま「シット・オン・マイ・フェイス」の大合唱へ。

「メアリー女王の死」スケッチに流れ込むんだけど、ここでのグレアム役はテリーJ。
ちゃんとラジオとペンギンが爆発。
ここで気づいたんだけど、フライング・サーカス時代には、意外にもジョン&テリーJの組み合わせのペッパーポットスケッチはなかったんだよね。ケンブリッジ代表とオックスフォード代表のペッパーポットの掛け合いが45年かかって観られるのは、時間の流れを感じる。

マイケルいじりが入って、そのまま「ガンビー先生のフラワー・アレンジ教室」へ。
オリジナル&「ドルリー・レーン」ではマイケルだったけど、ここではギリアムが演じてます。

そのまま「女装趣味の裁判官」スケッチ。
70過ぎのジイ様2人の下着姿に沸く2万人。
日本の同世代のコメディアンにも見習ってほしいな…。

全体的に言えることなんだけど…。
ナンセンスの国イギリスだからかもしれないけど、老いてなお乾いた笑いを演じられるのは羨ましいな、俺は。

だって、「正面ストリップ」のアニメが流れて、「アホウドリ売り」を演じるんだもん、70過ぎのジョンとテリーJがさ。

「アホウドリ売り」スケッチの次と言えば、「ナッジナッジ」スケッチなのはパイソンファンなら周知のこと。
エリックのつけひげがどんどん取れて、終いにははがしちゃうのが笑う。
そして日本人ファンなら、どうしたって広川太一郎氏の声の「ちょんちょんだってばさ」に脳内で吹き替えられるのはしょうがないよね。

続いて新曲の「ナッジナッジ・ブラックメール・ラップ」に乗って男性は「正面ストリップ」スケッチのテリーJの恰好、女性はランジェリー姿で踊る。
そのまま「ブラックメール」スケッチ。
ヅラを被っただけでマイケルは若返るのが不思議。
赤ちゃんプレイしてたギリアムが連れ出されたり(実の奥さんのアップあり)、ゲストとしてマイク・マイヤーズがえてきたりするのが現代風アレンジで楽しめる。オルガンの音がするんだから、裸のオルガン奏者を出してほしかったけどね。

次は「アン・エルク女史」スケッチ。グレアム役はエリック。
これでグレアム役は現存メンバー+キャロル全員で回ったことになる。
アン・エルク女史のジョンがここでは思いっきりせき込むんだけど、やりすぎw ジョンが楽しそうなのは楽しいけど。

そのままアン・エルク女史の第二の持論として「コンラッド・プー氏の踊る歯」のアニメへ。

次は「スペイン宗教裁判」が!
夫人役のキャロルの役回りがおばあちゃんになっていたのはちょっとさみしいけどね。
ここでのグレアム役は若い人。この若い人は冒頭のカンガルーや歌の男性ソロを担当している。名のある人なのかもしれないけど、知らないや。
ファン卿役のギリアムがここでもオカマネタを。本当にギリアムは飛び道具役だな。
オリジナルでは2つのパートで演じられたスケッチだけど、ここではそのネタのままひとつにまとめられている。
新しい拷問として「冷蔵庫の冷たいミルク」が用意されて、冷蔵庫をあけるとエリックが登場。

エリックが冷蔵庫から出てくるんだから、そのまま「ギャラクシー・ソング」に流れ込むのは必定。
地球儀が置いてあったんだけど、それがワイヤーで宙に舞うんだけど…スタッフさんご苦労さん。
エリックとキャロルの優雅なワルツは胸がキュンとなりますな。
優雅なギャラクシー・ソングが終わると、映像がスタート。
「ギャラクシー・ソングの歌詞は韻は踏んでるけど、科学的には出鱈目」と、実際の科学者:ブライアン・コックス氏が語る。その後ろを何かがずっとと映ってて、アップになるとホーキング博士!
「若造が!」と引き殺してそのまま銀河系へ行っちゃう映像はすごいの一言。
そして最終日だからか、ご本人が会場に!
やっぱりイギリス人は洒落がキツい。

ダンスのアニメのコラージュが流れ、これまた新曲の「シリー・ウォーク・ソング」をダンサー全員でシリー・ウォークしながら踊る。
ジョンのシリー・ウォークは観られないのが残念だけど、パフォーマンスと演出がカッコいいからなぁ…。

この流れで、「討論教室」スケッチ。ここでのグレアム役はテリーJ。
ライブで討論スケッチの後と言えば、ギリアムの「アイム・ゴット・トゥー・レッグス」ソング。
そして射殺されるギリアム。
今回の内臓はリアル過ぎてちょっと怖いw。

ここでジョン・デュ・プレ・オーケストラのソロ回し。
音楽メンバーの見せ場をちゃんと作るのは、エリックのショーマンシップだね。

そして「スパム」スケッチ。
グレアム役はキャロル。
バイキングがたくさん出てきて「スパム・ソング」と「フィンランド」のミックスを唄うんだけど、一番盛り上がって歌い上げきるところで「苦情がある!」とプラライン氏のジョンが出てきて、「死んだオウム」スケッチへ流れ込む!

「死んだオウム」のライブバージョンだと、アムネスティでのフイてるマイケルが印象的だけど、今回もマイケルがフイてる。ジョンも充分フイてるけどね。台詞忘れてるし。
スケッチのラスト、あらゆる表現でオウムが死んだ表現をまくしたてる中で「ドクター・チャップマンのいるところへ行ったんだ」とのセリフとふたりが天に親指立てるのに泣かされる。
ブラックジョークで泣かせるのがイギリスという国なんだよなぁ

そのまま何故か「チーズショップ」スケッチに変わってしまう。
相変わらずチーズのまくしたてには感心させられる。
オチは射殺ではなくて「僕の家に行かない?」と、「おまわりさんをナンパ」スケッチに持って行く。
腕を組んで退場するふたりが可愛いったらありゃしない。

「美しきドナウ・爆破バージョン」から「人食いベビーカー」~「人間オカリナ」アニメが流れ、「人生狂騒曲」のグレアムが唄う「クリスマス・イン・ヘブン」の映像。

そして男性ソロの人が引き続き歌い、豪華に歌い踊り、白タキシードのメンバー5人とダンサー姿のキャロルが出てきて、第2幕も終了。
もちろん2万人のスタンディング・オベーション。

5人だけが舞台に残り、そして去る。
すぐにエリックがギター抱えて帰って来るけど。

アンコールはもちろん、「オールウェイズ・ルック・オン・ザ・ブライトサイド・オブ・ライフ」だよね。
エリックが「世界中で観てる人、唄おうよ!」と呼びかけるのが何とも。
エリック以外の4人はタクトで会場を指揮。
ダンサー全員と45年間のモンティ・パイソンを支えてきた人々がステージに登場。

最後は5人で挨拶して退場。
大歓声の中、「リバティ・ベル」が流れて、スクリーンに「グレアム・チャップマン 1941-1989」のクレジット。
泣かせるなぁと思っていたら「モンティ・パイソン 1969-2014」のクレジット!

そう、これは「壮大なモンティ・パイソン氏の葬儀」だったのですよ!
泣かせるなあ、おい、泣かせるよ。
まあ、すぐに「Piss Off」が出るんですけど。

そう言う訳で、ブラックユーモアの権化だった「モンティ・パイソン氏」は、2014年7月20日を持って亡くなりました。
R.I.P.

ファンを20年やってますけど、この140分の「フライング・サーカス」をもってモンティ・パイソンが終わった、というのが感慨深い。
いろんな意見もありましょうが、45年も楽しませてもらったんだから、「モンティ・パイソン氏」をいい加減休ませてあげましょうよ。

…日本版「スパマロット」には、エリックが何と言おうと絶対に行きませんけどね。
責任持てんからね、わしゃ。

長々とお付き合い、ありがとう。
では。

Piss Off!

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