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ウソばっかり! 人間と遺伝子の本当の話 竹内久美子著

学校がお休みの間に読む本の紹介vol.19
私は高校生の時に理科が好きで物理も化学も生物も履修したいと思いましたが、当時は理系に進むと必然的に物理と科学を選択させられたので残念ながら生物履修は出来ませんでした。でも、たぶん今井先生というおじいちゃん先生だったと記憶していますが、その先生の授業がめちゃくちゃ面白かった。懐かしいなぁ。
高校で文系に進んでいる多くの皆さんは理科に生物を選択しているのではないでしょうか。そんな皆さんに伺いたいのですが、生物の授業は面白いですか?あんまりおもしろくないとか、生物は不得意なんて言っているそこの君はぜひこの本を読もう。

セルフィッシュ・ジーン・セオリーという言葉を聞いたことがあるでしょうか?日本語で言えば「わがままな遺伝子」というところでしょうか。
セルフィッシュ・ジーンの根幹をなす考え方は、
「個体はジーン(遺伝子)のビークル(乗り物)でしかない。」
ヒトは、2n=46のヒト遺伝子を次の世代に伝えるために存在しているのです。というかすべての生物は自らの遺伝子を伝えることを第一の行動規範としている(少なくとも本能レベルでは)ことになります。ここには倫理や道徳が介在する余地はありません。

 赤ちゃんがかわいいのにも
 いい声の人に惹かれてしまうのにも
 バンドマンがもてるのにも
 若い女性が痩せたがるのにも
 すべてのことには理由があるのです!(笑)

表紙の裏にはこんなことが書いてあります

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かっこいい奴はモテるにきまってる!なんていうのは理由になりません

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動物行動学的には異性の見分け方として”一目惚れ”は間違っていないらしい
こんなお話からスタートしていきます。

 章立てとしては
 第一の部屋 「恋愛」
 第二の部屋 「家族」
 第三の部屋 「印象」
 第四の部屋 「体」
 となっていて、約三分の一は軽い下ネタです(笑)

しかし、著者が女性ということもあって、女の子が読んでもいやらしいということはなく、むしろなるほどと思うことが詰まっています。

そして、私たちの世代(思春期の娘を持つ父親)にとって最大の悩みは、娘になぜか敬遠されてしまうことじゃないでしょうか。
「お父さんみたいな人と結婚する!」とか言っていたのは遠い昔、年頃になるにつれて「くさい、うざい、きもい」とか言われたりしている人の話も聞きます、、、まあ、うちはそこまでではない。
心配しないでください。それにもちゃんと理由があります!

ちなみに私は全く酒が飲めません。基本的にどのジャンルも無理なんです。でも、世界的に見ると酒が飲めない人間のほうが少なく、欧米人やアフリカ系の人(またはアフリカにルーツを持つ人)はほどほどに飲めるとかではなく、ほぼ全員が”ガンガン飲める”そうです。確かに映画とかで(本当はダメなのかもしれないけど)会議や運転の前に一杯やってるシーンとか見ますよね。ちなみに酒を飲んで赤くなるのを英語で「オリエンタルフラッシング」というらしい。それにもちゃんと理由があります!

こうしたいわば遺伝子のわがままに私たちが振り回されている様をちゃんと研究して解き明かしているまじめな人たちがいると思うとわくわくしませんか?私はわくわくしてしまいます。

この本は、遺伝にかんする学びの副読本であり、雑学のネタ本であり、親子や夫婦やカップルの愛情の物語であり、面白い読み物でもあります。だから何人かで読んで感想を語り合うのもよいでしょう。

コロナの混乱は続いていますが、時間は止まりません。季節は巡り暖かくなってきました。三密はダメだけど、広々とした空気の良いところで読書をするには良い季節です。今しかできない時間の過ごし方を楽しむことも大切ですよ。

次回もお楽しみに~

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