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「どうやって学ぶか?」だけでなく「何を学ぶか?」も大事

進学塾GRIP 代表 高橋正浩

 新型コロナの影響も一段と大きくなってきました。いまのところ5月6日までは休校が決まっているものの、それ以降は不透明です。子どもたちの安全は非常に重要ですが、一方でこうした休校による学びのダメージやそもそも家にいなければならないというストレスは長期戦になるにつれ相当のものになると思います。
 また、状況が不確実なのでやむを得ない面もありますが、こうした休校措置が逐次的に延長されていくことでダメージの蓄積は一層大きくなっていくと予想されます。

 新しい学びの提案はもう始まっている

 一方でこうした危機的状況では今までの仕組みの問題点があらわになってあたらしいムーブメントが生じます。まさに今塾業界ではzoom等を活用したり、ネット教材を利用したりする動きが加速しています。前回もご紹介しましたが、私の塾でもリモートでの学習を支えるための取り組みを進めているところです。ちょっとそのご紹介。

 こんな風に場所にとらわれない学びを提供しようとする予備校や塾はたくさん増えてくると考えられますし、そうしたツールの活用は受験生にとって必須だと思います。学ぶための方法論は短時間のうちに充実してくるでしょう。しかし、どうやって学ぶかが充実したからといって「何を学ぶか」の丁寧アドバイスが付いてくる限りません

大学入学共通テストの場合

 来年の1月16・11日には初めての共通テストが行われます。記述式の導入は見送られたものの、大学入試制度改革の趣旨は揺らいでいません。知識を覚える能力から覚えた知識を使いこなす能力へと問われる学力観は変わり、それを測るための試験問題を必死に作成しているはずです。

 こうした流れのうえにある出題の変更点や、大学入試センターや各大学から発信される情報にアンテナを向けずして今まで通りの対策をしているだけでは点数は伸びないと思います。実力をつけることは出来ても、その実力を発揮することができないかもしれないということです。
 おそらく来年1月の第1回の共通テストは問題自体は比較的優しいものになるでしょう。しかし、問題は易しいのに平均点が伸びないという現象が起きるのではないかと私は予想しています。これは、出題傾向の変化に受験生が対応できないために戸惑って力を発揮できないということが多くの受験生におきるであろうと予想されるからです。

 今まで通りの受験勉強が役に立たないなんてことはありません。しかし、今まで通りでよいということでもありません。リモートラーニングの活用などどうやって学ぶかについては受験生の皆さんや保護者の皆さんに対して様々な営業が来ると思いますし、私の塾でも様々提案していきます。しかしもっと大切な「何を学ぶか?」という共通テスト対策に向けた具体的な取り組みを示してくれるサポートがより必要になってくると考えられます。

数学はどうなるの?

 そもそも来年の共通テストの数学についての変更点がどのようなものか把握している受験生はどの程度いるのでしょうか?
 まず、今までとは試験時間が変更になっています。数ⅠAは10分延長され70分になりました。数ⅡBは変更ありません。出題内容についても変更点があります。複合問題が出題される予定であることや、これまでのような穴埋め方式から正解を一つまたは複数選ぶというような形式(これまでも一部導入済)が加わります。
 ⅠAは相当程度変更になり、日常生活の場面における現象を数学でとらえたり、会話文から公式を解釈したりというような出題が予想されます。センター試験の過去問だけやっていても太刀打ちできないでしょう。
 ⅡBについては全体的に大きな変更はないものの、数列あたりで文章題を一部導入ということはあり得ます。

 基礎的なことができるようになったら応用として新しい出題形式にもチャレンジしようというのではなく、基礎固めと並行して多様な出題形式に慣れておくことが必要です。常に最終的に身に着けるべき学力を想定して日々の勉強に取り組む必要があるということです。

 進学校の場合は休校期間中も相当の量の宿題が出ていることと考えられますので、その隙間時間を利用してこうした問題集に取り組んでみるのもよいかもしれません。記述からマーク式への変更に対応した共通テスト対策の問題集です。

最後に

 繰り返しになりますが、この休校によって学力差は大きくなるはずです。生徒の皆さんの前には「飛躍」と「停滞」の二本の分かれ道があります。そのどちらに進むかによって未来は変わるでしょう。
 あのコロナ騒ぎのなかでの頑張りが今の自分を作ったと後に語ることができるような頑張りが今求められています。

 リモートラーニングの方法や大学入試制度改革への対応についてはこれからも発信していきますので、お付き合いくだされば幸いです。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 また次回もお楽しみに~


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