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新型コロナウイルスで身近な人が亡くなると起きること。その時に備えて

以下で紹介する記事の内容で取り上げられた方々に
安らかな眠りがありますように
またそのご家族、ご遺族に、適切なケアやサポートが提供されることを心より願っております

コロナウイルスが重篤し、看取り、そして亡くなると、家族などの身近な方々にはどのようなことが起こるのか?

これまでは海外から入ってくる情報が多かったのですが(※1)、徐々に日本の状況も明らかになってきました。先週は、亡くなられた女優の岡江久美子さんのご様子も伝えられました(なおここでは、自宅前での取材の是非については触れません)

記事によれば、ご家族は最期は対面出来たものの、入院以降は会うことは出来ず。また感染防止のために火葬や骨上げにも立ち会えず。また遺骨が納められた箱を(おそらくは葬儀社さんより)直接手渡しされることもなかったそうです

また、一般の方が亡くられたご様子についても既にいくつか伝えられています。こちらは4月15日の朝日新聞デジタルさんで配信された記事です

こちらは4月12日の北海道新聞さんの記事です

こちらは4月7日TBS Newsの中で取り上げられたものです

こちらは有料記事なります4月22日のが毎日新聞さんのものです

どちらも大切な方を亡くされたのにも関わらず、これまでなら出来たであろう看取りや、お葬式の対応が出来なかったことが紹介されています

大切な方がコロナウイルスに罹り、急速に重篤化し。そして亡くなられるとご家族(遺族)や周囲の方には、おおよそ以下のようなことが起きるようです

・隔離のため入院直後から家族を含め面会が一切出来なくなり、本人とのやり取りは持ち込んだ携帯やスマホ。もしくは病院側で用意してくれる携帯などを通じてとなる
・容態の悪化が臨終となっても、それを上記手段で伝えれるだけ
・病院で亡くなった後は感染を予防するための納体袋に遺骸が納めれ、その作業にも立ち会えない

・遺体はそのまま火葬場に運ばれるか、設備があれば葬送業者の会館などに運ばれる。その過程で遺体と対面出来るケースもあるが、納体袋が透明ではない場合は直接遺体を対面することは出来ない(ただし自治体や葬儀業者さんが透明な袋を用意されている場合もあります※2)
・お通夜、お葬式などは参列者同士の主に感染防止のために諦めざるを得なくなる(もしくは家族のみで執り行う)
・火葬場も感染防止のためのに事前に予約をして時間指定を受ける。家族親族を除く参列も感染防止のために制限され、自粛を求められる場合ある
・骨上げ、収骨も業者が代行して行ったり、上記と同様に家族、親族であっても同席が制限される場合がある
・白木に納められた遺骨を受け取る際も、感染防止のために業者から直接受け取ることが難しくなる

このあたり実は情報がいろいろと流れており、分かっていないことも多いです。岡江さん、志村さんのようなケースもあれば。各自治体やその火葬場さん、各葬儀社さんの対応によっても違いがあります

もし上記のような事態となったら、葬儀社さんと”何が出来ないのか、制限されるのか”の確認がとっても重要になります

このようにコロナウイルスで亡くなると、「感染の予防」が第一となり、さまざまな制限、自粛、そして配慮が求められます。入院後、また会えると思っていたのに、戻ってきたら骨壺に納められた状態だった、ということが実際にわたし達の身の回りでも起きているのです

またここでは詳しくは触れませんが、コロナウイルスへの感染。そしてそれがきっかけで亡くなったことに対する周囲の風評や評判、噂などにより。ご家族、ご遺族が辛い想いをされているお話もあります。そうした対応や言葉ににご苦労や辛い想いをされているご遺族、ご家族の存在、わたしもとても気がかりです

わたしもこれまでいくつかのグリーフケアのお話を聴き、ご遺族と関わって来ました。ですが、こうした亡くなった方と対面出来ない看取りを迎えるケースというのは、孤独死やテロや大規模な事故などで亡くなり。それもご遺体の損傷が特に激しい際など、ごくごく限られたお話だと思っていました

ところがコロナウイルスはその状況をガラッと変えてしまいました。まだ日本で亡くなる方の数は少ないですが、それでも、全国規模で上記のような対応、看取り、そしてお別れがご家族に迫られるケースをあることなど、まったく想定が出来ていませんでした

今回こうした記事を敢えて書こうと思ったのは、これまで特殊だと思っていた看取りや弔いのケースが誰にでも起こり得ることを知っていただきたい。その時に何が自分の身に起きるかを知識として持っていて欲しいと感じたからです。もちろん、それが役に立たなければそれに越したことはありません

ただどのご家族、ご遺族のお話にも共通するのは「まさか自分の身にこんなことが起こるとは…」という声でした

それ故に記事の中に出て来られたみなさんは、お辛い中でも敢えて取材に応じられ。自分の身に起きたことを伝えたいと思われたのかもしれません

なお一部のお坊さまや葬儀社さんは「後葬」という形で、火葬後でもお葬式やお別れ会などの形式が取れること。またオンライン会議システムなどを使い、お葬式やお通夜でお経を上げる提案などをされています。こうした提案の活用が、ご遺族や亡くなった方を送りたい方々の想いに少しでも応えられるものであればとわたしも思います

とはいえそれでも、十分に看取れなかった。弔うことが出来なかったというご家族のご遺族の思いや悲しみ、そして苦しみを支えるケアやサポートが必要なのは言うまでもありません。そこはグリーフケアの出番なのですが、いまはその活動も、感染予防のために十分に出来ない現状があります

ここはオンラインなどを活用して出来る限り、そうしたケアやサポートの存在を伝えていく工夫や。希望があればお話を聴く機会を作る努力をグリーフケアに関わる側のわたし達も重ねていくべきです

そうしたサポートやケアを組み合わせながら、この厳しい状況を、みなで支え合っていくことが出来ればと思っています


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【注釈】

※1海外から伝えられきたコロナウイルスでご家族を亡くされた方のお話です。共通しているのは入院直後から連絡する手段が限られ、死後も対面がないままに大切な人は棺に納められてしまった。最後に届けられた形見の品物だけだった、といった内容もありました

※2神戸市の透明な納体袋の準備を紹介した神戸新聞さんの記事(4/4)はこちらです。これによりコロナウイルスに罹った方でも、袋越しになりますが、亡くなった後でもご家族が対面出来るようになるそうです

なお記事にはいろいろと参考になる情報が書かれています

・本来こうした袋は自治体が用意するものではないこと(つまり葬儀社さん側が用意する)
・通常の納体袋は色付きで中が見えないようになってる
・非透過性の納体袋(=体液が漏れない状態)に入れて袋自体も消毒されていれば遺体の搬送を家族が行ってOK
・上記の状態であれば葬儀場の消毒も不要


今回の note はわたしが実体験をしたお話ではありません
伝聞やニュース、厚労省や各火葬場から発信されている情報などを基に書いております。亡くなった方やそのご遺族のお話はなかなか表に出ることがありません。そのため、この note にも間違いが含まれている可能性があります。それが確認された際は適宜修正をいたします
みなさまも、信頼出来るソースから情報を収集されるようにして下さい

そして何よりもこうした死やお別れを防ぐためにも、個々の感染予防を徹底していくことがまだまだ大事です


デス・カフェ@東京主催。ヒトやペットの区別をしない、死別・喪失のサポート、グリーフケアのお話をしています