橙(だいだい)のジャム 第一話
橙(だいだい)のジャム 第一話
どうしよう、あとちょっとでなくなってしまう。
日に日に減っていくことが、何か大切なものまでも、失ってしまうような気にさえなっていた。
「あの、大さじ1程度でいいので、使い切らずに残しておいてくださいね」と、Mさんに念を押すように伝える。
初めて、Mさんにお会いしたときに、子育てや家事について、
どのようなサポートをご希望なのか、一時間程度、お話を伺った。
話の流れから「実母には手伝ってもらえないので」と。
特別悲しそうでもなく、事実を淡々と