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#006 グリーフケア入門講座


 前回の投稿で、日本グリーフケア専門士協会のグリーフケア入門講座を受けたとお話ししました。この講座は1回2時間で、無料で受講できます。
 今日は講座の内容を少しご紹介します。

1.講座の構成

  講座は3つのパートに分かれていました。

(1)喪失による悲嘆反応について
(2)自分の状態に気づくワーク
(3)悲嘆の7つの局面

順番に見て行きましょう。

2.講座の内容

(1)喪失による悲嘆反応

 日本グリーフケア専門士協会では、喪失による悲嘆反応を示す人は、大きく分けて6種類いると定義しています。さて、6種類とはなんでしょう?

私はこの内、3つまで思い付きました。
 ①家族との死別
 ②ペットロス
 ③離別

 私の予想通り、この3つは悲嘆反応を示す人の定義に含まれていました。
では残りの3つは何でしょう?

正解というのは無いと思いますが、講座では以下のように教わりました。

 ④支援者としての死別
 医療従事者や介護職など、支援者が経験する死別があります。お世話をする相手の余命が僅かと知りながら、日々過ごすことも大変ですが、看取った後も、いろいろ悩んだり考えたりするそうです。

 「あの時、あのような接し方で良かったのだろうか」とか「遺族に対して、もっとできることは無かったのだろうか」とか。ぐるぐる考えて、抜けられなくなったり。

 「もっと長く生きていたかった」「やり残したことがある」等の言葉を受け止めすぎて、感情が引きずられてしまったり。

 それで心が苦しくなって職を辞してしまう人も全然珍しくないそうです。だから、支援者の心のケアもとても重要だという事です。

 確かに、私も思い当たるところがあります。
わかちあいの会に参加した時、他の参加者さんのお話を聞いて、涙が出てきて、心拍数が上がりました。
会が終わった後も気持ちの高ぶりが暫く続いていて、なかなか気持ちが切り替えられない状態でした。
 本当に感情移入してしまうんですよね。

 残りの2つは「災害」と「老い」だそうです。
 どうして災害と老いが定義に含まれるのでしょう?良ければ、ちょっと考えてみて下さい。

(2)自分の状態に気づくワーク

 2つ目は自分の状態に気づくワークです。8つの項目について、講師から具体的なイメージができるようなエピソードを聞いて、自分が当てはまるかどうか書いてみる、という作業です。

 8つの項目とは「社会」「家族」「友人」「自然」…等です。
 全ての項目で自分が満たされていないと感じている人は、孤独感や喪失感、心と体がバラバラな感じや、自己矛盾を抱えていたりする人です。
 一方、すべての項目で自分が満たされていると感じている人は人や社会と繋がっていてポジティブになれる人です。

 私は、8つの項目のうち、「友人」と「家族」が弱い感じでした。
このような内面の状態が可視化できるので、冷静に自分を見つめることができます。

(3)7つの悲嘆の局面

 7つの局面とは、「混乱」「否認」「怒り・罪悪感」「抑うつ」「諦め」…等です。これらの局面は順番に訪れる訳では無くて、人によって訪れる順番は様々です。
 大事なことは、これらの項目の中心にいつも「哀しみ」があるという事です。

 よく、「哀しみを乗り越える」という言葉がありますが、「哀しみ」はそう簡単に乗り越えられるものではありません。
 他人から見て、一見元気そうに見えても、その人は「哀しみ」を完全に手放したと思ったら大間違いです。
 いつも「哀しみ」のそばに居て、ただ時間が経つと、少しずつ「哀しみ」と距離を置けるようになったりするだけです。

 これは、私にも経験があります。
 30年以上経った今も、なお、家族を失った哀しみは私のそばにあります。
たぶん、哀しみが完全に無くなる日は一生無いのです。

3.まとめ

 今回の講習は、講師の方が、とても柔らかい語り口調で、参加者を緊張させないように気を配ってくれました。
 自分の経験に照らして、さまざまなことを思い出しながら、話を聞くことができました。

 「哀しみが打ち明けやすい、あたたかい社会を広げる」が協会の理念だということです。
 私も「あめのちはれ」のわかちあいの会を通じて、この理念に賛同して行けたらと思います。

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