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AFF2e ADVENTURE CREATION SYSTEM で遊んでみた(冒険編)

※ 前編はこちら👇

※ 本記事は後編となります。

冒険のはじまり

氷指山脈の南端裾野、大きな湖の河口に小さな村を見つけた。サマイ村というらしい。あてのない旅を続けていたグルーダーは宿を求めて立ち寄ることにした。金になる話でもあればよいが。

サマイ村(★)。西側に水資源豊かな湖がある。
https://www.bing.com/images/create?FORM=GENILP
で生成したAI画像。まぁまぁ雰囲気でてますか。

グルーダー君は、はじめてこの村を訪れるので自然にからスタートすることにします。時間は昼すぎということにしておきましょう。

南東の門からスタート。

都市内で移動した場合、基本的に移動先の施設のイベントが発生します。
現時点ではグルーダー君はミッションの存在も把握していませんので、ミッション固有の処理はスキップして、のイベントを調べます。

Table 4.1.21 City Gate (CG) Location Encounters/都市の門:遭遇表
3d6→12。

左側が日中用の結果。
『1d6:1-3なら兵士、4-6なら見張り』

右側は夜間用の結果『兵士』

さらに1d6→6で「見張り」でした。
S21(Sは社会的遭遇の意味)のイベント詳細を調べると
「退屈した見張りにうっかりみつかり、訪問の目的を詰問される」とあります。こちらの対応によって少し反応がかわります。

「放浪の旅だ。一晩宿を取り、立ち去る。金になる話でもあれば別だが」
とグルーダーはぶっきらぼうに答えた。
「へえそうかい。まあいいさ面倒は起こすなよ。これ以上やっかいごとはごめんだからな」見張りはうんざりした表情で言った。

退屈した見張りは饒舌だった。普段は平和な村だが、貴族同士の紛争で相当な規模の殺し合いになっているという。
「こんな小さな村で権力争いなんて気が知れねえさ。せいぜい巻き込まれないように注意しな」
見張りは気晴らしになったのか、機嫌よくグルーダーを村内に通した。

―――もめごとは金になるかもしれない。
いずれかの貴族に肩入れするか?
なんにしても探ってみる価値はあるだろう。

では特にトラブルにはならず、間接的ながらミッションに参加できました。すべりだしは上々です。次の施設に移動しましょう。

まだ昼日中ですが、酒場にいったら何か情報が得られるかもしれません。
酒場と隣接した施設なので早速向かいましょう。一杯やりたいですしね。

Table 4.1.14 Tavern (TA) Location Encounters/酒場:遭遇表
を調べます。3d6→7。

Map*がある場合、追加でマップ遭遇表を参照する。
マップ遭遇施設追加に相当するが、最大追加数が制限されている。
町や村の場合、各マップ遭遇で追加できる施設は各ひとつずつまで。
(小さな村にいくつも鍛冶屋があるのはおかしいから)

毛皮商人と追加でマップ遭遇表のイベントが発生しました。

マップ遭遇表(マトリックス表になっている)でロールする。
結果は1回目1,2回目2だったのでM10 Smithy/鍛冶屋

酒場に隣接して鍛冶屋があり、また、酒場には毛皮商人がいる。といったところでしょうか。

M10 Smithy/鍛冶屋Mはマップ遭遇)を調べると、人間とドワーフの2人組で、犬が入口に寝そべり、小気味よいハンマーの音が響いているようです。グルーダー君には炉の火がここちよいことでしょう。

武器防具を買ったり、武器防具の調整(一時的な強化)をしてくれるようですが、なにぶん持ち金があまりないのでなにもできません。
あとで訪れることもできるので一旦素通りして酒場に向かいます。

マップ遭遇で追加される施設では基本的にはイベントは発生しないので、純粋なサービスと考えることができます。

酒場に入ると、毛皮商人がいますが、特に用はなさそうです。
このイベントはスキップして、ミッションの処理をすすめます。

酒場を訪れているので、明記されているわけではありませんが、1gp使用して久々の酒をしこたま楽しんだとしておきます。グルーダー君が飲まないとは思えませんからね。

タスク1:次の現場はどこですか?

ミッションの目的は「貴族の争いを調査して不毛な争いを止めること」です。次に起こる決闘や殺戮の現場をおさえることで大きな成果をえられるかもしれません。

訪問施設ひとつにつき1度、以下の技能のいずれかで3回中2回判定に成功するとその施設付近で抗争が発生する計画をつかむことができ、次のタスクにすすむことができます。

対象スキルは感知、礼儀作法、法律、忍び歩きのいずれかです。
観察力、説得力、信頼性、盗み聞きなどを駆使して情報を集めるというわけですね。

グルーダー君は社会的なスキルや忍び歩きはいまいち(ぶっきらぼうで粗野)ですが、感知(+1)だけはスキルがありますから感知で判定しましょう。8以下なら成功です。3回判定します。

結果11、11、10。これはひどい・・・。運試しするには悪すぎますね。
村の入り口そばの酒場付近で決闘などしないということで辛抱しましょう。
このタスクの調査をするたびに1d6時間経過します。結果3時間。
かろうじてまだ日中でしょう。

次の施設に移動します。墓地なんかあやしいんじゃないでしょうか。とりあえず隣接している寺院に向かうことにします。

生成段階ではとばしてしまいましたが、寺院ですからこの村で信仰されているぐらいはきめておきましょう。

Table 7.1.1 Political System/政治制度この村の性格(善/中立/悪)を決定し、少し飛ばしてTable 7.1.3 List of the Gods/神一覧で神を決定します。

何度かダイスを振って、中立/ロガーンに決定しました。

寺院では治療や神頼み(!)などができます。特にいまのところ寺院に頼りたいこともありませんのでイベントを調べます。

Table 4.1.7 Temple (TE) Location Encounters/寺院:遭遇表を調べます。
3d6→9。

S18 Peasant+Roll Again/農夫再度ロールとなっています。
夜(右)ならGiant Rat/大ネズミにでくわすところでした。

再度振ります。

マップ遭遇S30 Nobleman/貴族(男性)
夜(右)ならスケルトンでした。
物騒な寺ですね。

マップ遭遇はM28 Stables/厩舎でした。
厩舎では1日1gpで馬を借りれるようです。
特に用はありませんのでイベントをすすめます。

礼拝に来ていた農夫は冒険者にあこがれているようで、統率ロールに成功すれば協力してくれるようです。2d6→6で成功です。

「あんた一人旅してるんか。すごいなあ。貴族の件、解決しようてんなら儂が手を貸すよ」

今回の寺院訪問の間に限り、戦闘・社会的ロールに+1のボーナス。

同じく礼拝に訪れたであろう貴族の方は4人の荒くれた護衛を引き連れています。いけ好かない中年の男ですが、信頼を得れば仕事を任されるなどのチャンスもあります。しかし今は事件の方を追いたいのでひとまずスルーします。

この貴族との遭遇はストーリー的には”いかにも”という感じなので、お話としては広げられそうですが、メタ的にいうと一般イベントのためミッションとの直接的なかかわりはありません。

それではミッションの現場の目星をつけられるか調べます。農夫の協力を得て礼儀作法でしらべてみましょう。8以下なら成功です。
結果は2, 5, 10。
2度判定に成功しましたのでタスク1は達成です。

せっかくなので、無関係な例の貴族にも登場してもらいましょう。
前後しますがS30 貴族のイベントをおりまぜます。

小さな村だから農夫は顔が利いた。農夫は"いけすかない貴族"との間を取りもち、話しを聞き出すことができた。
「今夜、連中はその墓地の裏手でやり合うようだ。今となっては、どの貴族の雇われ人同士がやりあってるのかもわからんが。もともとは、なんとかいう魔術かぶれの下級貴族の子弟が仕掛けたという話だ。私には関係ないがね」
貴族は気取って答え、少し考えてから付け加えた。
「しかし君の武勇と、この村への貢献には敬意を表さねばならん。取っておいてくれ。調査の資金とするがいい。もし行き詰ったら私の名を出してかまわない。何かの役にたつだろう」

2d6gp(結果:5gp)を資金提供してくれた上に、続く3度の礼儀作法ロールに+1ボーナス。"いけ好かない"なんていって申し訳ないですはい。協力してくれた農夫に1gpプレゼントして4gpもらっておきましょう。
また、1d6→3時間経過でに移行とします。

おかげでかなり有力な現場の情報をつかめました。

タスク2:休戦勧告

夜更けまで張り込んで殺気立った使用人たちを待ち休戦させます。必要なら力づくで。グルーダー君にはおあつらえむきのタスクですね。
墓地の裏手の道の両端に両陣営が現れたのを見計らって飛び出します。

道の両端で、武器を手に罵り合い殺気立つ両集団の間に割って入るようにグルーダーは現れた。
「武器を引くがいい。くだらん殺し合いだ」
両集団は各々顔を見合わせ、集団の一方の首謀者らしき男が問う。
「誰だてめえは」
グルーダーはバトルアックスを軽々と振り回したあと、斧を杖がわりにしてもたれかかると、わざとらしく彼らを品定めするようにのぞきこんでから静かに言い放った。
「俺はグルーダー。旅の戦士だ。武器を収めぬなら俺が代わりにお前らの頭を叩き割ってやろう。この中に俺にかなうと思うものがいるなら一歩前にでてこい。どうせ死ぬなら俺が殺しても大して違いはないだろう」
寺院の灯りに照らされたその面構えと、いかにも重く大きな得物を軽々と扱う所作は一般人の彼らには到底およばないものだった。

統率による対抗判定で両陣営のリーダーに勝てば休戦させることができます。グルーダー君の話ぶりは統率というより、もはや脅迫ですが。

グルーダー君の対抗判定は14、二人のリーダーはいずれも12で、辛うじてグルーダー君が上回り、彼らは休戦に応じました。

タスク3:黒幕に迫る

話を聞くと両陣営とも各々の主人が奇妙な情報源の手紙を受け取ったことが抗争のきっかけになったことがわかりました。この手紙の配達人を追えば黒幕に迫れそうです。

ここで2d6で12を出すと使用人たち説得に応じて配達人の追跡に協力してくれ、このタスクは達成となります。しかしさすがに12は出ません(結果7)。

協力してもらえるまで毎日1度ロールします。情報収集によって一日に+1ボーナスとなります。いずれ必ず成功するロールのため、「日数が何日かかるか」が問題なのかもしれません。そういえば路銀が厳しくなってきました。

酒場の説明によると長期滞在の場合、日に2gpで泊まれるそうですから長期滞在を申告しておきます。毎日清算でゆるしてもらうとしましょう。

ではロールしていきます。
2日目6+1×
3日目8+2×
4日目10+3○
12を超えましたので説得に成功となります。(宿泊‐8gp)

どちらの陣営か不明ですが、貴族の使用人たちが説得に応じたため、主人である貴族の邸宅へ招待されます。

ここでミッションの説明に従い、マップ上にダイスをドロップしthe Wealthy Streets/富裕層通りを追加します。皮肉な気がしますが、貧民通りの南側に富裕層通りが設置されました。この富裕層通りに貴族の邸宅が存在します。

長くなってしまいますので邸宅への移動イベントは省略としますが、まさにその夜、手紙の配達人が訪れます。使用人の宿舎に隠れてやり過ごし、配達人追跡の機会を得ました。次のステップへすすみます。

タスク4:配達人を追う

配達人(女性)は街中を移動しますが、こちらの企みに気づいて素早く行動し、加えて3人の悪漢が彼女を守るように歩調を合わせています。

彼女はランダムな方角に移動しますが、感知狩りのスキル(+3ボーナス)で成功しないと見失います(救済策はありますが、最悪、前のタスクからやり直しになります)。5回移動で彼女は目的地に辿り着きます。

加えて、移動先では通常のイベントが発生する(夜イベントなのできつい)のに加え、変装忍び歩きに成功しないと配達人の指示で悪漢がグルーダーに迫ってきます。厳しいイベントですね。

移動1回目

1)貧民層通りへ移動
2)追跡チェック。2d6→6。11以下なら成功しますので、そうそう失敗はなさそうですね。
3)Table 4.1.9 Slum Alleys (SA) Location Encounters/貧民層通り:遭遇表C23 Slave Takers/奴隷の捕獲人Cは挑戦的遭遇、つまり戦闘イベント)で、襲い掛かってきます。普段ならグルーダー君の敵ではありませんが、なんせ戦ってる時間がない!運試しで逃れます。出目は7で成功。
4)忍び歩きは3で成功。

このミッションの作意はおそらく「追跡チェックに成功していればイベントなどで戦闘が発生しても見失わない」だと思われますが、とりあえず全部逃げておきました。機会があったら真意をArionGamesの中の人に聞いてみます。

移動2回目

1)Drinking Den/飲み屋(※非合法かもしれない衛生面に不安のある安い飲み屋。大抵おぞましい店名)に移動
2)追跡チェックは5で成功。
3)Table 4.1.15 Drinking Den (DD) Location Encounters/飲み屋:遭遇C20 Giant Spider/巨大クモ。ないないない。やばい。どんな飲み屋だよ。運試しは4で脱出成功。
3)忍び歩き→6成功

でかいです・・・。
本来なら、なぜ居酒屋にオオグモが現れたのか
ドラマを膨らませたいところですが
今はそんなことを言っている場合ではない。

長くなってしまうので省略しますが、このあと西方向へすすんでいき最終的にMarketPlace/市場でゴールとなりました。ここで悪役手下が待ち構えています。

待ち構え判定(追跡中の戦闘的なイベントの発生回数により悪役に逃げられやすくなる。今回は3回遭遇したので+3で判定)2d6で10以下なら悪役:はらわたぶち撒けのグラーク(地下墓地経由で村に侵入している)、11以上なら手下のドラガー(時間をかけすぎたせいで配達人の機転で悪役には逃げられている)となります。

ロールは12+3(!)。残念ながグラークには逃げられました。
グラークは強敵で普通に戦うと十分負け得るほどの強さですが、ドラガーなんぞはグルーダー君の敵ではありません。戦闘詳細は省略としますが、少しねばられたものの勝ち。

冒険の終わり

貴族たち配達人を介してグラークに操られていたのでした。オークたちにとって人間の都市を破壊し、奪い、混乱させ、苦しめることは喜びで、グラークは非常に知能も高いためこのような狡猾な方法でサマイ村を破滅に導きたかったのだと思われます。

悪役は倒せていませんがこのミッションはこれもまたひとつの成功となります。貴族たちは自分たちの行いを恥じてグルーダー君に(実質的には口止め料として)報酬5d6(結果16gp)を支払ってきました。グルーダー君は名目など気にもしないでしょう。グルーダー君はこの物語の黒幕がオークだとは気づいていませんが、それを知るのは次以降の冒険になりそうです。

だいぶ長くなりましたので経験点処理やドラガーからの戦利品など後処理は省略します。

ちょっとだけ感想など

ランダムに発生するイベントや設定は、普段の自分の発想を超えてきますので刺激的で、予想外の出来事をどう物語としてまとめるかを考えるのはとても楽しくユニークな作業です。各表は通常のセッションなどでも気軽に活用でき、ネタの宝庫ともいえます。

サンプルミッションもよく練られていて、各タスクで独特なギミックが用意されていたりしますので単調になることもありません。

ミッション生成なども試してみたいところです。サンプルのように豊かな体験にできるものなのかどうか気になるところです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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