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あなたっていつも、冗談っぽく言うことでじぶんを守っているんだね

例えば、自転車の後部座席からしか見えない景色のことを美しいと思ったり、暗い部屋に差すいっぽんの光の疎ましさを、それぞれが、それぞれの明日に行き着くための感情が揺らめていて。
それはまるで、耳を塞いでいるときに飲む水がたてる音のような、身体に響くような振動は、生きているような実感があってすきでした。
あなたっていつも、冗談っぽく言うことでじぶんを守っているんだね。
夜を越えると、そとは絶対に明るくて、明るくなるのはなんだか、明るくならないとだめなんだよって言われてる気がして、すこし嫌でした。
だから、疎ましく思われるんだよ。
生まれ変わったら何になろうかなあ、何になれるかな。天井にべったりとこびりついた生活のぬけがらだって生まれ変わりを待っていて、ひとつひとつ数えて、ひらいて、おちてきたときに、そっと抱きしめることをしないと、思い出失格かもしれませんね。

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