「譲ります」すら悩む世の中


久しぶりのnoteは、道案内でも推し論でもなく、チケットのこと。

「リーグが席位置の記録を促しているのだから、私的にチケットを交換/譲渡するのはおかしいのでは?」という意見は、よくわかる。
「リーグ/球団が提供するリセール機能が不十分な以上、消費者として当然の選択ではないか」と思う反面、「いまは平時ではないのだから」とも思う。

感染対策のことだけ考えれば、前者だ。
ただし、感染対策を徹底しようとすると、そもそも数百人数千人が閉鎖空間にそろうこと自体がリスクだ。
どう折り合いをつけるのか。個々人の考えに任せるのは得策ではない気がする。

なお、「万が一の時の通知は元々の購入者にいくから」という意見は、リーグが来場者を捕捉できないという意味で、確かにそのとおりだと思う。
その一方で、「万一の時の返金も元々の購入者にいくのだから」という主張には、「それは新型コロナに関係なく、以前から、そして今後もありうる苦労です」とお返事する(いろいろ気苦労した)。

リーグが完全に席位置ごとに座った人を把握したいのならば、そもそも購入時点で購入枚数全員分の氏名と連絡先を記入する必要がある(もしそうするのであれば、それはそれで正しいと思う)。
そして、その仕組みが整わないのであれば、「同行する友人分をまとめて購入する」といった行為も一切禁止されないと理屈が通らない。

思うに、非営利の私的な「転売」をする人の多くは、「行きたいけど行けなくなった」という人ではないか(根拠はない)。
その転売先は多くが知人や「知人の知人」レベルではないか。
直接的な連絡先を知る人同士、もっといえば「公式から購入したチケットのみ私的『転売』可能」ということが実現さるのであれば、『非営利の私的な「転売」』は許容されてほしい。

もちろん、これは個人のモラルに依存する話であり、不特定多数のモラルなんて何の信用も置けないことはよく理解している。
とても甘い考えであることも理解している。これまでの「空席なんてもったいない」「見られない人と見たい人をつなぎたい」という僕の考えを自己正当化するものであるかもしれない(僕自身、他の方から席を譲っていただいたことは複数回ある)。

答えはない。ただ、リーグや球団が「答え」を示せばそれに従うし、それが示されないのであれば、試行錯誤を続けるしかない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?