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新電力と契約されている個人/法人は電気料金の計算方法の確認を!需給逼迫による電気料金高騰が進行中

昨年末から、LNG(液化天然ガス)の供給不足や、寒波による電力需要増加・太陽光発電/風力発電の出力低下などが相まって、電力需給が逼迫しています。その結果、市場での電力取引価格が100円/kWhを超え続けるなど、非常事態が発生しています。

昨年末からの電力取引価格の急騰

昨年12月16日に、それまで10円/kWh以下で推移していたJEPX(日本卸電力取引所)のスポット市場のシステムプライスが急騰し、夕方の時間帯に40円/kWhを越える事態が発生しました。その後も取引価格が高い状態で推移する中、12月26日には夕方以降の価格が75円/kWh台となり、年末年始を挟んで高止まりが続いた後、ついに年明け1月6日には100円/kWhに達したのです。

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100円/kWhを記録した2021年1月6日のシステムプライス(出典:JEPX)

何が問題になるのか

このような高騰が続いている背景の分析は他の専門家の皆さまに譲りますが、今回noteを書くことにした背景は「新電力の電気料金の高騰」への注意喚起です。

2016年の電力小売全面自由化以降、様々な新電力と呼ばれる新規参入の電力会社が増えましたが、それらの会社が提供している料金メニューの中には市場価格連動型のものがあります

電気料金は、多くの場合に①基本料金+②従量料金(+燃費調整額+再エネ賦課金)で計算されますが、この②従量料金を市場価格に連動させることで、安価に電気を供給することなどを売りにしています。

ハルエネでんき(市場連動プランあり)

エルピオでんき(市場連動プランあり)

自然電力のでんき(市場連動プランあり)

上記は一例ですが、他にも市場価格連動のプランを提供していたり、市場価格連動を明示的に謳っていなくても市場からの調達価格に連動する料金計算方法を含んでいたりする場合があります。

新電力との契約内容の確認を!

既に市場価格の高騰は12月から始まっており、1月になってそれが加速しています。冒頭に上げた日経新聞のほか、主要メディアでもこの問題は報じられてきていますが、意識せずに市場価格連動のプランを利用していた場合には1月使用分の電気料金請求額が10倍になる可能性もあります。

このnoteを書いている1月10日時点では、明日のシステムプライスが時間帯によっては170円/kWhを越えてきました。もはや12月上旬の20倍の水準です。

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1月11日受渡分のシステムプライス 170円/kWh以上の時間も(出典:JEPX)

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1ヶ月前の12月11日は最高値で8円/kWh台だった(出典:JEPX)

市場価格が低く推移していれば電気料金が安くなるプランでも、こうした高騰が発生すると予想外の請求を受けることになりかねません。

本記事では全国大のシステムプライスを取り上げていますが、地域単位で見ると更に価格が上昇している場合があります。

個人・法人を問わず電気料金の契約内容を至急確認すると共に、需給逼迫の解消が見えないことから、節電にも努めましょう。

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