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電力需給逼迫の電気料金高騰 隠れ市場連動型料金メニューへの影響は?

12月中旬から始まった電力需給逼迫とJEPX(日本卸電力取引所)のスポット取引価格高騰で、電気料金がその取引価格に連動する「市場連動型」の電気料金メニューを契約している消費者への影響が大きくなっています。

料金メニューに市場連動型と謳っていなくても影響が

そんな中で、市場連動型と電気料金メニューの名称などで謳っていなくても、料金の計算式の中に市場連動部分が含まれている新電力があります。

それらのメニューでは「電源調達調整費」などの名目で、電気料金に下記のような金額が加減算されます。(ハルエネでんきの例)

電源調達調整費=燃料費調整額+調達調整費

調達調整費(還元)=(還元基準値-調達単価)× 使用電力量(kWh)× 50%

調達調整費(追加請求)=(調達単価-追加請求基準値)× 使用電力量(kWh)× 50%

この「調達単価」がJEPXのスポット市場の取引価格と連動しており、還元基準値より低い場合は値引きが、追加請求基準値より高い場合は追加請求が行われるようになっています。

実際にどの程度料金が増えるのか

東京電力エリアを例に取って、JEPXのスポット市場エリアプライスを用いて試算してみたのが下記の表です。

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例えば1/1~1/14までのエリアプライスの実績値で計算すると、電源調達調整費は31.30円/kWhになると試算できます。もしこの水準が1ヶ月続いたとすると、月に300kWhを使う家庭は9,390円の追加請求を受けることになります。

この取引価格高騰は少なくとも1月末までは続くと言われていることから、調達単価が更に上昇した場合にどうなるかを試算したのが仮定値①と仮定値②です。

調達単価が100円/kWhまで上昇(仮定値①)すると電源調達調整費は36.80円/kWhに、120円/kWhまで上昇(仮定値②)すると46.80円/kWhになります。いずれの場合も、前年同月比で2倍以上の請求額になることが予想されます。

電気料金メニューの確認と節電の取り組みを!

前回のnote記事でも電気料金メニューの確認が必要と言及しましたが、市場連動型と電気料金メニュー名称などに明示されていなくても、今回試算したように電気料金高騰の影響を受ける可能性があります。

この試算も、私の周囲でそういった電気料金メニューを意識せずに契約している人が多かったことから、実際にどの程度の負担増になるのかを計算してみたものです。

改めて、新電力と契約されている個人/法人の方は契約内容の確認を行うと共に、電力需給逼迫はしばらく継続すると予想されていることから、節電への取り組みもお願いいたします。

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