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”フィールドワークとサンプリング”論

僕なりにおもしろいなと思う庭づくりさせてもらえたのでそのことを。

それはニンキペンさんが設計された「house fabricsape」で
今回はオーナーからご依頼をいただきました。
ちなみにオーナーとはあちこちの物件でご一緒したりたまに一緒に御飯したりする仲で僕は同志だと思ってます。

最初にオーナーからはエポキシ樹脂のスケルトンなプランターを設置したいとの話とスケッチをいただきました。
イメージは「ファミコンのカセットのサラマンダだそうです。」
僕は長坂常さんの作品のイメージが浮かびましたが・・・

サラマンダ

ニンキペンの今津さんからは
物件周辺にはいわゆる長屋が多く残っていて
そこには庭がなく道路にプランターが溢れた風景があって
建築も周辺の要素で構成したのでそんなアプローチでという話をいただきました。
イメージは「アガベよりアロエで」

「サラマンダ+アロエ」っておもろいに決まってますね(汗)

最初に打ち合わせのときにオーナーと一緒に
周辺を歩きフィールドワークみたいなものをしました。
家の周りには長屋や駄菓子屋さんや魚屋さんとかのある大阪の古い町並みが残ってて
でも少し歩くと新しい駅ができてその周辺には新しい店そして道路も新しく拡張されてるような
新旧が折り重なったような場所です。
”サラマンダ”のサイズは近所の住宅や長屋の前につくられたコンクリートブロックの花壇の高さや大きさやあり方を参考にしようと考え

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植物は2Fの生活空間から見えて欲しいアオダモ以外は家から駅までにあるもので構成しようと考えました。

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その作業は僕の中ではヒップホップにおけるサンプリングをイメージです。

サンプリングを調べると
「既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。あくまで曲の一部分を引用するだけなので、基本的な歌詞やメロディーラインをそのままなぞるカバーやアレンジとは別物である。」

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ソテツ、ツピタンサス、セローム、アロエ(ここではアロエ・ストリアツラ)、キンモクセイ、マキ、アガベ(うまいこと近所にありました(汗))
どこにでもあるもの(なんなら敷地の端っこで忘れられてるようなもの)をGREEN SPACEらしいレイヤードで。
僕もはじめてですがマキとアガベの組み合わせなんて最高ですね。

一番言いたいのは、エポキシ樹脂もオーナーの提案そして周辺の植物をつかうことも建築家さんからの提案。
なんていうか僕はそこにうまくのっけていただいただけです。
僕らの業界でもデザインしてるとかplanしてるとか仕事をたくさんとってる人の話って
どこか強引なところもあって、それはある種自然に対してもなのかも
建築の間取りや配置を動かしたみたいなことが自慢みたいになってて、
もちろん時にはそんなこともあるかもだし
能動的に仕事をしていく姿勢の大切なんですが
なんていうかこんなおもしろいこと考えてるねんけど一緒にやってみないって誘ってもらえるような感じでいられたらなぁって。
そしてそのときに「うまくのっかれる力」みたいなものをしっかりと身に着けておきたいなと。
おもしろいとこにはあいつらがなぜかいるみたいな(笑)
僕はそんなふうになれたらなって思ってるのです。

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