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44 帰省感覚の帰郷

私はしばらくして会社を辞めた。

会社の外でAさんに会って、辞める事を伝えた。

会社の荷物が家に送られて来た。

あれだけ執着していた会社や仕事は、あっさりと終わった。

どんなに忙しくても、どんなに頑張っても、

会社に貢献したとしても、

会社員である以上、自分の仕事は他の人が代わって出来る

自分の会社で無い以上、それ以上でもそれ以下にもならない。

代わりはいくらでもいる。

渦の中にいると分からない。

責任感を持つ事と、仕事が=人生では無い。

自分の人生がまずあって、

仕事はその中の一つで、人生を豊かにする為に仕事をする。

それすら分からない状態になっていた。


全ての人が働いている平日

私は目的無く過ごしていた

時々フラッシュバックで思い出しては、落ち込む事も少なくなっていった。

まだ睡眠導入剤は欠かせなかった。

一人で過ごす事が無性に寂しかった。


友達や時々食事に誘ってくれる人と食事に行ったりしたけど

何かずっと寂しかった。

そして仕事をしていない自分が後ろめたかった。


ここにいて誰かと出会い一緒にいる未来も、

想像出来なかった

今が永遠に一生続く気がした。

孤独感が押し寄せてきてどうしようもなかった。

怖かった。

寂しかった。



それなら、、、


このまま一人でいるより

しばらく実家に帰ろうかな

半年〜1年くらい。

あれだけ実家にだけは。今更お世話にならない様にしようと思っていたのに、

今は家族といたい。

それぞれの部屋にいて、

すぐにリビングに集まれる。

誰か頼れる人が近くにいる。と言う状態がほしい。


父は東京で仕事を頑張っている私を応援している感じだったから、

多分がっかりするだろうなぁ…

あと田舎の近所の目もある…

結婚もせずにいい年齢で実家に戻る娘。

どう映るかな…

それでも、帰りたいと思った。


母に伝えた。

家戻ってもいい?

戻っておいで。



決めた。

帰ろう。


帰る事を伝えたのは、

一番仲の良い3人にだけ伝えた。


グループで会っていた友達や

時々しか会わない友達

時々デートに誘ってくれていた人

そう言う人達には何も言わなかった。



でも、

一つだけ心残りがあった。

会社を離れてから、

色々ありすぎて、

あの一目惚れをした彼の事を考えいなかった。

でも、彼の友達と付き合ってる彼女と久しぶり会った時に言われた。

ねぇ、あの好きだった彼から何か連絡あった?

ううん。無いよ。
すごい前の事だし、私色々あってそれどころじゃなかったんだ。

と答えた。

彼女は、言わないでって言われたんだけど、、

一目惚れの彼が、○○ちゃんの事好きっぽいんだよね。って。

でも、彼が見てて思う事だから、本人が行動すると思うから何も言わないで。って言われたんだ。
と言って、届いたメールを見せてくれた。

え?!

マジで…

…複雑だけど、やっぱり嬉しかった。

連絡してほしい。それなら。

でも、、、

私は仕事も辞めちゃった。

実家に帰る。

引越しする日も決まった。

なんて

タイミングが合わない…

そして、こんな今の私自信が無い

でも、

あんなに好きになれる人には出会えなかった。

諦めたはずなのに、

こんな事聞くと、また考えてしまう。

他の人をみようとしたけど、他の人の事は好きになれなかった。

まだ彼への気持ちが残っていた。

それを聞いてから、
ただ一つ、
後ろ髪をひかれる気持ちになった…



一時的に東京を離れるけど、

きっと又戻ってくるだろう。

一旦帰ろう。

帰省する位の気軽さで、実家に帰った。






つづき


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