建設機械化史総論31 第4期(モーターグレーダ)

1.5.2建設機械整備費

10.建設機械化の重点

(3)モーターグレーダ

 日本開発機は終戦後たくましい意欲をもって次々と新建設機械の製作を試みた。トレンチャ、エレベイチンググレーダ、トラックショベル等がこれである。モーターグレーダもその1つであった。最初の製作は昭和22年頃と記憶する。初めての試作であるから故障も多く、最初の1号機、2号機を購入した北海道庁の札幌現業所はなんとか使おうとして苦しい努力をつづけていた。結局、実際にはほとんど使用に堪えなかったが、これが契機となってわが国のモーターグレーダが出現したことを思えばその犠牲的精神は尊く、決して無駄では無かった。我々はは日本開発機の新建設機械への奮闘を高く評価し、昭和23年度においては、いまだ充分使用に堪えないことは知っていたけれども、育成する意図味で数台購入した。もちろん故障は続出し、苦情も多数出たが、長い目で育てようではないかと説得しながら使用させていたのである。しかるに昭和24年度に入っても性能は向上しないし、故障は相変らず減らぬし、改良を慫慂(しょうよう)しても真剣にならず、サービスも不良だということが判明してきた。購入した各府県からは非難がごうごうとして起った。独占企業の欠点を如実に知った我々は、遂に三菱重工業と池貝自動車に試作を命じ、両社も我々の信頼に応えて初めてにも関わらず、24年度内にある程度使用に堪えるものを産み出したのである。これがため日本開発機も止むを得ず改良を強いられる結果になり、私達の意図は成功した。現在の日開、三菱、小松3社の大中小型モーターグレーダは世界的水準に達しているのではないかと考えている。

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