建設機械化史総論28 第4期(建設機械化の重点)

1.5.2建設機械整備費

10.建設機械化の重点

 昭和23年4月建設省は建設機械整備費の事業認証を受け、予算を配布されていよいよ実施に移った。扱うは管理局資材課の機械係で高木薫技官以下4名位だった。本予算の実施については予算編成時の条件にあった如く、経本が全面的に監督指導するという建前から、筆者と中岡二郎君、加藤栄一君の三名が方針その他について緊密に建設省の高木君と連繋をとりつつ協力したのである。
 元来本予算は河川事業の機械化を大義名分として発足したのであるから、河川関係の機械に重点を置き、その機種についてはできるだけ制限し、重機械のみを購入することにした。また、わが国の最も遅れている機動的重機械については特に力を注ぐこととした。表1.5-1購入機械一覧表に見る如く、国産機械の購入はブルドーザ、パワーショベル、モーターグレーダ、タワーエキスカベータ、浚渫船等を主とした。他にも建設機械は多種多様に存在するが、あまり多くの機種に初めから手を出すと、どれも虻蜂とらずになるおそれがあるので、他の機種については目を閉じて数種の機械のみに限定したのである。また建設機械整備費の効用を誇示する上にも大型機械のみを取上げた方が有利であるし、これら以外の機械は概ね小型機械であり、小型機械ならば購入も容易だし、事業費で購入し得るからである。また購入は原則として本省で扱うこととした。普通の他の予算の如く、機械整備費を地方建設局に分配してしまうと、大型重機械を購入するという線も守れるかどうかも分らぬし、わずかな予算を最も有効に使用し、建設機械化の理想を破られるおそれがあったからである。果して本予算の使用については後日、地建より猛烈に分配要求の声が挙がり高木君も一時は苦境に立ったが、よく頑張り通して本省予算として確保することができた。
 さて重点をおいた機関に関しては初めてのことではあり、種々な問題が次々と起り、これらを解決するため私達は身を削る苦心をした。次に各機種についての想出を述べて見よう。

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