建設機械化史総論33 第4期(浚渫船)

1.5.2建設機械整備費

10.建設機械化の重点

(5)浚渫船

 建設機械整備費は河川工事の機械化に重点を置いた関係上、大河川においては浚渫船の購入を要求した。しかし利根川の如き大河川では1,000HPのポンプ船を欲しがったが、当時の造船能力では簡単に1年足らずで製造することは不可能な事情もあり、また新造は非常に高価なので1,000HP級は中古品を購入することとした。
 他に渡辺製鋼所が200HPのポンプ船で分解輸送のきく作業船を考案し、水上輸送の利かない奥地へ輸送が可能なのでこれを三隻購入することになった。本ポンプ船は画期的な着想で、困難な海上輸送を避けることができる点が非常に面白く感じた。その後も改造を重ね現在では各方面に使用されていることは皆様のよく御存知の通りである。

(6)払下げ機械

 以上述べた国産機械の他に払下げのブルドーザ、スクレーパ、ダンプトラック、モーターグレーダ等を多数購入した。既に稼働時間が数千時間のものもあたったが、中には1,000~2,000時間位のものもあった。国産機械が未だ不安定で信頼できない期間をこれら米国機械が多数現場に入り、機械化施工のうま味を植えつけた功績は大きい。言い換えれば国産機械が使用に堪えるまで育成する期間をこれら払下機械が時を稼いでくれたともいえよう。我々建設機械化を推進していた者にとっては助けの神であったわけである。

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