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6月の初め 早朝

コロナ禍も3年目。
子供達もぼちぼち対面授業が増え、また日中はひとり忙しくも勝手気儘な日々に戻りつつあった6月初めの事でした。

母は今近くの老人ホームでお世話になっているのですが、パーティション越しではあるけれど、やっと日曜日の面会が許され、父が亡くなり、母がホームに入ってから実家で一人暮らしをしている兄と出かけていきました。
母はもうだいぶん痴呆もすすみ、会ったところでなんだかなぁ。
ところが帰り際、エレベーター前で挨拶しようとしたらやっと私だと気がつき、「あんた…手ぶら⁈」(お土産に何も持ってこなかったの?)と。
もう、今まで私だと認識してなかったのか、道理で他人行儀な感じが一転、可笑しくて、兄とケアマネジャーさん達と大笑いし、とりあえず元気そうでよかったと、帰りにスーパーで私は食材を買って、兄にはお昼ご飯になりそうなお惣菜やらお弁当やらを買い与えてドライバーを勤めてくれたお礼を言って別れました。

次の日の朝。
早朝に兄からLINEが入り
昨日ホームでもらった母の写真送ってほしいと。
朝から暇な奴やなぁあとにしよ、とワイドショーを眺めつつ、朝の準備をしていた時でした。

家の電話が鳴り、それは以前母が
手術をした市民病院からでした。


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