見出し画像

36. カナダ生まれのピアニスト、グレン・グールドのお墓を訪ねて

こんにちは。親子でカナダのトロントに留学中のGreenです。

今日は雲ひとつない青空がひろがる金曜日、気温は22℃前後という、暑くもなく寒くもない最高のお天気。

というわけで、晴れた日に行くと決めていたとあるところに行ってきました。

それはこちら 
Mount Pleasant Cemetery, Cremation and Funeral Centres

トロントのミッドタウンにある大きなセメタリーです。ここにグレン・グールドのお墓があると最近知ったのです!!!

グレン・グールド(Glenn Gould)はカナダ、トロント生まれのピアニスト。かなりユニークな性格や考え方の持ち主で本が出ていたり映画にもなっています。わたしは彼の本を買うほど好きだったわけですが、手元にないし読んだ本を片っ端から忘れていく頭脳の持ち主なので、ざっくり知りたい方はこちらの方の記事をどうぞ。

ピアノが弾けるわけでも特に熱心なクラシック音楽ファンでもないわたしですが、大学生の時にグレン・グールドを聴き始めて以来、20年以上のファンです。

特にこちらのGoldberg変奏曲は100万回きいてるけど未だ飽きないアルバムのひとつです。

バッハ:ゴールドベルク変奏曲 https://amzn.asia/d/ay7DNef

というわけで、グールドの演奏を聞きながらセメタリーへ向かう。うちからこのお墓までは車で約25分、6月の晴れたトロントは本当に最高。

なんどけど、どちらかというと彼の音楽はもっと寒い時期のほうが似合ってる気がして、今が10月末の晴れた日だったらもっと最高だったなとか贅沢なことを考えながら到着。

この墓地はとても広くほとんどのエリアに車で行けるみたいなのだけど知らなくて、funeral centerの駐車場に停めててくてく歩く。散歩してる人、走る人、自転車乗る人、犬の散歩をする人などがのんびり行き交う。他のセメタリーに比べて大木が多く、木陰がいい感じに多いと思う。

グールドのお墓はセクション38というところにあるらしく(ネット情報)、お墓の地図もゴロゴロ上がってるのでそれらを頼りに38エリアまで歩いて行く

(便利な時代、、21歳の時ポーランドに行き、好きだったポーランド人のクシシュトフ・キェシロフスキという映画監督のお墓に行きたくてでも場所がわからなくて、ま、ワルシャワにつけばなんとかなるだろうと思ったけど、なんともならなくて[そりゃそうだ😂] 見つけられないまま時間を無駄にした若かりし日を思い出した)

ゆっくり歩いてもセンターから6.7分かな。38区画にてひとつひとつ名前をチェック。

あった!!

お墓に来たからといって特にすることもないわけで、ただなんとなくそこで過ごす。グールド50歳でなくなったんだな。あらためて考えても若いな。もうすぐわたし50歳じゃんと思いながら帰路に着く。

***

30代の頃は自分の骨はお墓なんかに埋めずに海に撒いてほしいなと思ってた。お墓なんかあっても残された人が管理しなきゃいけないし、別にお墓という形にこだわりはないよと思っていたんだけど。もっと自由でいたいと思っていた。故人を偲ぶ気持ちはお墓に行く頻度ではないと思うし、どこにいても思いたい時に思えばいいじゃんと。まさに"そこにわたしはいません〜 眠ってなんかいません〜♪" というあの歌のまんま笑。

でも40代に入って樹木葬という形があることを知ってそれもいいなと思うようになった。美しい木は好きなので、木の下で眠るってなんかいいな。木陰もできるしな。

(トロントのトレイルや公園を歩いていると、樹木やベンチに故人のお名前プレートがついてるものをけっこうよくみかける。仕組みがよく分からないんだけど、別にその下に骨が埋まってるわけではなくて亡くなった人が寄付してるのかなって思ってたんだけど、どうなんでしょ?)

こういうの、日本でもできるならお墓とは別にわたしもどこかに木とベンチを寄付したいわ。名前もさりげなく入れてほしいわ笑。木陰と休憩場所を提供できるのってステキじゃない?

そんな感じで最近は散骨方式ではなく美しい木の下に埋めてほしいと思うようになり、つまりそれは墓石という形にこだわりはないのだけど、お墓みたいな特定の場所があるということだ。

お墓というものがあるおかげで、わたしのような名もなきファンが、こうやってグールドの死後40年も後にとことこひとりでやってくることができるのだ。べつにお墓に来たからなんなの?って気もするんだけど、なんかこれてうれしいわけですよ。なんなんでしょうね、これ。

有名人だからとかそういうことでなく、その人と親しかった人たちがときどき訪れることができる場所、それが義務感から掃除しなきゃとかお花飾らなきゃとかそういうことじゃなくてね、ふらっと訪れたくなるようなそんな場所があるといいなと。

だからそこにはステキな木とベンチが必要なわけですよ(これは遺書ではありません笑)

グレン・グールドのお墓を訪ねながらそんなことを考えた平和な6月の昼下がりでした。

(ちなみにダウンタウンには彼がベンチに座ってる像があるので次はそこに行く予定)

それでは、また♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?