27クラブ

「バカなやつだ」
「これじゃジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリンと同じだ。あいつらしさなんて、どこにもない」

ジム・モリソンの訃報に接したとき、レイ・マンザレクはそういったという。

27クラブという言葉がある。
多くの偉大なミュージシャンが二七歳で亡くなっているので、そのリストをそう呼ぶようになったそうだ。
ジミ・ヘンドリックス、カート・コバーン・ブライアン・ジョーンズ……そしてジム・モリソン。

去年、大幅に体調を崩したとき、そのことが頭によぎらなかったわけではない。もちろん、死してなおおかしがたい威光を放つ音楽家たちと自分を重ねるなどいささか不遜ではあるけれど、偉大な人物かどうかにかかわらず、生まれてから二七年目には、抗しがたいスピリチュアルな災厄が降りかかってくることがままあるのかもしれない。ついにぼくも……。

今日、二八歳になった。世界が新しいウィルスの脅威に揺れている中で、ぼくは極めて個人的な安堵に浸っている。

27クラブのドレスコードは死装束だ。彼らは二七年の歳月で素晴らしい仕事をした。でももう、新しい音楽を作ることはできない。

今はただ、これからも新しい音楽を作れることによろこびを感じている。

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