(短編小説) ねじ花(1)
〔今年の夏は、災害級の暑さになるでしょう〕
長期予報を聞いて、日曜日の朝から憂鬱な気分になり、テレビを切った。天気病の京子にとって、去年を超える暑さは恐怖でしかない。幸いリモート仕事が増えてはいるが、自宅での仕事は集中してできないし、光熱費は支給されないからクーラー代もかさむだろう。軽食が食べられる喫茶店や、飲食可能なスペースが併設された図書館を探して、そこへ<通勤>するのもいい。クーラーの涼しさと夏の暑さと異空間での仕事に、今から徐々にでも体を慣らしておきたい。スマホで