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隙間と戯れ

雀が鳴き始める瞬間の朝に存在する自分を認めている
語るような言葉も単語ばかりで文章にならない
そんな感じの朝だ
いつまでも諦められなくてウジウジしている
そんな感情がいつくもいくつも溢れては消えていく

ここ半年、以上、かもしれない

まさに行き場のない、もやもやとした思いに
わたしは辟易していた

どうあがいても
きっと
これは勘違いなのだろう

得たいのしれない期待に
てっぺんまであがったり
地下までさがったり
こころは限界をむかえそうだ

「期待」って
なにかありますか?

わたしは
自分の期待がどこにいて、いったい何を期待しているのか
具体的に言葉にできないでいます

願いが叶うことを
いうなら
わたしの願いはいったいなんだったのだろう?

夢が叶うことならば
夢ってなんだっけか?

そんな感じで
思い描いていた未来だったり、わくわくしていた時間が
いまは「無」と化している

おいしい食事や、ふらふらと飲むお酒に
酔いしれても次には これではなかった! と落胆する

観たかった映画や、面白いと思った動画は
半分みて 空想の世界へ思考がトリップしてしまうんだ
ほとんど集中できていない

一日に何度も口にする
コーヒーの味は
甘くもなく、苦くもなく
無味

ホッとする時間でもなく
ただ、無駄に時間をすてている気分で
憂鬱になる

気が付いたら
そんな 特別をくりかえしているんだよ

わたしの生きてきた現実の世界は
いまよりずっとアナログな空間で
ちょっとした落ち込んだようなことがあっても
容赦なく日常をくりかえすのが普通だった

同和問題を映像でみせられて
意味もわからないのに学ばされたり
家庭環境は一律同じように裕福であることが大前提で
話をすすめていく周りとの調和を余儀なくされた

古い感情と
新しい環境と
共存している、不思議で
いま思えばむかつく毎日だった

現在、そんな考えをかかえたまま
生きると
なぜか心療内科で
様々な精神疾患の名前をつけられて

あなたは病気ですね
ってなるんだけど

感情が生活においつかないからって
病気扱いされるのも許せなかった

確かに重症化するまえに
治療は必要なんだけど
もっと別の解決方法を見つけ出さない限り
この世界のひずみはどんどん深くなるんじゃないかと思っている

なので、意地でも病院に頼ろうとは思わない

きっと
わたしは子どもの頃にとうに壊れてしまっているのかもしれない
何度もそうおもった。

正常ではいられない
同じ状態だったら
ケアが入る
最近なら、そうなるであろう時間を
何食わぬ顔で過ごしてきた

誰にも気が付かれたくない
声をかけることも
誰かの胸にすがりつくことも
しようと思わないのだから
仕方がない

このまま、これで人生を終えるんだろうなっ
って思ってた

最近
自分の内側に問いかける時間が増えた
振り返り
自分をないがしろにしてきた
長い時間に対していろいろ回想してみた

キツかったことも
泣きたかったことも
悔しいとか、つらいとか
形容詞を簡単に集めては
あたまをパンパンにして

吐き出す場所を
鍵付きのSNSを選んで
その根本的なものが何なのか知ることもしなかった

転んだから痛いのか
火傷して痛いのか
それとも
誰かに何か言われて心が痛いのか

全然関係のない
理由は存在するのに
一切みようとしないで
探り当てることもしないで

ただ「痛い」と嘆くだけの
呟きだ

治療したいなんて
少しも考えなかった

これはこういうもの
だから流して
忘れてしまえばそれでいい
そんな思いで
毎日毎日、何度も文字を眺めては綴った

そんなの全く意味がなかったのに

湧いてくる思いは
血液のようだと思った
傷口をおさえようともせず
ただ
やみくもの
血がながれて
痛い痛いと
眺めているようなものだった

もし、誰かに話していたのなら
その傷口にあう薬や
血をとめる方法があったかもしれないのに

ひとりでいることは
強いことでもなんでもないのに
弱いとは思えずに
孤独になって安堵していた

強いわけじゃない
うずくまって
血がとまるのではなく「固まる」のを待っていただけだった

誰にも、みられたくなくて
避けていたんだなって思う

この傷口をみられたら
余計なおせっかいな人物が沢山よってきて
あーでない、こーでもない
適当に治療をして
適当に病気やケガのような対処をして

わたしはずっと
縛られてしまうのだろうと思って怖かった

変わった見方をしているのは
そのせいだね
って決定されるのが嫌だった

わたしは普通だ。
あなたたちがおかしいんだ

それを主張するには
わたしが正常で成功しなければならなかった

なかなか実現しない
そんな時間は
何も考えずに眠ることと起きることで
自分を沈めて忘れていた

いま、雀の声をききながら
掴みどころのない この声の正体を重ねて炙りだし
捕まえようと試みている

だから
わたしのうたう文章は
文豪のように 緻密ではなく
雑で荒い

まだまだ、はじまったばかりで
そして、この隙間のような無音の時間も短い

楽しく戯れていたいのに
解決できないまま
夜明けの時間はおわってしまう

次はいつ
きけるのか
それは
感情の奥深く中で隠れている
何かが気まぐれないと
わからないんだ


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