パリ生活ゴ (32) お返事する

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
（2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです）

が、ご注意を！！！
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 32.  お返事する  

＜シーン 32 ＞
10年ぶりに日本生活者となった私は、日本的「お返事」の はやさ にたまげている。何気に「お元気？」とメールを送ると、2秒後に「元気よん」、とくる。「ホームパーティーするから10日後までに出欠教えて」と送れば、2日以内に8割から返信アリ。

フランスでは「お元気？」メールへの返事はナシ。か、忘れた頃にやってくる。パーティーの出欠なぞ当日朝までに3割レスポンスがあれば良し。日本人は迅速な「お返事」が当然。出欠の返信しなけりゃ非常識のレッテルを貼られる。

一方、フランス人は？
メール？今はそんな気分じゃないわよん。出欠？面倒ね、その日になって行きたきゃ行くわよ。
彼らは返事を出すことに拘束されたくナイ。
自分の返事に拘束されたくナイ。
返事を待つ相手への気遣いよりも、自身の心の自由を優先するのダ。

ふと内省。自分はどうだ？
送られてきた お元気メールの8割を無視するくせに、自分がパーティー主催するときはレスポンスなしのフランス人をののしる。そして、パーティーの招待メールを受けた時には、つい返事を先送りにする自分自身がオソロシイ。

＜使えるパリ生活ゴ 32 ＞
Invitation pour la ①fête de classe
クラスパ－ティーの招待状

Chers Amis,
みなさまへ

Nous organisons une fête pour les familles de la classe.
Nous avons réservé une salle de fête avec jardin où les enfants peuvent ②se défouler et les parents peuvent discuter ③tranquillement.

同じクラスの家族パ－ティーを催します。
庭付きのパ－ティー会場を予約しましたので、お子様は思う存分走り回り、ご父兄の皆様はゆっくりお話が出来ます。

Nous proposons de pique-niquer ensemble et faire connaissance.
ご一緒にピクニックをしてお近づきになりませんか。

Veuillez trouver les détails ci-dessous: xxxx
詳細は下記をご覧下さい。（略）

Veuillez répondre et indiquer votre présence/absence par email à l’adresse xxx avant le 31 mai SVP.
出欠をご記入の上、ご返信を5月31日までにxxxのメ－ルアドレスまでお送り下さい。

〜解説 32 〜
①（une）fêteで「パーティー」。
語源はラテン語のfesta。もとは宗教的な祭りだけを意味していたが、転じて日常生活から切り離された楽しみ（パーティー）を意味するようになった。
＜関連語＞fête nationaleは「国の祭日」。fête de la Toussaintは 「万聖節」。動詞はfêterで「祝う」。fêter l’anniversaire de Jeanで「ジャンの誕生日を祝う」。

② se défoulerで「本能の赴くままに行動する」、「ストレスを解放する」【libérer ses instincts】。
de（反対、除去）+fouler（押しつぶす）より。子供がエネルギーを発散させる意味で用いられることがよくある。

③ tranquillementは「静かに」、「落ち着いて」。
形容詞はtranquille。もとは「海が静か、穏やか」という意だが、転じて人の心の穏やかさも示すようになった。
＜関連表現＞Laissez-moi tranquille は「かまわないでよ」。誰かに付きまとわれた時にぴしゃりと言う表現。

❤️では scène 33 でお会いしましょ❤️