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パリ生活ゴ(29) あの人 フランス語下手だから

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 29. あの人 フランス語下手だから 

<シーン 29 >
日本で平和に暮らすつもりが、フランス人と関わっている限り、ときに心がねじれそうになる。

息子の友達、トマ(6歳)。私は甥っ子のように可愛がっていた。
「ウチに遊びに来る?」と私。トマは飛んで喜ぶと思いきや「ノン」。
「?」同じ質問をしたが同じ反応。急に心がしぼむ私。
後で知ったが、ママに怒られた直後でご機嫌ナナメ。単に八つ当たりされたようだ。
息子と2人で帰ろうとした時、トマのママに引き止められた。夕飯はわが家で、と決め込んでいた彼女は焦る。すんごい形相でトマに向かって「トマ、どうして行かないの!」執拗なママの尋問にトマの答えは七変化。「ノンなんて言ってない」→「だって、はっきり聞こえなかったもん」。挙句の果てに「何聞かれたか分かんなかった。彼女、フランス語下手だから」。

でた~、思い出させてくれるわ。フランスの職場でトラブルがあり、張本人(フランス人)がやり玉に上がって逃げ場を失った時に出てくるお決まりのフレ-ズ。「○○のフランス語が分からなかった」。勿論○○には外国人名が入る。

親から子へ伝承される、おそるべしフランス式責任転嫁のテクニック。子供は親をよう見とる。

<使えるパリ生活ゴ 29 >
A : T’① as mauvaise mine ces derniers temps.
最近、顔色悪いねえ。

B : Je ne ②supporte plus.
もう我慢できないわ。

A : ③De quoi tu parles?
何のこと?

B : Une secrétaire au travail. Quand il y a des problèmes, elle dit ④systématiquement qu’elle n’a pas bien compris mes instructions.
秘書よ。トラブルがあったらいつも言うのよ、私の指示がよく分かんなかったって。

A : Ca veut dire?
それ、どういうこと?

B : Ca veut dire que c’est à cause de mon français.
私のフランス語のせいってこと。

A : Elle te ⑤rejette la responsabilité, c’est bien ça?
あなたに責任転嫁してるってことね。

〜解説 29 〜
① avoir mauvaise mineで「顔色が悪い」。
mine は「顔色」。「顔色が良い」は、avoir bonne mine。

② supporterで「耐える、我慢する」。
supportable は「耐えられる、我慢できる」。「耐えられない、我慢できない」は、insupportable。
<類義語> (順に) tolérer、tolérable intolérable。 Insupportableの類義語にはinfernalもある。

③ De quoi tu parles? で「何のことを言ってるの?」parler de ~で「~のことを言う」。
De quoi と、deを忘れずに。A qui tu parles? で「誰に言っているの?」parler à~で「~に言う」。A quiと、àを使うことに注意。

④ systématiquementは「徹底して、終始一貫して、常に」の意で使われることが多い。

⑤ rejeter la responsabilité à~で「~に責任転嫁する」。

❤️では scène 30 でお会いしましょ❤️


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