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パリ生活ゴ(24) リピート拷問

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 24.  リピート拷問  

<シーン 24 >
保育園の保護者代表セシリアを怒鳴りつけてしまった。私は保護者会のお菓子の購入を頼まれていたのだが、3回も同じ指示を聞かされたうえに、会の前日にまた言おうとするので、ついぶちかましてしまった。
「何回言う気や。ワシはアホとちゃうで、いっぺん聞いたら分かる」。

同じことを何度も聞くのはバカにされているようで耐え難く、なにより苦痛だ。しかしフランス人たちには繰り返し繰り返し言う癖がある。

体の自由を奪い、水を一滴ずつ延々と額に落とし続ける中国の拷問は、リピート行為に人間の精神が耐えられないことを意味するのだろう。
では、ナゼフランス人たちは狂わないのか。

彼らの耳は通常オフになっていて、自分に利益(または不利益)をもたらす、興味深い話題の時にのみオンとなる。だから疲れないのだろう。

『フランス式リピート拷問』から逃れるためには、相手がリピートする(要10分)前に、こちらからサマリーを言えばいい(1分で済む)。そしてニッコリ 笑って、「でしょ?」と締めれば双方ハッピー。

<使えるパリ生活ゴ 24 >
A : ① Tu te rappelles que tu dois acheter des gâteaux pour demain? Un paquet de gâteaux secs et...
 明日のお菓子買わなきゃいけないでしょ。ビスケット1箱と……、

B : Arrête de répéter la même chose. ②Tu me l'as déjà dit dix fois.
同じ事言うの止めてよ。もう何回も言ったでしょ。

A : Ah, bon? Mais ③ça fait rien, non ?
あっ、そう? でも(言っても)いいでしょ。

B : Si. Franchement ça m'agace. Premièrement, tu ne vois pas que je suis pressée? Deuxièmement, tu me fais perdre du temps. Je sais bien ce que je dois acheter.
ハッキリ言ってアンタうっとうしいのよ。まず、私が急いでるって分らないの?それに、時間のロス。何を買わなきゃいけないか、ちゃんと分ってるわよ。

A : D'accord, d'accord. Ne t'excite pas comme ça.
わかった、わかったって。そんなに興奮しなくていいじゃない。

〜解説 24 〜
① tu te rappelles que~?(直接法)で「~するのを覚えている?」。
「忘れずに~して(Rappelletoi de 不定法)」の婉曲表現。N'oublie pas de (不定法)「~すること覚えてるでしょうね」意味に比べて、少々義務的な意味が含意されている。

② tu m'as déjà dit で「もう言ったでしょ」。
最後のditの「i」を強く、長く発音する。何回も同じことを聞くのにウンザリしている気持ちを表す。強調のために、後ろにdix fois, cents fois, milles fois等をつけることもある。

③ ça fait rienで「大したことじゃない」、「構わな い」。
Ce n'est pas graveのように、謝罪された時などに言うが、責任追及された時にも「目くじらたてるほど大した事じゃないでしょ」という意味合いで使われることも有る。

❤️では scène 25でお会いしましょ❤️


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